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2006-10-31

肯定的な「口ぐせ」の効用

「私にはそんな能力ないから…」
「そうしたいけど、お金がないから…」
「やらなくては…と思っているんだけど時間がないからなぁ…」
「どうせやっても無駄だと思うんだけどなぁ…」
あなたの周りにこのような否定的な「口ぐせ」をいつも使う人はいませんか?

周りの人の会話をよく聞いてみると、けっして謙遜ではなく使っている人が意外にも多いことに驚きます。これはほとんどの場合本人の思い込みなのですが、おそろしいことには、その言葉を何度も不用意に使っているうちに自分の思い込みが強くなり、現実にそのような人生を歩んでしまうのだそうです。

「あなたが変わる『口ぐせ』の魔術」の著者:佐藤富雄氏(医学博士・理学博士)は著書の中で次のようにいっています。

「私たちの脳は簡単にいうと、古い脳(大脳辺縁系)と新しい脳(大脳新皮質)にわけることができます。古い脳はいわゆる自律神経系と呼ばれるもので、体のリズムをコントロールする機能を持っており、呼吸や心拍、消化・吸収など、無意識のうちに行なわれるような体の働きを司っています。これに対して新しい脳はものを考えたり、判断したりする、いわば人間の意思の部分を担当しています。…(中略)
この二つの脳は別々にそれぞれの役割を担って働いていますが、新しい脳の働きのひとつである『想像力』というものによって、二つの脳はむすびつけられることになるのです。…(中略)たとえば梅干を頭の中で創造しただけで、唾液が出てくるのがそうです。
つまり、新しい脳が思い描いたイメージに古い脳(自律神経系)は反応するわけです。もちろん、目の前に梅干があっても反応しますが、ここで重要なことは、古い脳は本当にあったことと想像したものの区別をすることができないということです。」

なるほど、だから仕事や人生でうまくいっている人の多くは、発想がポジティブで常に前向きな発言をしているんですね。また、エネルギッシュで健康的でもあります。
それに対して、冒頭のような口ぐせの人やいつも否定的で自分を卑下したような受け答えをする人の多くは、元気がなくて表情も暗く、仕事でもプライベートでもなかなかうまくいかないことが多いようです。

それはそうですよね。
いつも否定的なことばかり口にしていれば表情は暗くなるし、覇気はなくなるし、周りの人だって一緒にいても楽しくないから、仕事を手伝ってあげよう、新しい情報を提供してあげよう、チャンスを与えてみようとか思わないですよね。
その結果、仕事やプライベートがうまくいかなくなり、また否定的な言葉をつい口にしてしまう…。

ぜひ一度、自分の会話をチェックしてみてください(録音して聞いてみるのがベスト)。
そして、意外と否定的な言葉を使っているなと思った方には、上記の佐藤富雄氏の著書をお薦めします(引用部分は専門的内容ですが全体的にはわかりやすく読みやすい本です)。

私もコーチング研修の中では「肯定形の問いかけ」の重要性をいつも話します。
例えば、こんなふうに変えてみる提案をしています。

 【否定形】「どうしてうちの店は予約が取れないんだろう?」
⇒【肯定形】「どうしたら予約が取れる店になると思う?
 【否定形】「なんで、アルバイトが定着しないんだろう?」
⇒【肯定形】「アルバイトの定着率を高めるために、何をしたらいいのだろう?

ぜひ意識して肯定形の会話や口ぐせを増やしてみてください。
肯定的な言葉を使った会話は自分自身の可能性を広げると同時に、職場や家庭などでの人間関係をより豊かなものにしてくれるはずです。

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