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2006-12-07

コンビニ・スーパーの商店街加入問題

コンビニエンスストアやスーパーなどのチェーン店に商店街加入を促すため、大分県が12月議会で商店街加入促進条例を制定するという記事が2006年12月3日(日)付の日本経済新聞朝刊に載っていました。

記事によると、
「商店街では空き店舗にコンビニやスーパーが進出する例が増えている。こうしたチェーン店はイベント、清掃などで商店街から恩恵を受ける一方、団体に加入しない店が多く『ただ乗り』批判が出ていた」
とあります。
そこで、大分県ではすべての小売事業者を対象に、商店街団体への加入と集客イベントや清掃などへの費用負担を求めるそうです。これらの条例には罰則規定がないため、どこまで効果が及ぶかが注目されるところだと思います。しかし、最近の大手企業はコンプライアンス問題を重要視しているので、条例に逆らうことはしないでしょう。

ただ、この記事で勘違いされては困ることが1点あります。
それは、同じコンビニといっても直営店ではない「フランチャイジー」店の多くは、商店街に加入しているということです。

私もセブンイレブンを経営していた時は、地元に住居も構えていましたし、商店街に加入しさらに商店街としての活動にも参加していました。
やれお祭りだ、年末福引だ、子供会のイベントだといっては、協賛金や賛助品などを求められました。また、お祭りで御輿をかつぐメンバーが足りないと言われ、アルバイトの子を参加させたこともあります(もちろん、勤務時間内に時給を払った上で、です)。

また記事には、
「負担増となる大手チェーンからは反発もでそうだ」
「条例が全国に広がれば、大手商業施設の郊外出店を規制するまちづくり三法改正に伴い中心市街地への回帰を探る流通・外食各社の出店戦略にも影響を与えそうだ」
とあります。
しかし、これはその企業の経営理念に問題があるのではないでしょうか。

コンビニやスーパーの商圏は大変狭く、いかにその地域に根を下ろして商売をするかが成功の鍵となります。商店街や地域のお客様に支えられて商売をし、利益を得ているにもかかわらず、その商店街・地域に参加しないというのは、利益の使い道に対する「社会的責任」の欠如だと思います。

大手チェーンの店長は2~3年で勤務地の異動もあり、地域に根ざした商売をするのは難しいことかもしれません。しかし、本社がはじめから商店街への加入も渋っているようでは、地域に根ざした「商売」をする店長を育てることはできません。

このような経営理念のもとで人材教育をしていれば、店の「運営」はできるが「商売」はできない人材を輩出してしまいます。
その結果は、といえば、コンビニでは、地域に根ざした視点でカウンセリングをすることができないスーパーバイザーを生み出し、スーパーや外食企業でも「商売」視点の欠如した管理職者が増加、そしてその企業は次第に出店地域からの信頼を失い競争力が低下することになるのではないでしょうか。

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