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2008-11-29

サラリーマンの昼食代はどこまで下がる?

Photo 昨日マクドナルドが発売した《関東地区のみ》「クォーターパウンダー・チーズ」バーガー(写真)をさっそく食べてみました。
パンズからはみ出る4分の1ポンド(113.5g)のビープパテはさすがに食べ応えがあり、私はこれ1個で昼食は十分でした。
ただ、値段は通常のチーズバーガーの3倍=360円。吉野家の牛丼(380円)より安いとはいえ、コーヒーをプラスすれば480円、これが安いか高いかは判断が難しいところです。

2008年11月21日(金)の日本経済新聞の《数字・すうじ》には、「570円 サラリーマンの昼食代 3年連続で減少」というタイトルで、下記のような記事が掲載されていました。

サラリーマンの昼食代が減り続けている。GEコンシューマー・ファイナンス(東京・港)が今年4月、20~50代を対象に実施した調査によると、昼食予算は平均570円と前年より20円減った。減少は3年連続で、この5年間で100円減った計算だ。昼食代を年代別に見ると、子供の教育費や住宅ローン返済がかさみがちな40代が520円ともっとも少なく、前年より50円減少した。子供のいるサラリーマンの平均予算は510円だった。

また、6月下旬に全国20~60代の男女1000人の調査(日経)でも、500円が昼食代の1つの壁になっているアンケート結果が出ていました。

ただ、これらの調査はだいぶ前のものです。
アメリカのサブプライムローン問題を契機に浮上した金融不安、世界的な経済減速が現実の問題として表れてくるのはこれからです。

経済産業省が28日に発表した10月の「鉱工業生産3.1%低下」「求人倍率0.80%」「消費支出3.8%減」という数字は、景気低迷の負の連鎖が確実に進行していることを表しています。
多くの企業で今冬のボーナス減額は避けられず、年末から来年にかけて消費者の節約志向はいっそう鮮明になり、サラリーマンの昼食代は500円どころか、450円程度まで低下すると想定しておく必要があるでしょう。

いま、東京の中心部でも低価格の弁当店が流行っています。
例えば、私の住んでいる東京:文京区のオフィス街には、11時~14時のみ営業する弁当店が増えています。これらの店の売れ筋は400円~500円のお弁当で、月なかばから給料日前までは400円のお弁当が一番人気になっています。
私も試しに400円(税込み)の中華弁当を買ってみましたが、酢豚が「酢鳥」になっているなど安い食材を使っている点を除けば、ボリュームもあり結構満足できる商品でした。

また、東京都台東区にある弁当・惣菜店「デリカぱくぱく」(4店経営)では、肉じゃが、酢豚、チキンカツなど15種類の弁当をすべて250円で販売しており、昼の2時間弱で500食を販売、多い日は1日1000食を売っているそうです。

最近では、コンビニでも小ぶりなお弁当を低価格(300円台)で販売し始めるチェーンが増えてきました。また、セブンイレブンでは500円程度していた「から揚げ弁当」や「のり弁当」などの定番商品から付けあわせを減らすことで、価格を430円に抑えるなどの工夫にも取り組んでいます。

ただ、コンビニが弁当安売り店と価格競争をすることは、「食の安全」や「販売コスト問題」等から無理があると思います。

ここは弁当にこだわらず、おにぎりや惣菜パン、麺類、さらにはおでんやフライヤー商品まで含めた昼食メニューを提案していくことが、サラリーマンの昼食予算への対応と利益確保に結びつくと考えます。

2008-11-13

お年寄りに不親切な「コンビニ商品」

しばらく前から小さい文字が見えにくくなっていたのですが、ここ最近では日常生活に支障をきたすレベルになってしまいました。コンビニで買ったカップ麺やスープを作ろうとカップ側面に印字されている「作り方」やレンジの「温め時間」を見ようとした時など、特にその不自由さを感じます。

