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2009-09-27

セブンイレブンの「ミールソリューション」への期待

Photo 先日、スーパーの惣菜売り場で珍しい光景に出会いました(写真)。
それは、揚げ物コーナーの前面に置かれていた調味料です。小さなビニール袋に入った醤油やソースなどを置いているスーパーはよく見かけますが、通常の売り場で扱っている醤油やソース、さらにはケチャップやマヨネーズをボトルごと置いている店は初めて見ました。
思わず店の人に、「どのような人がこの調味料を使っていくのですか?」と聞いてしまいました。
すると、店の入り口脇にある飲食コーナーで食べる人や営業関係の人が車の中で昼食を食べる時などに使っているという話でした。この店は同チェーン40数店の中でも惣菜の売上がダントツだそうで、やはり売れている店はさまざまな工夫をしているのだなと感心をしました。

さて、そんなさまざまな取り組みをしているスーパーに、最近はすっかり惣菜需要を取られているコンビニですが、そのコンビニにも新たな需要開拓の動きが出てきました。
それは、セブンイレブンの「ミールソリューション」です。

711_3 惣菜に関する『ミールソリューション』のポイントは3つ。
まずひとつ目は、「スチームパック惣菜(写真)」の開発です。この商品は圧力鍋と同じ考え方で高温短時間調理することで、素材本来の味を生かし、蒸し効果でしっとりとした食感が味わえます。また、容器の中の空気を抜いているため、従来の惣菜と比べ、店での販売期間が約2倍と長くなります。

二つ目は、「エコパック惣菜(写真)」です。この商品も調理の仕方 は「スチームパック惣菜」と同じですが、従来の容器から袋711_6タイプ形状にすることで、CO2排出量を削減することができます。また、こちらも販売期間 が従来品と比較し、1.5倍になっています。さらに、少量パックなので単身世帯にはありがたい商品です。

三つ目は、「簡便性のある“惣菜メニュー”の拡充」です。現在、セブンイレブンでは少量・低価格プラス品質を求めるお客様から「セブンプレミアム」のポテトサラダや煮物などが大きな支持を得ています。そこで、家庭では手間のかかる煮物メニュー(198円)をさらに追加し、『盛り付けるだけの惣菜メニュー』として品揃えを拡充しようとしています。

この他にも、従来の弁当よりも4倍以上販売期間が長くなる「チルド弁当」やフライヤー商品を活用した「店内調理弁当」などの販売開始もあり、これらの取り組みは新たな需要を開拓することができると同時に、加盟店の商品廃棄額を減らすことが可能となります。

いま、セブンイレブンの廃棄ロス問題が大きな話題となっています。
その解決には「本部の廃棄ロス負担」や「発注精度の向上」、さらには「販売力の強化」などさまざま要素が必要です。しかし、最も必要なことは上記のようなセブンイレブンの得意分野である“技術革新”による新たな需要開拓と廃棄ロス削減による『加盟店の利益アップ』だと思います。

【「ミールソリューション」の詳細については、セブンイレブンの下記HPを参照ください】
http://www.sej.co.jp/corp/news/2009/pdf/092501.pdf

2009-09-20

「角ハイボール」と「たこ焼」の相性は?

Photo_5 学生時代、私の住んでいた四畳半のアパートに友人たちが集まると、よくサントリーのウイスキー「ホワイト(白札)」を飲んでいました。当時、私達の間では「ウイスキー=大人」というイメージが強く、おいしさもよく分からず背伸びしていたのだと思います。そのためか、私も含めて40代以上の人はウイスキーを好む人が多いようです。

そんな私が最近興味を持ったのは、㈱ホットランド(群馬県桐生市)が展開する「築地銀だこ」が新しい業態として始めた『築地銀だこハイボール酒場』です。 この店は東京都心部に5店舗あり、昼間はアツアツのたこ焼を提供するたこ焼専門店。夜はオリジナルレシピの創作たこ焼とおつまみをメニューに加え、ハイボールや生ビールを楽しめる立ち呑みスタイルの新業態です。私が行った新橋店は金曜日の夕方ということもあり仕事帰りのOLやサラリーマンで大変賑わっていました。
 
