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2006-03-25

【続】パート・アルバイト「時給」上昇中!

しばらく前から、さまざまなところで「勝ち組」「負け組」という言葉を耳にします。
この言葉、戦前にブラジルに渡った日系移民の間で、日本が敗戦後もその「負け」を認めず、「勝っている」と主張する人と、「敗戦」を事実として受け入れる人を、それぞれ「勝ち組」と「負け組」というふうに区別したことが始まりだといわれています(はてなダイアリーより)。
現在では厳しい経済環境の中、変化に対応しさまざまな創意工夫を行って生き抜いていける企業(または人)を「勝ち組」、淘汰され消えていく運命の企業を「負け組」としてつかわれています。

パート・アルバイトの雇用状況を見るとき、ここにも「勝ち組」の店、「負け組」の店が明確に分かれてきていますね。

「負け組」の店の経営者に採用状況を聞くと、
・「最近は求人広告を出しても、全く応募者がこないことがあるんだよ。
 学生が働かなくなるし、店が増えるしね、これじゃやっていけないよなぁ」
・「今日また面接をすっぽかされてね、全く最近はいい加減なのが多くて…」
・「人がいない所は派遣バイトを使っているんで、人件費がかかって…」
 (参考:東京にあるコンビニ向けアルバイト派遣会社を使った場合の費用は、
  1時間あたり1500円《深夜時間帯は1800円》が平均相場です)

これに反して、「勝ち組」の店の経営者からは、
・「求人広告はあまり出さないんだけど、ポスターや紹介で結構集まるんですよ。
 つい先日も募集していないのに『バイトしたい』っていう学生が来てね…」
・「みんな長く働いてくれているんで、助かっているよ」

と、こんな話を聞くことができます。
この「違い」はどこから来るのでしょうか?
店を見に行ってみるとその「違い」はすぐにわかるんですね。

「負け組」の店
まず、店に入った瞬間感じることは、「暗い」!
①「いらっしゃいませ!」の声が出ていない。出ていたとしても声のトーンが
 マニュアル的で抑揚がなく小さい(つまり、気持ちが伝わらない)。
②働いているパート・アルバイトの表情が暗い、そのうえ動作が緩慢。 
③売場が死んでいる(きちんと管理されているとしても、商売をしていない)

「勝ち組」の店
①もちろん「いらっしゃいませ」の声が大きく出ていて、アイコンタクトもしっかり
 できている(笑顔で迎えてくれる人も多い)。
②働いているパート・アルバイトが活き活きとしている(表情が明るい)。
③売場にさまざまな工夫がされている(売場担当者からの想いが伝わる)。

「もし、あなたが働く店を探していたら、『負け組』と『勝ち組』の店、どちらで
働きたいですか?」

つまり、働く人の数が増えない状態で、スーパー・コンビニ、さらには外食チェーン店の数は増えているわけですから、これから働こうとする人にとっては店を比較検討できて、選びやすくなっているわけですね。
選べるなら、誰でもできるだけ良い環境のところで働きたいですよね。
だから、1ヶ所ではなく数ヶ所の店を候補として挙げ、応募する前や応募したのち店を見に行く人は増えているんです。
その結果、「負け組」のような店には応募者が集まらない、さらに採用できたとしても続かずすぐ辞めてしまうので、慢性的な人手不足という状況になる訳です。

では、どうしたら人手不足から脱出できるのでしょうか?
それには、いまいるパート・アルバイトの「働く上での満足度」を向上させ、定着率を高めることに全力を注ぐことです。
時給を上げるだけでは解決は望めませんよ。

いまコンビニ業界では多くのチェーン本部が主導し、パート・アルバイトのスキルと満足度をアップさせるための教育体系づくりに力を入れています。自分が加盟しているチェーンにこのような仕組みがある店は是非活用しましょう!
その結果、「勝ち組」のような店ができれば、パート・アルバイトの定着率は良くなり、応募者も増え採用がしやすくなるはずです。

ぜひ、「時給アップが(優先順位として上位の)解決策ではない」ということを、肝に銘じておきましょう!

2006-03-20

パート・アルバイト「時給」上昇中!

「今年こそ要求を勝ち取るぞぉ!」
「ベアゼロを許すなぁ!」
平日の昼休み時間帯、拡声器を通した激しい声が響き渡る。
「うるさいなぁ」と思いつつ、窓からのぞいて見ると、土建組合や出版組合のデモ行進。
しかし、拡声器の声と裏腹にデモ参加者達からは、
「勝ち取るぞぉ~」「許すなぁ~」
と間延びした気合の入っていない声。
「大丈夫かぁ、本当に勝ち取る気あるのかぁ?」 
そう思うのは私だけでしょうか?