Photo このような不便さを感じながらコンビニを利用している中高年やお年寄りは、意外に多いようです。その証拠に、セブンイレブンでは商品陳列棚についている値札のサイズを「18ミリ×33ミリ」から「26ミリ×46ミリ」と2倍に拡大し、お年寄りでも価格が見やすいようにしています(写真参照)。

また、他のチェーンでもお年寄りが買い物しやすいように通路幅を広げたり、買い物カゴを軽くしたり、カート付き買い物カゴを用意するなど、ハード面の整備も進んでいます。さらには、ローソンのように店内に休憩スペースを設け、高齢者の交流の場を作ろうとするソフト面の事例まで出てきています。

コンビニ利用の中高年やお年寄りがどのくらい増加しているのか。セブンイレブンが行っている来店客調査を見るとよく分かります。
 
                 20歳未満  20~30歳   30~39歳   40~49歳   50歳以上

1989年    27.6%     34.6%     18.1%     10.7%      9.0%

2007年     8.9%      29.9%     24.1%     16.1%     21.1%

《資料出所:「コーポレートアウトライン2008」、セブン-イレブン・ジャパン来店客調査》

20歳未満と50歳以上の来店客数の変化は、まさに少子高齢化現象の結果だと思います。また、コンビニも誕生してから30年以上の月日が経ち、当時20~30歳代で利用していた若者が50歳以上になり、なお抵抗なく利用を続けていることが、お年寄りの安心感にもつながって来店客数が増えてきているのでしょう。

しかし、最近のコンビニで感じることは、お年寄りが増えているにも関わらず、利用方法の分かりにくい商品が多いということです。

先日も近隣のセブンイレブンに買い物に行ったところ、調理麺(惣菜)ケースの前で70歳代の女性が従業員に声を掛けていました。

お客様 「あの、温かくして食べる『そば』か『うどん』はないの?」             
従業員 「これがそうですよ(と言って、レンジで温めるそばを指差す)」       
お客様 「これじゃなくて、お湯を入れて…」                             
従業員 「ですから、これがそうですよ。お湯を入れずに、レンジで温めればいいんです」
お客様 「えっ、お湯を入れない…(何を言っているのか分からないという顔)
従業員 「お湯を入れたのがいいのであれば、こちらですよ(と加工食品のカップ麺の売り場にお客様を連れていく)

私は思わず心の中でつぶやいてしまいました。
「お客様はお湯で作る『カップそば』とか『鍋焼きうどん』をイメージして聞いているんだよ。それに、お湯を入れずにレンジで汁物ができるということが理解できないんだと思うよ。ちゃんと説明してやれよ」

作る側、売る側、またはコンビニを使い慣れている人にとっては当たり前の商品が、お年寄りにとっては大変わかりにくい場合があります。お年寄りは自分が理解できないもの、使い慣れないものを敬遠する傾向もあります。
そのため、お年寄りが多い店は、お湯で作る「カップそば」やアルミ鍋の「鍋焼きうどん」など、旧来の商品も品揃えしておくことが必要です。


【ワンポイントアドバイス:レンジの『強さ』をチェックしよう!】
最近ではレンジで作る「カップ麺」「スープパスタ」「豚汁」「けんちん汁」などが増えていますが、商品に記載されている温め時間と商品の温まり具合はチェックしていますか?

「1500Wで90秒」などと商品に記載されていますが、お店にある電子レンジがすべて1500Wを出力しているとは限りません。使用年数が長い場合や“フィルター清掃”をしていないために埃で詰まっている場合は、90秒温めても十分温まっていないことがあります。

せっかくの美味しい商品でも、「ぬるい状態」では、本来の美味しさを感じることはできません。
ぜひ、フィルターと電子レンジ内の清掃を小まめに行い、電子レンジの出力を最大限引き出すと同時に、必ず温まりぐあいをチェックしてからお客様に商品を渡すことを徹底させましょう。

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