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2009-04-21

東京メトロ:「エチカ池袋」開業

最近、池袋駅(東京:豊島区)の地下通路に異変が起きています。
その異変とは、いままで格安のバックやCD、ワイシャツやネクタイなどを販売する業者のワゴンが出ていた場所に、西武百貨店がワイシャツやネクタイのワゴンを出し、社員が声掛け販売をしていることです。

ここまでしなくてはいけない百貨店の厳しい経営状況は、「百貨店販売実績」の2月度:全国主要10都市合計が前年比-11.9%という数値に表れています。さらに、商品別売上高で見ると「紳士服・洋品」は特に落ち込みが大きく、前年比-19.5%と品目別で最大の下げ幅となっています。(数値出所:2009.4.17日経MJ)

このような厳しい経営状況に追い込まれている最大要因は、アメリカ発:経済危機不況の影響でしょう。しかし、副都心線(地下鉄)の開業や池袋駅周辺に新たな商業施設が次々と開業していることも影響要因ではないかと思い、さっそく3月末に開業した「エチカ池袋」に出かけてきました。

Photo Photo_2エチカ池袋」は、池袋駅西口:東武百貨店の地下1階から副都心線:池袋駅に向かう地下道を利用して作られていました(写真左)。副都心線ができる前、地下道の先にある商業施設は「マルイシティ」ぐらいで通行量も少なく閑散としていたのですが、土曜日の午後ということもあり大変多くの人で賑わっていました(写真右)。

エチカに出店しているのは40店で、21店が新業態。そのうち16店が池袋地区初登場です。また、40店は「食」「ファッション」「休息」「雑貨」の4つのゾーンで構成されています。

Photo_3その中でも注目のコーナーは、デパ地下を意識して作った惣菜やスィーツの小型店を集積した食のトレンドゾーン「GOURCIEUX MARCHE(グルシュー・マルシェ)」です。
とりわけ、その中で私の目を引いたのが「シナグロ オーガニックキッチン&マーケット」が販売する『スシパイ』でした(写真)。

このスシパイは、イギリスのパイ作りの名人「モイラおばさん」が日本のスシ文化に感激して生み出されたそうで、シャリ大のパイ生地の上に「かんぱち」「いくら」「カニ」「穴子」「サーモン」「数の子」などがのっています。また、パイ生地とネタの間には『醤油のジュレ』がサンドされていて、そのまま食べられるそうです(3個で600円、5個で1000円という価格設定)。

今回は、あまりにも混んでいて買うのをあきらめましたが、ぜひ近いうちに試してみたいと思います。

Photo_4また、「休息」ゾーンで目を引いたのが、パナソニック電工が開設した女性専用施設『クリュスタ』(写真)です。
写真正面に向かって左側は女性専用有料トイレ(1回100円)で、右側が『クリュスタ』です。入り口で入場料300円(1時間)を払うと、パナソニックの美顔器やドライヤー類、花王の化粧品が自由に使え、追加料金を払えば簡単なエステサービスも受けられます。
これは特に平日の夕方など近隣の女子高生やOLに人気が出そうです。最近の商業施設は、このような物販以外の新しいサービス業態も取り入れ、集客の工夫をしています。

JRは、4~5年前から立地条件の良さを活かして各地で盛んに駅ビルなどの商業施設開発に力を入れ、『駅ナカ』需要を開拓しています。今後は、地下鉄もますます同様の動きを強めてくることでしょう。
このような動きを見ると、ターミナル駅にある百貨店の競合環境はますます多角化・複雑化して厳しいものになりそうです。
いまの百貨店の業態を見ると、この経済不況が回復したとしても「以前の売上に戻るとは考え難い」と思っているのは私だけでしょうか。

