2020-08-30

コンビニエンスストアの事業承継問題の相談が増加中!

8月26日(水)の日経MJには、「再起なるか 6万人の商人」というタイトルで『19年度コンビニ調査』が掲載されていました。

今回は1981年の調査以来、初めて店舗数が減少し、新規出店も2000店を割りました。記事の最後には「この状況を克服するには、本部とFCオーナーが二人三脚となって個店を強くすることが必要だ」と書かれていました。

確かにその通りだと思います。

Img_20200830_0001 しかし、コンビニも誕生してから40年以上が経過し、契約の継続と後継者問題を抱え、個店を強くすることに力を注げないコンビニも増えています。そのためか、ここ1~2年、私のところにも複数店を経営するオーナーからの相談が増えています。

オーナーが高齢化して経営が難しくなった場合、コンビニの事業承継には3つのパターンが考えられます。


1.自分の子供など親族にオーナーの地位を引き継ぐ
2.社員に店舗を譲り、対価(家賃も含む)を得る [一部チェーンで導入済み]
3.Aタイプ(自社物件)であれば、本部に借り上げてもらい家賃収入を得る

この中で最も多く、難しいのが「子供への事業承継」です。

なぜなら、仕事や人間関係に対する価値観が現オーナーと引き継ぐ子供では大きく異なるからです。そのため、親子だけで話し合って事業承継をスムーズに行うことは困難な場合が多々あります。

また、現オーナー(創業者)は従業員や本部と長年にわたり培ってきた信頼関係に基づいて仕事をしていますが、働き手の価値観が大きく変化している中、子供に引き継ぐにあたっては新たな運営体制(仕組み)を作ることも必要になります。

そのような時に第三者が間に入り、双方の価値観を調整しながら事業承継計画を作ったり、運営体制を作ったりできると良いのですが、そうした加盟店支援をしているコンビニ本部はほとんどないのが現状です。

そのため、私のところに相談が来ているのだと思います。
そこで、私が中小企業診断士として支援しているのが「事業承継計画「事業価値を高める経営レポート」を現オーナーと後継者が一緒に作成することです。

この作成プロセスからいままでのコンビニ経営を振り返ると同時に、今後の経営計画についても現オーナーと後継者が「共有化する」ことができると、事業承継がスムーズに進みます。

そして、その結果として、現オーナーと後継者が個店を強くすることにも注力できるようになるのです。

※コンビニの事業承継について、
 ご相談がある方は下記メールアドレスまで連絡をください

kazuo@ark-consulting.com

ARKコンサルティング・オフィス 石川和夫


2020-07-27

新入社員が求める「受容型の上司」とは、どんな上司?

コロナ過の中、今年の新入社員の多くはいきなり自宅待機。ビデオワークによる新入社員研修などを自宅で受講しなければいけませんでした。

新入社員の多くはイメージしていた社会人生活のスタートと、現在の状況とのギャップに大きな不安を抱えたことでしょう。

このような想いを強くしたのは、リクルートマネジメントソリューションズがまとめた「2020年の新入社員調査レポート」を見たからです。

当レポートによると、新入社員が仕事をする上で重要視することの1位は「成長」(32.4%)、2位は「貢献」(30.0%)。それも、3位の「やりがい」(18.6%)を大きく上回っています。このような価値観を持っている新入社員にとって自宅待機&学習は辛いものがあったのではないでしょうか。

また、調査レポートの中で、私が関心を持ったのは「あなたが上司に期待することは何ですか?」の回答です。

1位=「相手の意見や考えに耳を傾けること」
2位=「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」
3位=「好き嫌いで判断をしないこと」
4位=「よいこと、よい仕事を褒めること」
5位=「職場の人間関係に気を配ること」

これらの上位5項目は「5年前」「10年前」と比べ2%~15%大きくポイントを上げています。

この回答から部下を引っ張っていく従来型の上司ではなく、一人ひとりの意見・考えや仕事に対する価値観の違いを受けとめながら部下を育て、チーム作りをしていく「受容型」の上司が求められていることがわかります。

従来型の上司から指導を受けてきた管理職者が、いまの新入社員が求める上司像に違和感を覚えるのは当然だと思います。

しかし、店や商品に対する客のニーズが多様化している点に現場が変化対応しているのと同じように、これからの管理職者には若手世代の価値観の変化を理解し、それらに適応した人間関係と職場作りが求められる時代なのです。

 

 

2020-06-25

『人の問題を解決する 実践コーチング』が電子書籍になりました!

