「スタミナ牛焼肉弁当」と「空弁 焼さば鮨」の意義
7月23日(木):日本経済新聞朝刊に【小売業、値下げ効果見えず】というタイトルで、次のような記事が掲載されていました。
「上場小売業の2009年3~5月期連結決算が出そろった。消費不振で経常利益の合計額は前年同期比22%減の1846億円。2四半期連続の経常減益だった。各社は消費需要喚起のため低価格戦略にシフトしているが成果は十分とは言い難く、先行きの不透明感は強まる一方だ」
「多くの企業が春以降、値下げ幅を拡大し結果として粗利益率の低下を招いている。粗利益率は72社中、64%にあたる46社が低下。うち11社が1ポイント以上低下した」
確かに、消費者の「生活防衛意識の高まり」への対応策として、スーパー各社は値下げ競争を激化させています。しかし、値下げは客数増や売上増という一定の効果を生み出すものの、粗利益率と粗利益額の減少という負の要素も招きます。
そのため、「販管費削減の工夫」や付加価値の高い「高単価商品」の販売をうまくミックスさせることのできない企業は値下げの原資を生み出すことができず、減益幅を拡大させています。 この現象はコンビニ業界も同様で、最近の弁当売り場を見ると「398円弁当」のオンパレードです。昨年までのコンビニ弁当の最低価格帯(ミニ弁当を除く)は、430円~450円程度でした。
しかし、西友の「298円弁当」に代表されるように、スーパーが低価格弁当を次から次へと発売し、コンビニから顧客を奪っているため、その対抗策として300円台の弁当を増やしているのです。
「しかし、これではスーパーとの価格競争に巻き込まれ、コンビニは適正な粗利益を確保することが難しくなるぞ」
と思っていたところ、ローソンとサークルKサンクスが「付加価値の高い」コンビニらしい弁当を発売したのでさっそく食べてみました。
まずは、24日発売のローソン:「スタミナ牛焼肉弁当(450円)」です。
ローソンによると、本来ならば700円程度の価値がある商品なのですが、牛肉を一括調達することで仕入れ価格を抑え、450円での販売が可能になったそうです。
正直、あまり期待せずに食べたのですが、肉の量・質ともに十分満足できるものでした。
また、味付けには「果物の甘みと魚介の旨みが特徴の特製だれ」を使用しており、夏バテ気味の体にはとても美味しく感じられました。時々、デパ地下にある柿安ダイニングの「黒毛和牛の牛めし弁当(1050円)」を食べるのですが、半額以下で、しかも近隣のローソンでこのような商品を買えるのは魅力だと思います。 次は、23日発売のサークルKサンクス:「空弁 焼さば鮨(498円)」です。
「空弁 焼さば鮨」は、羽田空港などで販売店を運営するJALUXとサークルKサンクスの 共同開発商品で、「空弁」として人気の高い「焼き鯖寿司」と「黒いなり」を詰め合わせたオリジナル商品です(8月12日までの期間限定発売)。
羽田空港に行くと、売店の「BLUE SKY(ブルースカイ)」で大々的に販売されていることは知っていましたが、食べるのは今回が初めてでした。焼さば鮨が4切れと黒いなりが 1個(半分にカット)と分量は少な目ですが、味も良く、コンビニ利用者に増えている 私のような中高年には満足いくものでした。また、なんと言っても、「空弁」がコンビニで買えるというのは魅力です。