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2008-02-19

男性向け化粧雑貨専門店「クオミスト」と商機

プラザスタイル株式会社(旧ソニープラザ)が運営する男性向け化粧雑貨専門店「クオミスト」を見てきました。
http://www.quomist.jp/

昨年の4月、新丸の内ビルディング(東京・千代田)にオープンしたことは知っていましたが、なかなか行く機会がありませんでした。しかし、ご近所の上野駅:ショッピングモール「アトレ」にもオープンしたという情報を入手したので、さっそく出かけてきました。

一言でいえば、男性版「PLAZA」ですね。

思わず手に取りたくなるような文具や雑貨類もありますが、並んでいる商品の4割は化粧品。それも、スキンケア、ネイルケア、ヘアケアなどグルーミング関係が多く、「男も自分を磨く時代なのだな」ということを強く感じました。

上野アトレ店は販売のみですが、新丸の内ビルディング店と有楽町マルイ店には「クイックサロン」も入っています。

「化粧品を使用する男性が増えている一方で、気後れしたり、知識が乏しかったりする人も多く、そのような男性に『ピットインするような感覚で、短時間で身支度を整えるサービスを提供したい』」(日経MJ:2008.2.1)
というコンセプトから生まれたそうです。

メニューを見てみると
■アイブロウ(眉のトリミング)・・・1000円(約10分)
■ファイリング(爪の形を整える)・・・1000円(約10分)
■バッフィング(爪を磨く)・・・1000円(約10分)
■トップコート・・・500円
■ハンドマッサージ・・・1000円(約10分)
■コース(アイブロウケア、ネイルファイリング、ネイルバッフィング)・・・3000円(約30分)

サービスは、仕事の合間などでも受けられるようにと10分単位になっています。開店当初、20歳代後半から30歳代の利用が中心になるだろうと予測していたのが、実際にはさらに上の世代利用が多いようです。

確かに40歳~50歳代前半は団塊世代と異なり、「自分自身にお金を投資する」という感覚を潜在的に持っているかもしれません。

実は最近、私もさまざまなサービスを床屋で受けるようになりました。
というのは、私が20年来通っている床屋(ベーラ)が、昨年からグルーミング関係のサービスを始めたからです。

まず、私が受けたのは髪の毛穴をきれいにする【頭皮クレンジング】です。
抜け毛が気になる歳頃ということもあり、以前から「ヘッドエステを受けたらいいのだろうなぁ、でも値段が高いし、どこで受けたらいいかわからないし…」と考えていたところに始まったサービスなので、すぐ利用しました。
価格が520円(税込み)と手頃なこともあり、散髪の際は毎回受けています。

次に受けるようになったのが「マイルドシェービング」です。
このサービスは顔剃りの前にジェル状のクリームを塗り、顔全体をマッサージ、毛穴から汚れを浮かせ髭剃りと同時に除去するというサービスです。

この顔全体のマッサージがとても気持ち良いのです。体のマッサージはよく受けますが、顔のマッサージというのはなかなか受ける機会がありません。顔の筋肉も意外と凝るらしく、凝りがひどいと表情が硬くなるそうです。
このマイルドシェービングのお値段はなんと210円!「こんなに安くていいの」と思わず口に出したくなります。

今までは散髪のみだったので1回あたりの床屋代は4200円で済みましたが、上記2つのサービスを受けるようになり、月1回の床屋代は4930円(税込み)になりました。また、時間も今までより30分程度多くかかるようになりましたが、満足度はかなりアップしています。

上記のサービスを受ける以前は、床屋へ行くことに対して「伸びた髪を切る」という機能性しか求めていませんでした。しかし、今では床屋へ行く=「伸びた髪を切る+髪と肌の手入れをする+リラックスする」という情緒的な価値が加わりました。

Photo 今月行った際には、「うるおいパック」(写真参照)という新しいサービスも始まっていたので、次回から楽しみがもう一つ増えそうです。
(理容室ベーラ:東京文京区湯島2-31-19 03-3812-4525【予約制】)

美容院と比較してなかなか単価が上がらなかった街の床屋でも、このような取り組みにより客単価を上げていくことは可能です。

自分磨きにお金と時間を投資するようになった男性に対して、どのようなアプローチができるのか、商機は他業種・業態にも広がりを見せそうです。


【お知らせ】
2008年3月11日(火)~13日(木)に、東京ビックサイトで開催される「日経フランチャイズ・ショー」(日本経済新聞社主催)の公開セミナーを担当することになりました。
《公式サイト》 http://www.shopbiz.jp/top/index_FC.html?PID=0003&TCD=FC

■テーマ

加盟前から知っておく「パート・アルバイト採用難・定着難時代の備え方」
※「加盟前」となっていますが、開業中の方もぜひお越しください。

■担当日時
3月12日(水)11:00~12:10  《FCショー、セミナーともに入場無料

■申し込み方法セミナー受講のみ事前登録が必要です
下記サイトよりお申し込みください。
https://register.wds.co.jp/entry_fc/regist.asp

■定員・・・50名
お早めにお申し込みください。

■内容

フランチャイズ・ビジネスの多くが、その労働力をパート・アルバイトに依存しています。しかし、近年では「募集を出しても集まらない」「採用してもすぐ辞めてしまう」という声が加盟店から多く聞かれます。そこで、本セミナーでは今後ますます厳しくなる「採用難・定着難時代」を乗り切り、安定した経営と人材育成を実現するための「募集・採用のポイント」と、多くの加盟者が軽視しがちな「定着化・活性化のポイント」について解説します。

2008-02-05

「セルフレジ」、コンビニにも登場!

