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2008-08-25

ベルギービールの季節

昨日、近くのコンビニエンス・ストアに「ザ・プレミアム・モルツ」350ml缶(サントリー:249円)を買いに行ったのですが売り切れており、仕方なく普通の「モルツ」350ml缶(同:207円)を買いました。週末ぐらい少し高くても美味しいビールを飲みたいと思っていたのにガッカリです。私に失望感を与えたうえ、このコンビニは1本あたり42円も機会損失をすることになりました。

ビールの販売量は1994年をピークに低下が続いています。要因として考えられるのは、まず若者がビールを飲まなくなっている点です。
サントリーが5月に実施した調査によると、
1週間に1回以上ビール系飲料を飲む人は40代で男性が62.4%、女性が42.4%に対し、20代では45.6%、25.0%と若年層ほど飲まない姿が鮮明になっている。
2007年のビール飲料の課税出荷量はピーク時の1994年に比べ13%減の628万キロ㍑に減少。[2008.7.16 日経MJ]

次に挙げられる要因は、1995年からの「発泡酒」、2004年からの「第3のビール」の発売です。景気の低迷と同時に消費者の節約志向は強まり、ビールから「発泡酒」⇒「第3のビール」への乗換えが加速度的に増加しました。
さらに、昨年からはメタボリック(内臓脂肪)症候群対策を意識する消費者が増えたために、健康志向をアピールした「糖質・糖類ゼロ」「カロリーオフ」などの発泡酒が数多く発売され、ますますビールの販売量は低下しています。

しかし、そのようにビールが売上低迷を続ける状況の中、売上を伸ばしているビールもあります。それが、冒頭で紹介したサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」に代表されるちょっと贅沢なプレミアムビールです。
そして、その極めつけは何といっても「ベルギービール」でしょう。

ベルギービール」は、中世に修道僧が作ったのが始まりだといわれています。ベルギーは冷涼な気候でワイン作りに適したブドウを育てることができなかったため、穀物を原料とするビールを作るようになりました。

ベルギービールは香辛料などを加えて作るものが多く、アルコール度数が5~10%と高いのも特徴のひとつです。

以前は酒販店や百貨店などに販路が限られていましたが、最近では一般のスーパーでも扱う店が増え、2007年に日本がベルギーから輸入したビールの量は206万3268㍑と、2002年の約2倍にまで増えています(資料出所:財務省)。

これから秋に向かいビールの売上は低下傾向にありますが、コクがあり、ホップの強い苦味や果実のような酸味のあるタイプなど、味や香りの種類が多いベルギービールは週末に美味しい料理と合わせ、ゆったりと味わうのに最適のビールです。

この秋、プレミアムビールや黒ビールなどが売れているスーパーやコンビニで、ベルギービールを数種類扱ってみることをお薦めします。ベルギービールが客単価の高い顧客を誘引するひとつの契機になるかもしれません。

以下、私のお薦めベルギービールを3種類紹介しておきます。

Photo_7デュベル 《525円、容量330ml、アルコール度数8.5》
現地の言葉で「悪魔」を意味する「デュベル」。「世界一魔性を秘めたビール」と称されるゴールデン・エールの最高峰。1918年以来、独自の酵母を用いたオリジナルなレシピが現在も守られ、2ヶ月にわたる長い熟成とビン内二次発酵がその繊細な香りと絶妙な苦味を生み出す。スプーンですくって食べられるほど豊かな泡が特徴。スパイシーな香りがホップ苦味と調和し、キレが良く、食中や食後にも合う。


Photo_11オルヴァル 《630円、容量330ml、アルコール度数、6.2》
世界中7ヶ所のタラピスト修道院で造られる「トラピスト・ビール」のひとつ。ドライホッピングによるホップの香りが豊かなビール。トラピストビールの最高峰といわれる。独特の苦味とホップのさわやかな香りが持ち味。食前酒としても最適。


