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2006-11-13

今年も高まる「おせち」予約合戦

買物に出かけたついでに百貨店(東京・池袋の西武百貨店)の「おせち予約コーナー」に立ち寄ってみました。
販売員に話を聞いたところ、今年は昨年より1週間展開を早めてのスタート、すでに限定高額商品(14万円~16万円)が7種類完売だそうです。また、今年の特徴として1万円から1万五千円程度の二人用の種類が増えているということです。その他に「洋風のおせち」が今年は人気がありますよ、とのことでした。

「おせちを作らずに買う」という現象は以前から一部にはありましたが、いつ頃から定着してきたのでしょうか。

一般的には1999年頃からだといわれています。
1999年末はコンピューターの2000年問題が取りざたされ、さらに2001年9月11日にはニューヨークで飛行機によるテロが発生しました。この期間、年末年始に海外旅行を控え自宅で過ごした人が「高級おせち」を購入、リピーターとなり「おせち」の価格帯と種類も増え、購入者層が拡大してきたと考えられています。

その他、女性の社会進出や「時間価値」重視型生活の普及も重要な要素として見落とすわけにはいきません。
 ①年末ギリギリまで働く主婦パートが、お正月の準備をする時間がない
 ②若い共稼ぎ夫婦の妻も年末年始ぐらいゆっくり休みたい
 ③時間とお金に余裕のある年配の主婦が自分の時間を優先させる
…などなど。

ただ、同じおせちでも伝統的な具材とスタイルのものは人気に陰りが見られます。そこで、今年は健康志向を反映したものや年末のパーティー需要を意識したオードブル中心の料理(洋風おせち)など、各社さまざまな工夫を凝らしています。

高島屋は「薬膳おせち」:52,500円
東京銀座の中国薬膳料理店、星福(しんふう)の製造で、クコの実や冬中夏草などを使い、健康に留意する顧客をターゲットにする。

三越は「まごはやさしい」:18,900円
まめやゴマなど体に良い7種類の食材を使用して健康をアピール。食材の最初の文字を並べて商品名に。食材のうんちくが学べる「すごろく」付き。

小田急百貨店は人気レストラン「クイーン・アリス」のおせち料理:39,900円
特徴はパッションフルーツやハイビスカス、マンゴー、ココナッツのゼリーを添えた色鮮やかなデザート類。年末年始のパーティー向き。

イトーヨーカドーは「関西おせち」:14,700円
明石のたこや神戸牛など関西ならではの食材と味付けで特徴を出す。昨年は「北海道おせち」が好評だったので、これに続く第二弾。

ついにここまできたかと思わせるのは、
セブンイレブンの「NEW YEARわんダフルおせちセット」:5,000円
この商品は飼い犬用で、ペットと一緒に正月を祝いたいという需要に応えるために開発されたという。取り扱いは東京23区など一部の店(1883店)。

内容はというと、獣医やペットの栄養管理士が監修したもので、サケの南蛮漬け、ビーフステーキなど十種類の料理が入り、いずれも砂糖の代わりにオリゴ糖を使用したほかアレルギー成分の表示もされているというから驚き!

今年もますます加熱する“おせち商戦”、「エスカレートしすぎでは…」と懸念しているのは私だけでしょうか。

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