2019年6月に発刊された『人の問題を解決する 実践コーチング』が電子書籍になって「BOOK☆WALKER」(KADOKAWAグループ)から発売されました。それも、990円(税込)と大変お得な価格になっています。

Photo_20200625160501 本書では人時生産性の向上が求めれる小売業や飲食業などの現場において、従業員を定着化・戦力化するためには管理職者のコミュニケーション能力がいかに大切かを説いています。

「採用後、すぐ辞める人を減らすには?」
「ベテランパートから協力をうまく引き出すには?」
「パワハラだと言われない上手な怒り方は?」

など、豊富な会話事例(Q&A形式)で実践的なコーチングスキルを分かりやすく解説しています。

本書に関心のある方は、ぜひ1行目の書籍タイトルをクリックしてBOOK☆WALKERの紹介をページをご覧ください。本書の「はじめに」「目次」「聞き方のスキル」など、試し読みすることができます。

2020-05-22

新型コロナウイルスの影響で「キャリア観が変わった人」が増加中!

緊急事態宣言に伴う事業の休業や縮小、テレワークなどによる働き方の変化、さらには雇用問題に対する企業姿勢の報道を見聞きするたびに、「多くの人が企業(仕事)と自分の関係を考える機会になるだろうな」と、私は強く感じていました。

そのような時に報道された㈱ビズリーチが実施した「新型コロナウイルスの感染に伴う、働き方やキャリア観・転職活動への影響に関する調査結果」は大変興味深いものでした。

Img_20200522_0001 この調査によると、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、自分自身のキャリア観に変化があったと答えた人の割合は、「大きく変化があった(11%)」と「多少変化があった(45%)」を合わせて56%でした。

また、この56%の人に具体的な理由を聞くと、以下のような回答(複数回答)がありました。[数値は「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計]

「どこでも活躍できる自分の強みを可視化する必要があると感じた」=96%
「スキルアップや新しいスキル習得のために時間を割く必要があると感じた」=92%
「場所や時間を選ばない働き方に魅力を感じた」=84%

この調査は4月20日~22日に㈱ビズリーチの会員(500人、多くは40代)を対象に実施したものです。そのため、キャリア形成やスキルアップに対する回答者の意識の高さが数値になって現れていると考えられます。

しかし、転職を考えてビズリーチに登録している人でなくても、今回のように想像もしていなかった環境下におかれると、自分自身の働き方や仕事との関係を見直す人は多いのではないでしょうか。

ただ、そのように思っても自分の思考と感情を的確に分析・整理した上で、自分に必要なスキルや知識の習得に取り組み始めることは容易ではありません。

このような時には一人で考え込まず「誰かに話を聞いてもらう」ことが大切です。

上手に聞いてくれる相手に出会うことができれば、今回のような厳しい環境変化を新たなチャンスに変えることができるかも知れません。


2020-04-23

『FCチェーン収支モデル比較ハンドブック』を活用してビジネスを成功に!

私が所属している(一社)東京都中小企業診断協会のフランチャイズ研究会では、フランチャイズビジネスの調査・研究を行い、その成果を冊子や書籍にすることでフランチャイズ業界の健全な発展に貢献しています。

それらの冊子や書籍は、毎年開催されている「フランチャイズ・ショー」(主催:日本経済新聞社)で販売していましたが、今年は新型コロナ感染拡大の影響で開催そのものが中止になり、加盟希望の方に直接販売することができなくなりました。

Photo_20200423114201 そこで、今年の研究成果物であるよくわかる!FCチェーン収支モデル比較ハンドブック(改訂版)』をフランチャイズ研究会のHPから購入できるようにしました。


これからフランチャイズビジネスを始めようと考えられる方は、本ハンドブックを参考にして、ビジネスの成功を手に入れていただきたいと思います。

【HP内のハンドブック紹介文】
FCチェーンに加盟するとどれだけ資金が必要なのか、開業後にどれだけ売上・利益がでるのか、という点は、加盟希望者にとって最大の肝心事です。いったん加盟すると契約書を締結し簡単にやめられないことから、後悔しないようにFCチェーンを選択する必要があります。
本ガイドブックでは小売業から4業態、外食業から3業態、サービス業から5業態を選び、初期投資額やモデル収支、研修制度などを業態内各社で比較しました。
加盟募集資料や法定開示書面、HPなど、公開されている情報を収集し、その範囲で比較しています。他チェーンと比較することで、ビジネスモデルの特徴や本部サポートの違いが浮き彫りになります。本部選びの参考にご活用ください。





2020-04-05

新型コロナウィルスの影響で飲食店が危機的状況に!