Photo_9ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ 《562円、容量330ml、アルコール度数、6.2》
ヴェルハーゲ・ヴィヒト醸造所が造る、ベルギーのフランダース地方に古くから伝わるレッドビールの傑作。オーク樽熟成が醸し出す独特の酸味と、上品な甘さの絶妙なハーモニーが特徴。特有の酸味と果実のような甘さが赤ワインのよう。いままでのビールの概念を変えてくれる一品。ビールの苦味を嫌う女性や若者におすすめ。

2008-08-12

「駄菓子バー」体験記

昨年、日経ビジネスに「駄菓子に学べ」という特集記事があり、その中で「駄菓子バー」(東京・恵比寿)なるものが紹介されていました。一度行ってみたいと思いながらもなかなか行く機会に恵まれませんでした。

しかし、この駄菓子バーがなかなかの評判で、都内に次々と出店しています(現在7店舗)。私の最も行く機会の多い池袋(東京・豊島区)にもできたというので、さっそく出かけてきました。

Photo「駄菓子バー」池袋店は、JR池袋駅北口を出てすぐの歓楽街裏通りにありました。
2階店舗へ向かう入り口には、「駄菓子バー入り口」と書かれたバス停の標識とホーローの看板が付いた木製の電柱、入り口のひさしは少し錆びたトタン製と、「昭和」の雰囲気を演出していました(画像参照)。

店内は入り口同様に「昭和」の雰囲気を出すため裸電球と木製のテーブルとイス、さらに壁には当時の映画ポスターや商品看板などが飾られ、BGMには天地真理やアグネス・チャン、石原裕次郎などの曲が流れ、まるで「昭和」をテーマにしたアミューズメント施設のようでした。

居酒屋では、席に着くと「お通し」が出て200~500円程度取られるのが一般的です。これはいわゆるテーブルチャージ(サービス料の意味もある)ですが、駄菓子バーではお通しが出ない代わりに、500円で店内にある約100種類の駄菓子が全て食べ放題になります(持ち帰り厳禁)。

まず生ビールを注文し、さっそく駄菓子を物色しました。
うまい棒、焼肉カルビ、よっちゃんイカ、さくら大根、ソースせんべい、モロッコヨーグルト、チーズあられ、カレーせんべい、玉葱さん太郎、どんどん焼き…などなど。
ほとんどの商品はコンビニやスーパーで販売されている商品ですが、これらをテーブルいっぱいに広げ、つまみにして酒を飲むというのはなかなか普段できない貴重な体験でした(画像参照)。
Photo_2
【注】駄菓子の他にも一般の居酒屋メニューもあります。
駄菓子バー・池袋店 http://r.gnavi.co.jp/g485010/

私が行ったのは夕方6時過ぎと早い時間であったため、お客は若い女性グループやカップルなどが中心でした。しかし、夜遅くなると2次会的な利用で中高年のサラリーマンも多くなるようです。話題性もあり、酔ったノリで行くにはちょうどいい店なのかもしれません。

菓子チェーンを展開する「だがし夢や」は、フランチャイズ店も含めて121店(2007年10月末)をショッピングセンター中心に展開し、順調に店舗数を増やしています。
だがし夢や:HP】 http://www.yumeya-jp.com/company/index.html

確かにショッピングセンターに行くと、専門店の中に駄菓子屋を見かける機会が多くなりました。週末や夕方には親子連れ、若いカップル、お年寄りと孫など、さまざまな世代の人で混み合っています。このようにあらゆる世代をひきつける点が駄菓子屋の魅力となり、デベロッパーからの引き合いが増えているのでしょう。

コンビニやスーパーも駄菓子を扱っていますが、一時期ほど売り場に魅力を感じなくなっているのは私だけでしょうか。特にコンビニでは商品アイテムを絞っている店が多く、選ぶ楽しさが不足しています。また、スーパーではアイテム数はたくさんあるのですが、ただ単に「棚に置いている」店が多く、駄菓子特有の雰囲気や選ぶ楽しさの演出に欠けています。

駄菓子は単価が低いため軽く見られがちですが、商品回転率が高く、客単価アップにも結びつく魅力的な商材です。ぜひ、もう一度駄菓子売り場を見直し、幅広い世代を取り込む工夫をしていきましょう。

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