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2007-08-26

若者の「消費意欲」は低下傾向

若者の消費行動というと、「将来のことなど考えずに」、「貯金はせず」、「ほしいものを買い」、「翌日の仕事など考えず夜遅くまで遊ぶ」などなど、自由気ままな印象を持ちがちです(「それは、おやじの偏見だ!」という声が聞こえてきそうですが)。
しかし、「MJ若者意識調査」(2007年8月22日版)を見ると、いかに今の若者(20代)が堅実で、小規模の暮らしを好む「ミニマムライフ」になっているかがよく分かります。

■お酒は飲まない
お酒を「全く」「ほどんど」飲まない人の割合は計34.4%で、30代より6.8ポイント多い
20代の3分の1がお酒をほとんど飲まなくなっています。紙面では別の調査結果も出ており、その調査によると「自宅でビール類(ビール・発泡酒・第3のビール)を飲まない」人は20代で50.6%と半数を超えているそうです。
また、飲まない理由の1位は「酒が弱いから」(50.5%)、2位は「お金がもったいない」(29.6%)です。
これでは、コンビニの酒類売上が低迷するのも仕方ありません。しかし、若者の甘党は確実に増えているので、若者男性向けデザートを開発・アピールしていけば、新しいニーズを喚起することも可能だと思います。

■コンビニは高い
20代の「1ヵ月間に自由に使えるお金」は6万4400円で、2000年調査より約4千円増えた。決して若者の消費環境が悪いわけではない
しかし、大きく増えている消費項目(2000年調査との比較)を見ると、「衣料品」「くつ、バックなどの身の回り品」「日用品、インテリア小物」などであり、「外での飲食」や「酒やジュース、スナックなどの飲み物や食べ物」は微増です。
日経産業地域研究所のコンビニ調査によると、「自宅近くのコンビニを週3回以上」利用する20代は05年3月では40%でしたが、07年4月は32.5%に低下しています。また「お弁当とサラダを買うと、500円を超えてしまうコンビニは割高」という声も紹介されていました。ここから、日常的な買い物はできるだけ節約するように工夫をし、自分の生活を楽しむための消費に回している様子がうかがえます。

■休日は自宅でまったりと
休日の過ごし方では、「ほとんど家にいる」「家にいることが多い」を合わせると43.1%と半数近くを占める。男女では男47.1%、女39.1%と男性の方が家にいるようだ
かつて、「巣ごもり現象」という言葉が流行りましたが、若者の休日はまさにその言葉がピッタリのようです。「20代の休日の過ごし方」で大きく増えた(00年対比)項目を見ると、「パソコンを使う(ゲーム以外)」「家で読書や勉強」「家事をする」などです。
特に家事は男性の方が女性より増え方が大きく、約2倍近くになっています。最近の料理教室ではカップルの受講者も目立っているそうです。ここにも堅実に、きちんと生活をしようという意識の変化がうかがえ、とても良いことだとは思いますが、その分コンビニの中食需要は確実に減るわけです。

■貯蓄に励む
月々に自由に使えるお金の使い道として「貯蓄」をあげる人は36%で、00年調査から8.2ポイント増加
酒や休日の過ごし方、さらには日常の飲食にもあまりお金をかけない20代は、貯蓄に熱心なようです。20代の毎月の平均貯蓄額は5万6800円で、30代の5万9700円と大差ありません。収入が増えたら貯蓄金額を増やすと答えている20代は46.9%と約半数を占めています。また、毎日の生活を送る上で「将来に備える」ことを重視している人は39.5%、00年調査(21.8%)と比較し倍増しています。

今回の調査結果から、若者の社会に対する不安、自分の将来に対する危機感をひしひしと感じることができます。
少子高齢化が次第に進行していることに加え、若者の消費行動がこのように変化している市場環境の中、コンビニが売上を回復させることは容易ではありません。今後は中高年ニーズにあった商品・売り場開発を進めると同時に、いかに若者の生活変化に合わせたサービスを開発できるかが重要となるでしょう。