先週に続き今週も土曜・日曜の2日間、東京都内の百貨店の多くは臨時休業しています。新型コロナウイルスの影響でインバウンド需要が減った上に感染拡大対策としての自主的な休業です。これでは前年比二桁以上の売上減となり、百貨店が厳しい経営状況に陥ることは避けられません。

さらに、経営状態が厳しくなることが想定されるのは飲食店です。

Dsc_0032特に、3月29日に東京都知事が緊急記者会見を開催。感染につながる「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集する場所」「近距離での密接な会話」を避けるように、そして不要不急の外出を避けるように自粛を要請してからは、多くの飲食店で予約のキャンセルが相次いでいます。

4月3日の日経MJにはキャンセルの状況が次のように書かれていました。

飲食店の予約管理サービスを提供するテーブルチェック(東京・中央)が首都圏などの約4300店の予約状況を調べたところ、1店舗あたりの平均予約件数は3月28日に前年から51%減、29日には46%減となった。予約に占めるキャンセル比率も前年が1割前後だったのに対し、28日~29日は4割を超した。

百貨店とは異なり、飲食店の多くは中小企業または個人経営の小規模事業者です。そのため、短期間でも売上が大きく減ったり、休業しなくてはいけない期間が長引いたりすれば、資金的に経営を続けていくことは困難になります。

その対策として、国は「雇用調整助成金の特別措置の拡大」や「新型コロナウイルス感染症特別貸付」などの支援策を打ち出しています。しかし、これらの手続きをしても助成金や貸付金が事業者に支払われるのは数か月先。それまでの期間、運転資金を持ちこたえることのできる飲食店は少ないのが現状です。

もし、今後「緊急事態宣言」を出すのであれば、迅速に助成金や融資が受けられる支援体制もセットで出していただきたいと思います。

 

 

2020-03-05

FCショー2020の中止&パート・アルバイトの定着率改善策

新型コロナウィルスの感染拡大を受け、3月4日~6日に予定されていた「フランチャイズ・ショー2020」が中止となりました。開催の取りやめは大変残念なことです。一日も早く感染の拡大が収まることを願います。

前回のブログ=「今年も『フランチャイズ・ショー』でセミナーを担当します」でも案内しましたが、今回は人手不足時代のパート・アルバイトの採用と人材育成のポイント」というテーマで、特に定着率の大切さと戦力化の必要性について話すつもりでした。

なぜなら、今年は夏にオリンピックとパラリンピックの開催が予定されているため、パート・アルバイトがボランティアに参加して仕事を辞めたり、休んだりすることが考えられます。また、訪日客が増えて消費活動も活発になるため、既存の事業者がパート・アルバイトの雇用を増やすことも考えられるからです。

私のように考えている人は多いようで、3月4日付けの日経MJには下記のような見出しで定着率の必要性と対応策が書かれていました。

場当たり的でない教育を
オリパラ後も従業員に定着してもらうには

Photo_20200304151401 記事を寄稿したパーソル総合研究所のフィールドHRラボの調査によると、新しく採用したアルバイトの約55%が半年以内に退職しています。これでは3~4月に採用しても、オリンピック開催時までに半数以上が退職してしまうことになります。

よく顧問先の経営者と「定着率改善が先か」「採用を増やすことが先か」という話になりますが、私は『定着率の改善が先』だと確信しています。ただ、定着しない職場にはさまざまな問題が根付いていて、一朝一夕にはその問題を改善できないのも事実です。

しかし、いまから取り組めばまだ間に合います。今回FCショーのセミナーで話すことができませんでしたが、定着化のポイントは私の近著=『Q&Aで納得 人も問題を解決する 実践コーチング』にも詳しく書いていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

2020-02-06

今年も「フランチャイズ・ショー」でセミナーを担当します

Img_20200206_0001  今年も3月4日(水)~3月6日(金)の3日間、幕張メッセで開催される『フランチャイズ・ショー」(日本経済新聞社:主催)でセミナーを担当します。

私が担当するのは、3月4日(水)15:00~16:00のフランチャイズ加盟希望者向けセミナーの『人手不足時代のパート・アルバイトの採用と人材育成のポイント』です。

「FCビジネスの成否はパート・アルバイトの戦力化で決まる!」と言っても過言ではありません。そこで、当セミナーでは多角化によるFCビジネス参入や複数店経営を目指す加盟者希望者向けに、人手不足時代に合わせたFCビジネスの選択基準や開業前の採用・資金計画のポイント、さらには採用したパート・アルバイトを定着化させると同時に、効果的に育成して戦力化するためのポイントを解説します。

多くの方の参加をお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【FCショーの詳細やセミナー事前申し込みは、セミナータイトルをクリック!】

2020-01-20

「特定活動46号」の活用でコンビニも留学生(卒業済み)を社員に!