Photo_14 最初に注文をしたのは、「ザ・角ハイボール300円」と「レタスdeたこ焼き(インドサルサ)420円」「ビリ辛:四川風(380円)」「てりたまマヨネーズ(330円)」「たこ焼(280円)」のハーフサイズ。その中でも一番ハイボールとの相性が良かったのは「レタスdeたこ焼き(インドサルサ)」でした。カレーサルサの辛さとたこ焼き、そしてレタスのパリパリ感がとても合うんですね。まるで焼肉をサンチュで巻いて食べているような感覚でした。
「ビール&たこ焼」は当たり前の組み合わせですが、「仕事帰りにたこ焼を食べながら、ハイボールでちょっと一杯」というのは新しい消費シーンの提案になる可能性があります。

アサヒビールがまとめた消費者調査(2009.8.19、日経新聞朝刊)によると、
若い世代のウイスキーに対する関心は高い。「あこがれはあるが、飲む機会がない」と答えた割合は、20代で34%、30代で19%に達した。今後、ウイスキーを飲み始める可能性はある。また、ウィスキーを好む人に最近飲む機会が増えたか聞いたところ、全体では31%が「とても増えた」あるいは「まあまあ増えた」と答えた。
年齢別にみると、40代~70代以上は2割前後にとどまったのに対し、20代と30代がそれぞれ4割を超えた。ウイスキーを炭酸水で割って飲む「ハイボール」の人気が背景にあるとみられる


私達世代の飲み方とは大きく変わっていますが、「既存の商品でも新しい利用方法や消費シーンを提案する事ができれば、新規需要を生み出すことができる」という好事例ではないでしょうか。

Photo_11 ウイスキーの角瓶はハイボール人気で1~8月の販売量が前年同期比2割近く伸びており、その背景には若者の「家のみ」の影響もあります。また、10月6日にはサントリーから「角ハイボール350ml缶(189円)」も発売されます。
今までコンビニやスーパーでは関心の薄かったウイスキー売り場ですが、この秋はしっかりと取組む必要がありそうです。

2009-09-13

「食事パン」で新たな需要開拓をしよう!

時々、無性においしいパンが食べたくなる時があります。その時にイメージするのはおいしいワインとチーズ、そしてフランスパンの組み合わせです。

Photo 我が家でフランスパンを買い求めるのは、いつも西武池袋店(東京:豊島区)か上野松坂屋(東京:台東区)の「ドンク(DONQ)」で、私はここのバゲットが大好きです。パリジャンやバタールと比較して中身(クラム)が少ないのですが、皮が薄くパリッとしていて口に入れると焼きたての香ばしさと発酵からくるコクがしっかりと感じられ、ワインとの相性はバツグンです。

そんなお気に入りのドンクが、夕食でもパンを主食として食べてもらう「食事パン」を推奨するための『DONQ(ドンク)青山店』をオープンしたという新聞記事を見かけたので、さっそく出かけてきました。

青山店は今までのドンクとは全く異なる販売手法を取っていました。パンは腰の高さぐらいのショーケースに宝石のように陳列され、全アイテムの半分ぐらいが食パンやフランスパンなど食事系のパンです。さらに、食パ ンは1枚60円から、その他スライスしてあるパンは1枚単位(会計はグラム単位)でも購入することができます。私は販売員の方にパンの種類について説明をしてもらいながら、2枚単位で4種類を購入しました。また、四角いオレンジ色のトマトのパンと黄色いカボチャのパンがちょうど焼き上がったところで、お薦めに従いこちらも購入しました(写真)。

Photo_6 なるほど、このようなショーケースにしているのは利用者の食事シーンに合わせた商品の提案をしたり、焼き立てパンや季節商品をお薦めするための仕組みなんですね。また、1枚単位・グラム単位で購入することができれば、一人暮らしや少人数世帯の利用者がいろいろな種類のパンを楽しむことができます。
この日、我が家の夕食はハヤシライスの予定だったのですが、私と妻はハヤシとおいしい食事パン&ワインでいつもと違った夕食を楽しみました。

