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2007-04-22

セブンイレブンの「nanaco(ナナコ)」ついに登場!

明日4月23日(月)から都内の約1500店で、セブンイレブンのポインカード付き電子マネー「nanaco(ナナコ)」が始まります。
(5月28日までに全国の11700店に展開予定)

いまの時代、スーパー、コンビニのポイントカードは当たり前になっていますが、チェーン規模として最大店舗数を持っているセブンイレブンでは扱っていませんでした(北海道を除く)。その理由は、「Edy(エディ)」や「Suica(スイカ)」などとの相互乗り入れによる利便性を追求するだけではなく、あくまでも取得データの活用を目指す目的で独自カードの開発にこだわったことにあります。

他のコンビニのポイントカード(電子マネー)と比較すると、「nanaco(ナナコ)」には大きな特徴が3点あります。
①クレジット機能がない
将来的にはクレジット機能付も加えていくようですが、まずは利用者を増やすことを目的としてつけていません。これならば、若い人やクレジットカードに対する抵抗感が強い高齢者も加入がしやすくなります。
②「nanacoモバイル」が使える
スタート時点で使えるのは、「NTTドコモ」と「au」のおサイフケータイ機能付タイプだけですが、これなら店に出かけていって手続きをする必要がないので、大変便利です。私も4月10日の申し込みスタートに合わせて、さっそく入会しました。
③キャラクターが「かわいい!」【写真参照】
Photo_4 セブンイレブンの「7」をイメージさせるキリンのキャラクターがとてもかわいらしいですね。また、モバイル:トップ画面の色彩(7色)がカードと同じで、女性にとても喜ばれるデザインだと思います。

もともとポイントカードは、「パレートの法則」に基づく顧客の囲い込み戦略のひとつとして登場しました。
「パレートの法則」とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが、1896年にローザンヌ大学の論文集で発表した法則です。パレートは欧州各国や米国のデータに基づいて統計的に所得分配の研究を行ないました。その結果、経済・社会体制が異なる国々でも、また異なる時期においても、一部(約20%)の高所得者が社会の多くの部分(約80%)の所得を生み出していると主張しました。

パレートの法則は、早くから所得分配だけではなく自然現象にもあてはまると指摘され、現在では品質管理、在庫管理、売上管理、マーケティングにも応用されています。
「売上の80%は、全商品の20%が作る」
「売上の80%は、絶対顧客の20%がもたらす」
という訳で、上お得意様を自分の店につなぎ止める手段として、ポイントカードが始まったのです。

しかし、地域・個店商圏ごとの利用者の年齢差や所得差、さらに消費価値差はますます顕著になってきており、従来のポイントによる囲い込みやPOSデータではお客様のニーズに対応できなくなっているのです。そこで、電子マネー(ポイントカード)には、マーケティングツールとしての新たな機能が求められています。

この機能を果たすためには、「来店客の3割以上が使わないとデータ分析の精度は高まらない」(日経ビジネス)とセブンイレブンでは考えています。
3割というと、1日平均1000人の来店客数の店では、お客様の平均来店頻度を週2回と考えると絶対客数は約3500人なので、1050人以上のカード会員(利用者)が必要になるということです。

「nanaco(ナナコ)」のテーマカラーは「7色の虹」です。
この虹の意味は、「『お客様と店舗を結ぶ、鮮やかな架け橋となって、楽しさ、便利さが広がっていく』そんな願いを表している」そうです(HPより)。
http://www.7andi.com/news/pdf/2006/0519_01.pdf

前回のコラムでも書きましたが、コンビニにいま求められているのは時代のニーズを先取りした「新たな利便性」です。ぜひ、「nanaco(ナナコ)」がその革新と創造のツールとして活用されることを期待したいと思います。

2007-04-08

ドラッグストアの脅威

日経ビジネス4月9日号の特集は、「席捲ドラッグストア」です。
この特集を読んで、今後いかにドラッグストアが成長し、コンビニ・スーパーの前に大きな脅威となって立ちふさがるかがよくわかりました。

ドラッグストア業界の2006年度市場規模は、日本チェーンドラッグストア協会によると4兆7000億円となっています。なお、日本チェーンドラッグストア協会は今後の成長を「2012年には10兆円に達する」としています。
もしこの数字が達成されると、売上が頭打ちになっているコンビニ・総合スーパー・百貨店も抜き、日本最大の流通業態になる可能性があります。

実際、高齢化社会の進行で「健康」や「病気予防」、さらには「アンチエイジング」への関心はますます高くなっており、「医食健美」を成長のキーワードとするドラッグストア業界には勢いがあります。

また、マツモトキヨシは今年の6月からいよいよ24時間営業に乗り出す予定です。記事では、「マツキヨの松本南海雄社長は『長時間営業で勝ち残る。惣菜を置くことも厭わない』と、コンビニへの対抗意識をあらわにする」と24時間営業への強い意欲を伝えています。
多くのドラッグストアでは薬剤師配置をするためのコスト問題から24時間営業を控えてきましたが、マツキヨが成功すれば他のチェーンも当然追随することになるでしょう。

一時期、スーパーの多くが営業時間の延長や深夜営業を始め、コンビニが打撃を受けました。しかし、ドラッグストアの深夜営業はスーパーとは比べものにならないくらいコンビニに大きな影響を与えると思います。
その最大の理由は、コンビニとドラッグストアでは深夜の客層が重なると考えられることです。

人口の構成比が変化し、若者層が減ってきているとはいえ、まだまだコンビニの深夜客層は若い男女が中心です。
記事の中で紹介されていた静岡県浜松市のドラッグストア「杏林堂」では、売場面積を通常のドラッグストアより広く取り、「薬や化粧品を選んで買うのは大変な作業。少しでも楽しくお金を払ってもらいたい」という気持ちから、各店ごとに売場にさまざまな「遊び場感を演出」しており、若い女性が男性を連れてデートしているといった光景も珍しくないと紹介されていました。

2007年1月の流通問題研究協会が実施した調査によると、「ふっと立ち寄りたくなる」のはドラッグストア50%に対して、コンビニは31.1%に過ぎなかったそうです。この数字は、消費者にとって日常的で身近な店がコンビニからドラッグストアに取って代わられつつあることを物語っているのではないでしょうか。

いまは、夜の10時を過ぎると多くのドラッグストアは閉店しているため、「ふっと立ち寄りたくなる」場所をコンビニが独占していることになります。しかし、ドラッグストアが24時間営業を始めた時、商圏を同じくするコンビニはどのくらいの影響を受けるのでしょうか。考えただけでも恐ろしくなります。

コンビニがドラックストアとの競合環境の中で恩恵を受ける2009年(改正薬事法施行によるコンビニの大衆薬取り扱い開始)までには、まだまだ時間があります。また、そのような外部要因に頼っていては、今後ますます厳しくなる競合環境、流通業の覇権争いを乗り切ることはできません。

これから、ますますコンビニ本部は時代のニーズに合った「便利さ」=「新しい付加価値」創造を加盟店と市場から強く求められることになるでしょう 。

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