2009-04-06

「コラボ弁当」花盛り

昨日(4月4日付)の日本経済新聞:朝刊に、「スーパー・コンビニ 食品、低価格競争に拍車」という記事が載っていました。

昨年からの厳しい経済環境による消費者の低価格志向に合わせ、西友が298円の弁当を全店で一斉発売したり、サークルKサンクスが380円弁当を発売したり、ローソンやファミリーマートがおにぎりを値下げしたりと、各社は競って低価格商品の弁当やおにぎりなどを開発しています。
しかし、その低価格競争の一方で「高単価弁当」も開発されています。

Photo_3写真の弁当は、セブンイレブンが期間限定で発売した『栗原はるみ:揚げ鶏のねぎソース弁当』(650円)です。監修にあたった栗原はるみさんは料理家としての人気が高く、この弁当は特に『haru_mi』(扶桑社刊)読者に人気の高いレシピを中心に、おいしく・栄養バランスも考慮して仕上げられています。
 栗原はるみさんについては、2008年6月16日に「進化するスーパーのメニュー提案」というタイトルで書いていますので、ご参照ください。

2月27日に発売された当初、「この厳しい経済環境の時に650円という価格で売れるのだろうか」と思いましたが、夕方以降に女性や年齢の高い男性を中心によく売れ、第2弾も企画されるようです。

今までタレントとコラボすることのなかったセブンイレブンが、昨年からグルメタレントの石塚英彦や森久美子プロデュースと称して、弁当や恵方巻きを発売し始めたことに少し驚きを覚えていました。確かに、タレントを使うと話題性で一時期売上を作ることができます。
しかし、本来は「栗原はるみ弁当」のような付加価値の高い商品を開発していくことが、不況の中でも消費者のニーズを喚起し、売上を作り出すことになるのではないかと思います。

タレント以外とのコラボで売上を伸ばしている弁当の事例は他にもあります。それは、企業と学生等が共同で開発した「コラボ駅弁」です。

例えば、小田原駅(神奈川県)の『小田原小町 陸海(りくみ)ちゃん弁当』(840円)。この商品は、地元の3つの専門高等学校の女子生徒達が東華軒(地元の弁当メーカー)と作ったコラボ弁当で、小田原駅や周辺スーパーなどの地域限定にも関わらず、週末には1日150個前後売れています。
「陸海ちゃん弁当」は、コンビニにはないおかずを目指してカラフルな野菜のテリーヌを入れたり、筍ごはんのコメに地元の吉田島農林高校の生徒がアイガモ農法で作ったキヌヒカリを使ったり、バックに入れやすく細身の2段重ねにしたりとさまざまな工夫がされています。

また、「シウマイ弁当」で有名な崎陽軒(横浜市)も、地元の高木学園女子高等学校の創立100周年を記念して、「百々(もも)」(700円)という弁当を共同開発しました。

Photo_2 学生以外のコラボとしては、夕刊フジと首都圏や東日本で駅弁を販売する日本レストランエンタプライズ(NRE)が共同開発した「特選おつまみ弁当」(1000円)があります(写真参照)。この弁当は私も出張の帰りに新幹線内で食べたことがありますが、いいですね!
何がいいかというと、酒の肴になりそうなおかずがぎっしりと詰まっていて、私のような中高年にはこの弁当ひとつで「おつまみ」と「食事」との両方を済ます事ができるからです。
そのためか、この弁当は夕方以降の売れ行きがとても良いとのことです。

最近では「駅ナカ」や「デパ地下」などでも駅弁は売られ、家庭の主婦や仕事帰りの独身会社員の購入が増えています。その中でもヒットしている商品は、地元の食材を使っていることはもちろんですが、発想の異なるパートナーと組んで“新たなニーズ”を掘り起こしたり、商品開発にまつわる“ストーリー性”という価値を付加したりしているものです。

スーパーやコンビニも低価格競争や単にタレントと組むだけではなく、今まで弁当を買っていなかった人が買いたくなるような新しいニーズを掘り起こす「コラボ弁当」の開発に力を入れてもらいたいものです。

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