「朝カレー」の発想で新規需要を開拓!
最近、レトルトのカレーが良く売れているようです。
日本缶詰協会(東京:千代田区)のホームページを見ると、2008年のレトルトカレーの国内生産量は約14万トンと前年比9%の伸び、2001年の約11万トンから3万トンも増えています。また、この国内生産のほとんどは日本の市場向けだそうです。
レトルトのカレーは、「独身男性が1人で食べている」というイメージを持たれがちですが、それだけではないようです。専業主婦が子供や夫のいない昼食に手間をかけずに済む食事としてレトルトカレーを利用しているケースが多いようです。また、世帯収入がなかなか増えない中、安価に食事を済ますことのできるレトルトカレーの需要は確実に伸び続けています。
カレーというと、どうしても夕食や昼食に食べるという印象が強いのですが、レトルトカレーにその常識を覆すような商品が登場しました。
それは、今年の2月にハウス食品から発売された「朝カレー」です。忙しい朝に温めなくても食べられる手軽さや分量がごはん茶碗1杯分という使いやすさも受け、静かなブームになっています。
【商品詳細は下記サイトへ】
http://housefoods.jp/products/catalog/cat_1,1020,1059,1453.html
「朝にカレーを食べると脳にいいらしい」という評判は、昨年のはじめ頃から受験生の間で広がっていました。実際、私の息子も大学受験日の朝は、妻が作ったいつもより辛目のジャワカレーを食べて受験に臨んでいました。
「カレーを食べると病気はよくなる」 (ビタミン文庫) の著者である日本薬科大学教授の丁 宗鐵 医師の実験によると、カレーを食べると脳内の血液量が増加し、「情報処理」を担当する部分の働きが活発となり、集中力や計算力がアップされる。また、カレーを食べるとその成分であるスパイス(漢方薬で使用する生薬と共通のものが多い)が脳や体の交感神経を刺激して、抵抗力を高めると同時に人を「やる気モード」にするそうです。
私達はどうしても、「カレー=昼食か夕食」という固定概念を持っています。
しかし、それを捨て、「朝食にカレー」という視点を持つことができれば、レトルトカレーだけではなくカレールーや使用する肉・野菜などの食材、さらには付け合せや飲み物などの関連販売も含めた新たな需要を開拓することができるのではないでしょうか。