百貨店の食品売場に何を求めるのか?
11月23日(月)の日経MJに掲載されていた「10月度の百貨店売上高」の前年比を見ると、総額で全国が-10.5%、東京地区が-13.1%と共に2ケタ減で厳しい状況です。しかし、販売部門ごとの内容に目を向けてみると、「食料品」は全国で-5.4%、東京地区で-7.7%と比較的落ち込み度合いが低くなっています。そのためでしょうか、最近では来店客数を増やそうと、販売構成比が高い食品売り場に力を入れている百貨店が増えてきています。
その典型的な事例が、11月28日(土)にリニューアルオープンした西武池袋本店(東京都・豊島区)の「西武食品館」です。今回のリニューアルにあたっては、単に有名店をテナントとして入れるだけではなく、運営方法にもさまざまな工夫をしていることが日経MJ:11月27日(金)版に掲載されていました(一部抜粋、青字部分)。
また、これまでは惣菜店や鮮魚店などの取引先に運営を「お任せ」していた点を改めた。ヨークベニマル、イトーヨーカ堂といったグループのスーパーから2月にバイヤー3人を受け入れ、「生鮮活性化プロジェクト」がスタート。取引先の店長や運営担当者、そごう・西武のバイヤーらが毎朝、店舗ごとに品ぞろえや販促策などを共同で考案する仕組みを導入した。
このリニューアルで私が最も注目したのは、「夕食セレクト」という売場とサービスです。この売場では惣菜売場にある7つの人気店のメニューを1品単位で、好きな組み合わせで購入することができるのです。それも、各店からさまざまな「主菜」「副菜」「主食」がバランスよく選ばれているので夕食メニューを組み立てる楽しみがあると同時に、自分の好みの味や店を探すのに良い機会となりそうです。
また、これらの商品には「インターネットご予約サービス」があるというので、思わず利用してしまいました。
これは受け取り当日の午後1時30分までに好きな商品の組み合わせを申し込むことで、夕方の5時以降に受け取ることができるサービスです。女性会社員らが「仕事帰りに広い売場を回るのは疲れる」という声が多かったことから始められた売場とサービスだと日経MJには書かれていました。
【詳細は下記のアドレスをご確認ください】
https://netorder.sogo-seibu.co.jp/ikesei/yushoku/
私がインターネットで予約したのは、写真の上から時計回りに
①新宿高野:人気サラダ3種=315円
②まつおか:香豚ネギチャーシュー=315円
③桂林:エビ塩炒め:315円
④まつおか:和惣菜盛りB=315円
⑤桂林:酢豚=315円
⑥桂林:プチあんかけ焼きそば=210円
⑦【中央の商品】ホワイトベアー:しらすのペペロンチーノ=210円
合計7品目、金額にして1995円でした。2人分の夕食(つまみ)として購入したのですが量的には十分でした。また、一人当たり1000円で色々な店の味を楽しむことができた点では満足度も高いものがありました。
消費者が百貨店に求めるものは「高品質」と「新たなサービス(買い物をする楽しさ)」だと思います。大変厳しい経済環境下ではありますが、百貨店には単なる価格競争に陥ることなく、買い物をする楽しさを私達に常に提供していただきたいと思います。