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2007-06-17

コンビニの収益構造の変化

セブンイレブン=3,450円(3,370円)
ローソン=4,240円(4,210円)
ファミリーマート=3,160円(3,010円)
サークルKサンクス=2,180円(2,005円)
 ※( )内の金額は2007年初来安値株価

コンビニ大手各社の株価は、日経平均株価が17,971円(6月15日終値)と堅調に推移しているにも関わらず、安値圏で低迷を続けています。

この最大の要因は、セブンーイレブン・ジャパンの2007年2月期決算が、1979年の上場以来初の営業減益(1,727億円、前年比97.4%)となり、コンビニの成長路線に対する懸念が広がってきたからです。
コンビニ各社の収益が低迷している理由は、コンビニ店が全国で4万店を超え、飽和状態になりつつある地域が増えたことと、業態間の競合が激化し、既存店売上高が減少していることです。

しかし、これら個店別問題以外にも収益低迷要因はあります。
それは、コンビニの「収益構造」が変化していることです。

本来フランチャイズビジネスは、直営店での成功を元にビジネスモデルを構築し、そのノウハウをパッケージとして加盟希望者へ販売をします。そして、その後は継続的支援をすることにより、安定的にロイヤリティー収入を得ていくものです。

そのため、経営資源である「人・物・金・情報」のうち、最もコストのかかる「人・物・金」を加盟希望者に負担してもらうことにより、本部は成長スピードを速めると同時に、高収益体質を作ることが可能になります。

コンビニも以前はそうでした。
地域の酒屋や食料品店、さらには雑貨店などを中心にコンビニへの転換を薦め、いわゆる「Aタイプ(加盟者が店舗物件と建物・内装設備を用意)」というスタイルで加盟店を増やしてきました。
同時に、ドミナント化戦略(集中出店)推進の関係から、本部が物件や店舗を用意する「Cタイプ」や直営店も出店をしましたが、その数は少なく圧倒的にAタイプが中心でした。

しかし、最近ではコンビニへ転換可能な好立地商店は少なくなりました。
また都市のドーナツ化現象と同時に、車社会となり、好立地は都心部のオフィスビルや郊外の幹線道路沿いになってきました。
ただ、都心部のオフィスビルの保証金や家賃は高く、また郊外の幹線道路沿いのコンビニにとって駐車場の広さは生命線となるため、多額の初期投資がかかり、個人が始めるにはリスクが大き過ぎるようになりました。そのため店舗数を増やそうとすれば、Cタイプで出すことが必要となり、本部の出店にかかる負担金はますます増えていくことになります。

営業減益になったとはいえ、セブンイレブンは他のチェーンと比較し、1店あたりの日商が高い上にAタイプが多いため、営業利益率は高くなっています。
【コンビニ各社の営業利益利とAタイプの比率】
セブンイレブン     33.4%(半数強)
ローソン         17.3%(44.4%)
ファミリーマート(※)     14.2%(54.0%)
サークルKサンクス   12.5%(40.0%)
ミニストップ        12.6%(32.1%)
 (※)ファミリーマートでは、内装設備工事費用(1200~1400万円程度)をオーナーが負担することで、CタイプからAタイプ(正式名称は「1FC‐Cタイプ」)に変更できる契約タイプがあるため、構成比が高くなっていると推測。
【資料出所:各社2007年度2月期決算短信より、( )内はAタイプ比率:セブンイレブンは未公開のため日経新聞の推測より】

参考までに、同じグループ企業:イトーヨーカドーの営業利益率は1.2%、西武百貨店は3.8%、デニーズは0.4%です。さらに日本を代表する超優良企業のトヨタが9.94%ですから、いかにコンビニ各社の営業利益率は高いかがよくわかります。

今後、ますます「Cタイプ」や直営店舗が増えると、コンビニ各社の収益構造はより厳しいものになると推測されます。
その状況を把握するためにも、各社の貸借対照表《投資その他の資産》項目にある「長期差入保証金」、損益計算書の「地代家賃」の金額については押さえておくと同時に、年度別の推移をチェックしておくことが重要です。