2019年4月の入管法改正で、コンビニ業界は「特定技能の対象14業種」に入ることができませんでした。そのため、せっかく大学を卒業した(または今後する)留学生がいたとしても、社員として採用することができず、悔しい思いをした経営者の方はたくさんいました。

コンビニを複数店経営している私の知人も同様で、大学卒業後も働き続けたいという留学生がいるにもかかわらず社員としては採用できず、就労制限時間の範囲でアルバイトとして働いてもらっていました。

しかし、その留学生(卒業して数年経過)が在留資格を「特定活動(46号/本邦大学卒業者)」に変更することができて、めでたく社員になることが可能になりました。

この制度は、2019年5月30日に外国人留学生の就職先を拡大することを目的に制定された資格ですが、4月の入管法改正のようにニュースとして多くのメディアに取り上げられていなかったため、前述の経営者も私も知りませんでした。また、勤務していたアルバイトが46号の資格要件を満たしていたこともラッキーでした。

主な資格要件には、次のようなものがあります。
(詳細は法務省のガイドラインを参照してください)

1.フルタイムの雇用であること(社員・契約社員が対象)
2.日本の大学・大学院を卒業(修士)し学位を授与されていること
3.日本語能力試験のN1またはBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有すること
4.日本人と同等額以上の報酬であること
5.日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務であること
6.日本の大学や大学院で習得した広い知識および対応的能力等を活用すること

ただ、今回は新たな制度が始まったばかりということもあり、特定活動の資格期間が1年になっていました。しかし、手続きをお願いした行政書士に聞くと、「新しい制度なので様子見のため1年にしているのだと思います。何事もなければ更新は問題ないと考えています」と話してくれたので安心しました。

いまコンビニ業界では、どの店も人手不足で大変苦労をしています。
この制度がより多くのコンビニ経営者に理解され、優秀で意欲的な留学生がコンビニの現場で活躍できることを期待したいと思います。

 

 

 

 

2019-12-19

セブンイレブンの不祥事と「契約タイプ上」の構造的な変化

セブンイレブンの本部と加盟店の双方で働いていた職歴または現在の仕事の関係から、セブンイレブンの不祥事やその対応に関する問題について意見を聞かれる機会が多くなりました。

そこで、意見を聞かれた時には「原因はさまざまな理由があると思うが・・・」という前提条件付きで、フランチャイズビジネス上の構造的な問題のひとつとして「加盟契約タイプの変化」を話しています。


セブンイレブンの加盟契約には「Aタイプ」と「Cタイプ」の2種類があります。

Aタイプは加盟者が店舗取得費や内装設備などの費用を全て負担するタイプで数千万円の初期投資が必要になります。一方、Cタイプは本部が店舗取得費や内装設備費などを負担するタイプで、加盟者は加盟金250万円(※)でセブンイレブンを開業することができます。しかし、毎月の売上総利益から本部に支払うロイヤルティ(セブンイレブンでは「チャージ」といいます)はAタイプと比較して高い比率になるため、同じ売上高でも加盟者の利益はかなり低くなります。

つまり、Aタイプは「ハイリスク・高リターン」、Cタイプは「ローリスク・低リターン」ということができます。

創業当初、セブンイレブンは街の酒屋を中心とした小売業に加盟してもらうことで店舗数を増やしてきました。そのため、加盟店のほとんどがAタイプでした。しかし、他社コンビニとの物件開発競争が厳しくなると同時に、チェーンビジネスとしての効率化を高めることを目的に『ドミナント化(高密度集中出店政策)』を進める必要性からCタイプの店を増やすようになりました。

Photo_20191219152801この傾向は10年ほど前から顕著になり、2003年にはAタイプより少なかったCタイプの加盟店が、2018年にはAタイプの3.5倍にもなっています。(グラフ数値=店舗数、資料出所:セブン&アイHldgs.コーポレートアウトライン)【表はクリックすると鮮明・拡大になります】

AタイプとCタイプでは加盟者のコンビニ経営に対するニーズや価値観は異なります。しかし、セブンイレブンの本部はAタイプが過半数を占めていた時代の考え方で加盟店に関わっていたため、加盟者との間にさまざまな問題を発生させる要因の一つになったのではないかと、私は考えています。

(※)この他に初期の商品仕入代金が約500万円ほど必要になりますが、本部からの自動融資制度があるため、加盟者自身が資金を用意しなくても開業することは可能です。しかし、あくまでも本部からの借入金なので、毎月の営業利益から返済をしなければいけません。

 

 

«厚労省が「コーチング講座」で中高年の学び直しを支援!