【MJ若者意識調査の概要】
日経リサーチの首都圏30キロ圏内に住む20代、30代の消費者モニターを対象に6月29日~7月4日にアンケート調査を実施。回収数は20代1207人、30代530人。

2007-08-10

2006年度「コンビニエンスストア調査」

日経MJがまとめた2006年度コンビニエンスストア調査(2007年7月25日付)の見出しは、【3ない克服】でした。「3ない」とは、「アルバイトが集まらない」「オーナーがいない」「出店用地がない」の3つの“ない”を指しています。

「オーナーがいない」「出店用地がない」は本部の問題ですが、「アルバイトが集まらない」は加盟店の深刻な問題です。従来、コンビニ本部は「アルバイトの採用問題は加盟店の人事問題であり関与しない」という基本的姿勢を取ってきましたが、それも限界に達しているのが現状です。

本調査によると、アルバイト確保状況について「非常に不足している」「若干不足している」と回答した本部は、84%(26社中)にも達しています。
加盟店が取っている対策として「派遣の利用」が一番に挙げられていますが、派遣費用は通常時給の倍程度になり、利用できる店は経営的に余裕がある一部に限られています。
多くの店は、派遣を頼むことも時給を上げることもままならず、オーナーや家族のシフト入り時間は次第に増加してしまいます。それが結果的には士気や売場の魅力の低下につながり、売上低迷要因のひとつにもなっています。

こうした厳しい雇用状況に合わせて、「加盟店の経営レベル維持」を目的とした本部によるアルバイト確保支援策が出てくることは当然の流れだと思います。

サークルKサンクスが、ホームページ上に本部負担でアルバイト募集コーナーを作成していたことは以前から知っていましたが、今回誌面に紹介されていたローソンの取り組みとその着眼点には驚かされました。

∞∞引用開始∞∞
電話を受け、確実に面接のアポ取りをこなすのは店舗ではなくコールセンターだ。丁寧な応対で約束を取り付け、面接前日には『明日は大丈夫でしょうか』と確認の電話を入れる。
これはアルバイト希望者の心理を分析した結果だ。求人誌を見て電話をかける希望者は3回呼び出し音が鳴って誰も出ないと受話器を置いて次の募集先に切り替えてしまう傾向があるという。
もし、店舗で電話に出ることができても、オーナーが不在だったり忙しさのあまり応対が粗雑になったりすると面接の約束を取り付けることができなかった。
コールセンターを設けることで面接の約束を取り付ける確率は6割から9割に、実際に面接にまでこぎつけた率は4割から67%に上昇した。コールセンターは現在は関東全域、名古屋市周辺、大阪市周辺の直営店を担当しているが、10月からは加盟店での募集にも対応する予定だ。
∞∞引用終了∞∞

私がコンビニ店をやっていた時にこのような本部支援策があったら、どんなに採用効率が上がっただろうと、考えさせられてしまいました。

求人広告誌が発売された初日に、レジが忙しいせいでかかってきた電話に出られず、何度悔しい思いをしたことか。
自分が深夜シフトで電話を受けられない時には、あらかじめ決めておいたアルバイトやパートさんに「面接受付一覧表」を渡して受付をお願いしていても、応募者の質問に適切に答えられないために、面接につながらなかったケースがたびたびありました。

確かにスタッフの採用と教育は加盟店の役割です。
しかし、コンビニ本部は顧客向けの対応ばかりに目を向けすぎです。「加盟店の雇用環境の悪化=店舗経営力の低下」という内部問題にも目を向け、ローソンのような仕組みをもっと積極的に作っていくべきでしょう。

それによってチェーン全体の競争力と加盟店の満足度がアップすれば、「3ない」の「オーナーがいない」という問題の解決にもつながるのですから。

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