東日本旅客鉄道(JR東日本)のグループ企業が運営するコンビニエンスストア「NEWDAYS(ニューデイズ)」が、Suicaを利用したセルフレジ導入の実証実験を行っているというので、さっそく体験してきました(利用可能時間は午前8時~午後5時)。

Photo実証実験が行われているのは、JR山手線の田町駅と大崎駅にあるNEWDAYSです。山手線を田町駅で降り改札口に向かうと、改札手前の店舗入り口横にセルフレジ告知のポスター(写真参照)がありました。

店内を見ると通常のレジが2台、そのカウンター奥に一見レジとは気づかない形状の「セルフレジ」が2台置かれていました。もちろん、このレジに店員はいませんが、調査員らしき女性が何かメモを取りながらセルフレジ奥に立っていました。

さっそく、チョコレート2点とガム1点を手に取り、セルフレジを使おうとしたのですが、まずどこでレジ登録(バーコードスキャン)をすればいいのかわかりません。まごまごしていると、調査員らしい女性がSuica残高確認とレジ登録、支払方法を教えてくれました。セルフレジ横には500mlのペットボトル3本程度が入るビニール袋がぶら下がっており、これに商品を入れて会計は終了。
所要時間にして15秒程度(まごついていた時間を除く)。
「なるほど、これは便利!」、思わず感激してしまいました。

年齢の認証が必要な酒とたばこはセルフレジでは購入できませんが、新聞などバーコードの付いていない商品は、タッチパネルから商品名を選択・登録して購入することができます。NEWDAYSは街中のコンビニと異なり、1回の買い上げ点数が1~2点と少ないお客様が多いため、「待たないですむ」ということではセルフレジの効果は大きいと思います。

コンビニでは初めてですが、スーパーでは2003年(イオン)からセルフレジ導入は進んでいます。セルフレジの国内販売台数は日本NCR(東京・中央)、富士通、東芝テック、寺岡精工(東京・大田)の主要4社合計で2007年度に約千台に達する見込みで、2006年度の2.7倍になっています。《日本経済新聞2008年1月1日付》

スーパーが導入しているセルフレジは4台セットが一般的です。4台に1人の割合で従業員が監視役と案内役を兼ねてつくことになりますが、人手不足を解消すると同時に、人件費抑制の有用な手段として一定の成果をあげています。

しかし、コンビニエンスストアに普及するためには、いくつかの問題をクリアする必要がありそうです。

1. 導入コスト高
NEWDAYSのセルフレジ導入費用額はわかりませんが、上記スーパーが導入しているセルフレジは普及が進み安くなったとはいえ、4台セットで1000万円程度とまだまだ高額です。

2. サービス業務受付不可
代行収納業務などのサービス業務が受け付けられません。
現在、大手のコンビニでは物販売上額よりも代行収納業務取り扱い額の方が大きくなっています。今後、ますますコンビニのサービス化が進むことを考えると、商品購入清算のみのレジでは活用できる店が限られそうです。

3. 棚卸減耗問題
スーパーの場合、4台に1人の監視員がつくことで不正清算を抑制しています。しかし、コンビニで通常レジ2台、セルフレジ2台とした場合、セルフレジに監視員を1人つけることは人件費から考えて不可能です。それでなくても、レジの合間に品出しや発注をしているのが現状なのです。

セルフレジ導入による不正清算が売上対比でどの程度発生するのか、この点が最も気になるところです。


【お知らせ】
2008年3月11日(火)~13日(木)に、東京ビックサイトで開催される「日経フランチャイズ・ショー」(日本経済新聞社主催)の公開セミナーを担当することになりました。
http://www.shopbiz.jp/top/index_FC.html?PID=0003&TCD=FC

■テーマ

加盟前から知っておく「パート・アルバイト採用難・定着難時代の備え方」
※「加盟前」となっていますが、開業中の方もぜひお越しください。

■担当日時
3月12日(水)11:00~12:10  《FCショー、セミナーともに無料》

■申し込み方法セミナー受講のみ事前登録が必要です
下記サイトよりお申し込みください。
https://register.wds.co.jp/entry_fc/regist.asp

■内容
フランチャイズ・ビジネスの多くが、その労働力をパート・アルバイトに依存しています。しかし、近年では「募集を出しても集まらない」「採用してもすぐ辞めてしまう」という声が加盟店から多く聞かれます。そこで、本セミナーでは今後ますます厳しくなる「採用難・定着難時代」を乗り切り、安定した経営と人材育成を実現するための「募集・採用のポイント」と、多くの加盟者が軽視しがちな「定着化・活性化のポイント」について解説します。

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