調査会社:マイボイスコム㈱が2007年2月に行ったアンケート調査(対象者:13,232人)によると、パンを食べるシーンは「朝食」82.2%、「おやつ・間食」41.5%、「昼食」40.2%、「夜食」9.5%、「夕食」6.2%となっており、いかに他の時間帯と比較して夕食時が少ないかが分かります。
ただ、この夕食時の数字は取り組み次第で、まだまだ需要が開拓できるのではないでしょうか。日常的な買い物の場であるスーパーのパン売り場やインストアベーカリーを見ると、どこも夕方には売り切り体制(値引き販売)です。また、コンビニでは食事パン=翌日の朝食という位置づけでしか販売されていないのが現状です。

Photo_7 しかし、これから秋・冬に向かい食卓にはシチューが登場したり、ワインを楽しむ機会も増えてきます。このような時期に、「シチュー+食事パン」の組み合わせやフランスパンを利用したカナッペ(写真)などのつまみ類を推奨販売することができれば、シチューだけではなくサーモンや生ハム、さらにはオリーブオイル、ツナ缶、クリームチーズなど幅広い売り場とのクロスマーチャンダイジングの可能性が生まれ、新たな需要創造に結びつくのではないでしょうか。

2009-09-06

秋の味覚:「目黒のさんま」と販売対応

今日の午前中、床屋で何気なく聴いていたラジオから「本日は目黒のさんま祭りが開催され、岩手県宮古漁港:直送さんまの炭火塩焼き6000匹が来場者に振舞われる」 というお知らせが流れてきました。その時、私の頭に浮かんだのは、お殿様がさげ(話のオチ)で「さんまは目黒に限る!」という古典落語【目黒のさんま】でした。

Photo その内容を思い出していると無性にさんまが食べたくなり、我慢できずに近くの定食屋に出かけました。私が食べたのは「釧路産秋刀魚(さんま)の魚醤一夜干し膳」。生のさんまを焼いて、すだちを絞って食べるのが好きですが、魚醤で一夜干したさんまも旨みが増して味わい深く、大変満足できるものでした。

その帰り道、スーパーやコンビニではどのように「旬のさんま」を販売しているのだろうと思い、数店回ってみました。

まず1店目のスーパーは平台で釧路産の一匹入りと二匹入りパックを販売していましたが、チルド配送の仕組みについて解説するPOPのみが掲示されていて、まるで季節感がなく購買意欲がわきませんでした。また、惣菜売り場も「さんまの竜田揚げ」「さんま寿司」があるものの、積極的に販売しようとするアピールはありませんでした。

2店目のスーパーは納品された発砲スチロールケース状態でのセルフ販売スタイル。安さを売り物にしているだけあり価格は1匹78円と1店目の約半値。また、3mほど離れた日配チルドケース上にテレビモニターがあり、「今晩のおすすめは旬のさんまのぶっかけポン酢!」というミツカン提供のCMが繰り返し流されていました。「おお、売る気満々でなかなかいいじゃない」と思ったのですが、さんまの周りにおすすめのポン酢が見当たりません。どこにあるのか探したところ、さんま売り場から5m近くも離れたエンドでダンボールカット陳列されていました。また、惣菜コーナーではさんま関連商品の扱いはありませんでした。

3店目は近隣でも有名な高級スーパーです。
まさか、ここの入り口すぐの惣菜コーナーに「さんまの塩焼き」があるとは思いませんでした。厚岸産の大型で背の身も厚く脂ののったさんまを使用しているため、価格は1匹入りで359円と高めですが、すだちも添えられていて、私が食べたさんま定食の価格=720円からすると納得のいく価格です。その他、さんま寿司なども同じコーナーで陳列し、POPでアピールしていました。
また、鮮魚売り場では一匹入り(250円)と二匹入り(500円)が販売され、季節感の感じられるPOPやポスターも付けられていました。

その後、コンビニはどうかなと思い、セブンイレブン・ファミリーマート・ローソン・サンクスと回ったのですが、販売していたのはセブンイレブンの「新サンマの塩焼き(大根おろし付)250円」のみでした。

旬の「さんま」ひとつ取っても、各店・各チェーンの対応はさまざまです。
しかし、この販売対応への「差」、そしてお客様からの支持の「度合い」はきちんと釣り合っているものだなと改めて納得しました。

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