2007-06-04

ドラッグストアへの不満

私の家の最寄り駅前に、ドラッグストア「Fチェーン」の店があります。
先日、このドラッグストアが改装のため数日間閉店していたので、どのような店に変わるのか楽しみにしていました。

というのも、近隣にドラッグストアは他になく、駅前ということもあり大変便利なのですが、いつ行っても「床が汚い」「欠品が多い(特に食品)」「商品が雑然としていて買いにくい(探しにくい)」という不満を持っていたからです。

しかし、期待はほぼ裏切られました。
新装開店なので、床や店内はとてもキレイになりましたが、レイアウトも基本的に変わらず、売り場は新装開店後の特売セールということもあり、いつにも増して欠品だらけのガタガタ状態でした。
その上、いつも買っている入浴剤とヴィックスのお徳用サイズは取り扱い中止、さらにその日必要だったスカイナー(鼻炎用)も欠品でした。

「まったくひどい店だ!」
と思いながら、その後も仕方なしに必要最小限の買物だけに利用していますが、5月30日の日経MJ:消費分析コーナーに掲載された「ドラッグ店、雑然感に不満」という消費者調査(社団法人:流通問題研究協会)記事を読み、私のような不満は私が利用しているドラッグストアだけの問題ではないことを知りました。

この調査では、ドラッグストアがスーパーやコンビニ、ディスカウントストアと比較し優れている点として、次の4点を挙げています。

「品ぞろえが良い」(63.7%)
「コストパフォーマンスが良い」(60.7%)
「商品が選びやすい」(59.8%)
「ふと立ち寄りたくなる」(50.0%)

そうですね。私は「コストパフォーマンスが良い」、この1点のみで買物に行っているようなものです。

また、逆に不満要因についても調査をしています。その順位を見てみると、
1位:雑然としている
2位:高級品・高価格品を買う気がしない
3位:店ごとのイメージがかなり異なる
4位:商品がどこにあるかわからない
5位:品ぞろえの方針がわからない
 (%は未表示、「かなりそう思う」「少しそう思う」人の合計)
など12項目が挙げられており、不満因子(軸)を次のように3分類しています。

①ドラッグストアに対する総合的な幻滅感。相談をしたり高級品を買う気がなく、不安や不信感も高い。
②店・マーチャンダイジングへの貧弱感。売り方や品ぞろえの物足りなさを指す。
③店内雑然感。商品がどこにあるかわからないなどと感じている。

①はよくわかりますね。
日常的に買っている医薬品なら相談をしなくても買えますが、服用に迷う症状の時などはどの人に相談をすればよいのかわからないし、レジが混んでいて相談できる雰囲気でない時も多々あります。

また、「店・マーチャンダイジングについての貧弱感」では、Fチェーン店はまず食品の欠品を減らす対策を打つべきです。そのためには、現在の週2回程度の納品回数を増やすことと、自動発注制度の活用を見直すことでしょう。

さらに、「店内の雑然感」ですが、これはドラッグストアの魅力の1つである「にぎわい感」のデメリット面です。駅前立地のドラッグストアは、時間のないお客様をターゲットにしている面もあるのですから、商品分類とレイアウトをより工夫してほしいものです。

記事本文の中で、ドラッグストアは「発展途上の業態」と書かれていました。
私も確かにそうだと思います。コンセプトが明確ではないチェーンがあるし、地域密着型の小売業態でありながら、立地と客層に合わせたマーチャンダイジングができていない店も多いのが現状です。ドラッグストアはまだまだ多くの改善余地があり、今後伸びていく可能性がある業態だと思います。

ただ、ドラッグストアがひとつの業態としての地位を確立した時、コンビニやスーパー、ディスカウントストアとの業態間競争はより一層激しさを増すということを念頭に置いておく必要がありそうです。

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