大手百貨店のギフト処分セール
今年に入り、東京や大阪の大手百貨店では「お歳暮ギフト商品」を格安で販売するセールが催され、異例のにぎわいになっているという記事が1月17日(土)の日経朝刊に掲載されていました。
松坂屋上野店の本館6階催事場はさながら夕方の食品スーパーだ。初日の14日はオープン後、一時は入場待ちの行列が千人に達し、レジ待ちでも長蛇の列ができた。
15日までの2日間の入場者数は昨年の処分セールから倍増、今回売り場を広げたこともあり売上高は7割増しだ。(中略)ハムやジュース、缶詰などギフトの定番商品が5割引き前後、なかには7割引の商品もある。まとめ買いしても計25kgまでなら送料315円(東京23区と半径25km以内)で自宅に配送してくれるサービスも魅力的。
先週の日曜日、上野まで出かける用事があったので御徒町(東京)にある松坂屋上野店に寄ってみました。松坂屋上野店は昔から(わたしが知っているのは20年前)お中元やお歳暮の“ギフト処分セール”をやっていたので、いまさらと思っていました。
しかし、6階催事場でエレベーターを降りた瞬間、あまりの人の多さに驚いてしまいました。なんと、エレベーターを降りてから会場に入る進路にはロープが張られ、警備員が入場者を制限しながら誘導しているのです。催事とはいえ、上野松坂屋がこんなに賑わっているのを見るのは、2002年1月に行われた「モーニング娘。~アート&カラー2002」以来です。
会場に入ると、買い物カゴにビールやインスタントコーヒー、ハムや缶詰、油や醤油など、生活必需品を大量に入れた人でごったがえしていて、なかなか前に進むこともできません。また、レジと配送サービスを受けるカウンターも長蛇の列で、その熱気に圧倒された私は何も買わずに帰ってきました。
この人気ぶりは、経済環境の厳しさからくる「生活防衛意識」の表れなのでしょう。
ところで、この「ギフト処分セール」、今まで関東圏ではあまり注目されていませんでしたが、「松坂屋」発祥の地:名古屋では『贈答品解体セール』という名称で昔から行われていたイベントなのです。
現代県民性に詳しい岩中祥史氏の著書「名古屋人と日本人」の中には、次のような文章が出てきます。
日本全国これは同じでしょうが、どこの家でも、お中元、お歳暮でいただいた品物のすべてが使えるわけではありません。とくにタオルやシーツのたぐい、食品・酒類となると、いただいても困ってしまうものがかならず一定量出てくるものです。(中略)
そこで、これを“解体”し、自分の家で使いそうにないものをデパートやスーパーに持ち込むのです。すると店側はそれを非常によい価格で引き取り、その金額相当の商品券をくれます。名古屋人の多くがそれを実行しますから、店にはかなりの量の“再販可能商品”が集まり、それを「解体セール」と銘打って売り出すわけです。
確かに、お中元やお歳暮でもらっても困ってしまうものはありますね。私の家はそれほどでもありませんが、実家に行って片付け物をするとゼリーや加工食品など賞味期限切れになった贈り物を見つけ、いつも「もったいないなぁ」と感じていました。
その点、「贈答品解体セール」は、“勤勉・節約・工夫”を得意とする名古屋人の素晴らしいアイデアですね。昨年9月のコラム:《「廃棄ロス削減」と「食育」で食料自給率アップ》で、いかに多くの食品類が賞味期限切れで廃棄されているかを書きましたが、このような「ギフト処分セール」は資源を無駄遣いしないことにもつながり、大変喜ばしいことだと思います。
この先、1月21日~27日までは高島屋東京店(東京・中央区)で、1月29日~2月4日は東急百貨店吉祥寺店(東京都武蔵野市)などで同様のセールが行われますので、お近くの方はぜひ出かけてみてください。



