コンビニ・スーパーと「食育」
1998年に明石海峡大橋が開通し、その後兵庫県淡路島の子供たちに肥満児が増えたそうです。その原因がコンビニだという記事を読んで、
「えっ、それってコンビニだけを悪者扱いしすぎでは?」
と思わず言いたくなりました。
日本経済新聞(2006年7月9日)の「食と長生き」というコラムによると、
「かつて淡路島にはコンビニが一軒もなかった。橋が架かりその後まもなくコンビニが島のあちらこちらにできるようになった。現代人にとってコンビニが生活を便利にしてくれる側面はもちろん否定できない。しかし、食の面からすると、コンビニで売られている弁当やインスタント食品類などは、塩分が多く高コレストロールでしかもカロリーが高い、野菜が少ないなど栄養バランスを欠くものが多い。
兵庫県では過去15年間で肥満児童の割合が1.5倍になった。食生活を調べてみると、朝食や夕食をコンビニ弁当やサンドイッチなどで済ます子供が多い。明石大橋ができたことで、淡路島も例外ではなくなり、ある小学校では兵庫県下で三番目に肥満児童の割合が多かった。」
とありました。
確かに、コンビニができたことによって子供達(もしかしたら親?)の購入場所と商品選択の幅が広がり、カロリー過多の食事やおやつが手に入りやすくなって、肥満化傾向要因のひとつにはなったと思います。しかし、コンビニと同様のインスタント食品や弁当類などの商品は、スーパーや一般商店・弁当店でも販売をしています。
コンビニを肥満の原因としてしまうのは、いかがなものかと思います。
今後、私たち大人が子供にすべきことは、多くの商品の中から「自分の健康を考え食品を選ぶ」判断材料としての知識を身につけさせることではないかと思います。
そのために平成17年7月には「食育基本法」も制定されているわけです。
食育基本法には、
「食育とは、食に関する適切な判断力を養い、生涯にわたって健全な食生活を実現することにより、国民の心身の健康増進と豊かな人間形成に資することを旨として、行なわれなければならない。」
とあり、いかに食に関する正しい知識を増やし、適切な判断力を持つことが大切かを挙げています。
コンビニの本部・加盟店さらにスーパーは、「食育」をキーワードに自分達が取り組んでいるヘルシー志向や、表面に出ない原材料の工夫などをもっと積極的にお客様へ、地域の住民へ、さらには世論へアピールする必要があると思います。
特にコンビニは、「体に悪い商品が多い」という印象を多くの大人から持たれています。この負のイメージを払拭する活動が今後ますます重要になります。
なぜなら、その活動が高齢者や女性という新たな客層を取り込み、客数を増やし、売上と利益を確保することにつながるからです。