「教えないの?」
レッスン仲間にポジティブ コミュニケーション セミナーの案内をすると
たいてい驚かれた。
「へえ~、アナタってこういうことしてる人だったんだ」
稽古場でしょっちゅう顔を合わせているのに、案外おたがいの名前も知らなくて、
ましてレッスン以外のところで何をしているのかはわからないことが多い。
私も、はじめのころは「バレエ教師…?」と見られることがよくあったが、
最近では、どうやらバレエ教師ではないらしい、ということは浸透していた。
で、コミュニケーションの仕事をしている、というと「へえ~」なのである。
でも、かなり多くの人が「へえ~」といった後にいうのだ。
「バレエは教えないの?」と。
中には「バレエを教えるんだったら、教わりたいのに」という人までいる。
バレエは教えないの?
バレエは教えてないの?
バレエは…?
あんまり何回も何回もいわれるので、考えてしまった。
バレエ、教えようかな、と。
3年前にパーソナルトレーニングをはじめたばかりのころ、
トレーナーの樋渡さんは毎月私に会うごとにいったものだ。
「踊らないんですか?」
ほんとうに、毎回毎回いうのである。
踊らないんですか?
踊らないんですか?
踊らないんですか? と。
何回もいわれているうちに、また踊ってみてもいいかなあ、と思うようになった。
そのときの樋渡さんの促しがあったからこそ、現在の「踊る私」がいるのである。
「踊る私」が復活すると、樋渡さんのセリフは変わった。
「教えたらどうですか?」
教え、ねえ。
二十歳のころに先輩の代講で何度か教えたことはあったけど、
うーん、考えたことなかったなあ。
樋渡さんに何度もいわれるうち、教えるのもおもしろそうかなあ、と心は動いたものの、
教える場もなく、その思いもなんとなく立ち消えになった。
でも、いま、新たな方向に心は動いている。
教えてみたいな。
だけど、ほかの人とは違ったやり方で。
踊ることをあきらめかけていた私が、カラダを作りなおして復活できたのは、
ひとえに樋渡さんによるトレーニングがあったからだ。
そして、踊りを再開した私が、
あらためてバレエ本来の美しさを追求したいと思うようになったのは、
バレエのラインの美しさを徹底的に説くいまの先生方のおかげだ。
トレーニングとライン。
そのふたつを融合した大人のバレエのための講座。
大人になってからバレエをはじめた方たちが、
自分のカラダがもっている力を高めたうえで、バレエの真の美しさを求めて踊れるように。
プログラム作り、取り組んでみるつもり。



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