今年も春の賃金労使交渉の真っ只中。
その焦点のひとつが、パートの賃上げ要求に対し、スーパーなど流通大手が相次いで昨年実績を上回る「増額回答」を出している点ですね。
ちなみに、1万人以上のパート組合員を抱えるイオンの妥結額は5.4円(非組合員を含むパート全員ベース・日本経済新聞より)。最大の理由はパートへの業務負担増加と活性化だろうけど、人手不足が深刻化する中で、必要なパートをつなぎ止める狙い(定着率改善)も大きいのだろうなぁ。

時給が上昇傾向なのはスーパーのパートだけじゃありません。コンビニや外食で働くアルバイトの時給も上昇を続けています。
求人情報大手の学生援護会によると、「関東地域のアルバイト平均時給(98職種平均、募集時、派遣を除く)は1月に前年同月比24円高の1036円。2003年1月の調査開始以来の最高値を3ヶ月続けて更新している」(日本経済新聞2006年3月16日版より)とあります。

「特にここ1年ぐらいの上がり方が大きいなぁ」と思いつつ、近隣の時給を調べてみました(調べたのは東京都/文京区、時間帯は①早番:9時~17時、②遅番:17時~22時、③深夜番:22時~翌7時or8時、高校生を除く)。

■ローソン ―――――――①850円  ②850円  ③1100円
■サークルK ――――――①850円  ②850円  ③1050円
■エーエムピーエム ―――①850円  ②850円  ③1100円
■セブンイレブンA店―――①950円  ②950円  ③1200円
■セブンイレブンB店―――①830円  ②830円  ③1050円
■サンクスA店 ―――――①900円  ②900円  ③1100円
■サンクスB店 ―――――①960円  ②960円  ③1100円
■COCO一番(カレー)――①1000円 ②1000円 ③1250円
■なか卯(牛丼等)――――①900円  ②900円  ③1250円
■松屋(牛丼等)―――――①970円  ②950円  ③1213円
■オリジン(持ち帰り惣菜)―①900円  ②900円  ③1125円

確かに1年前より30円~50円、確実に上がっています。特に飲食関係の時給が高くなっている!
原因は出店の増加と景気回復に伴う業績回復・客数増による人員確保だと言われているけど、こんなに上げたら人件費総額が膨らみ大変でしょう?
でも、人が集まらないから上げるんだろうなぁ。
これでは、コンビニ・スーパーに人が集まらなくなるのも当然ですよね。チェーン展開の飲食店で働く人とコンビニで働く人は共通点も多いし、都心部はコンビニやスーパー(特に小商圏に対応した小型店)も増えているしね。
それに今回調べてみて気づいたのは、同じチェーン同士でも時給格差が広がっているということ。

でも、時給さえアップすれば採用がしやすくなり、定着率が高まるのでしょうか?
時給でパート・アルバイトを惹きつけよう、つなぎとめようとする状況に危機感を感じるのは私だけなのでしょうか?

(次回に続く…)

2006-03-12

コンビニの「ご用聞き」

コンビニの既存店ベース売上高が2006年1月現在、17ヶ月連続でマイナスとなっています(資料出所:日本フランチャイズチェーン協会)。
このような厳しい状況の中、各チェーンは女性向けの品揃え強化や新業態開発など、さまざまな手を打ってきていますね。
その中でも特に気になるのが、「ご用聞き」

業態として最先端をいっているコンビニだけど、「ご用聞き」は商売の原点、特にこれから高齢化社会をむかえる時代、必要なことだとは思います。
ただ、本部経営指導員の加盟店への薦め方に問題があるんです。

某Sチェーンでは広島の加盟店が出張販売を始め、大きく売上を伸ばしたことに焦点をあて、トップ自らが「今こそ、御用聞きの時代だ」と導入を薦めていますよね。
すると、日頃から「トップの言うことをどれだけ現場に徹底することができたか」という点に価値を置くこのチェーン、当然、本部経営指導員は担当店ほぼ全店に「ご用聞き(訪問販売)をやりましょう、同じ地区のA店もやってこれだけ成果が上がっています」と一律にお薦めしてしまうんですよ。

「おいおいちょっと待って、個店別の経営状況とか経営資源(人・物・金・情報など)を考えないでいいの?」と言いたくなります。

■売上を伸ばす方法の優先づけ
売上を伸ばす方法には次の5つがありますよね。
 A.新規顧客を獲得する
 B.来店頻度を上げる
 C.流出顧客を減らす
 D.買上点数を増やす
 E.買上単価を上げる(より価値のある単価の高い商品を薦める)

まず、この5つの視点から個店別に考えていくことが最初では?
一般的に1~2年以上経過している既存店の優先順位としては、
「C→B・D→AまたはE」でしょう。

まず、はじめにチェックすることは、接客・クリーンネス・売場の品揃えレベルが低く、お客様に失望感を与え、お客様を他店に取られていないかということ。
つい、客数を増やすことばかりに目が行き、「C.流出顧客を減らす」という視点を持っていない人が多いので注意が必要ですね。
次に、接客レベルをアップ、自分のお店のファン=常連さんになってくれるお客様を増やし、「B.来店頻度を上げる」。または、品揃え・陳列・販促方法に工夫を凝らしたり、レジでファーストフードの声がけなどを行ないながら、「D.買上点数を増やす」。

ここまで出来て初めて、「A.新規顧客を増やす」という手法のひとつとして、「ご用聞き」に進める訳ですよね。

上記のC→B・Dを行なって、お店の管理レベルが高いにも関わらず、商圏人口の減少や競合店の進出などで厳しい状況に置かれている店は、ぜひ「ご用聞き」をすべきだと思います。しかし、出来ていない店には、「ご用聞き?それより前にやることがあるでしょう!」と言いたくなります。

担当店一律の本部施策の実施」。
これが、コンビニ既存店の売上低迷原因のひとつになっていることは確かです。

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