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2010-06-27

「新入社員」「先輩社員」それぞれが気になる言動とは?

日本経済新聞の土曜日版には「NIKKEIプラス1」という付録があり、1面には『何でもランキング』という特集が掲載されています。昨日のテーマは「先輩と新人 お互いのここが気になる!」というもので、社内コミュニケーション研修を主な仕事としている私にとって大変興味深い内容でした。

■先輩社員に聞いた「気になる新人の言動」
①メモを取らずに同じことを何度も聞く      502
②あいさつがきちんとできない           435
③指示待ちで言われたことしかやらない    430
④雑用を率先してやろうとしない         350
⑤同じミスを何度も繰り返す            324
⑥注意するとふてくされた態度をとる       307
⑦ホウレンソウ(報告、連絡、相談)ができない 247
⑧敬語がうまく使えない              233
⑨感情表現に乏しい                213
⑩注意してもどこかひとごとでいる        209

■新人に聞いた「改めてほしい先輩の言動」
①あいさつをしたらきちんと返して             531
②機嫌が悪いと口調が荒くなるのはやめて       409
③指示はこまめに出して                 342
④飲み会はだらだら続けず、終わり時間を決めて    311
④日々の業務の意味や目的をきちんと説明して    311
⑥「ゆとり世代」とレッテルを張らないで          302
⑦カラオケや一発芸の強要はやめて           301
⑧「1度教えたでしょう」という態度で接するのはやめて 292
⑨情報はきちんと共有して                 273
⑩先輩同士の悪口を吹き込まないで           267

※新聞には15位まで掲載されていたが、10位まで紹介。
《調査方法》
インターネット調査会社のマクロミルを通じて、2010年度の新入社員と、職場に新入社員を迎えたか、日常的に接する30~40代前半の先輩社員に尋ねた。有効回答は各516で男女同数。まず、当てはまる項目をいくつでも選んでもらい、そこから「特に気になる」ことなどを最大3つまで選んでもらった。

まず、「気になる新人の言動」の1位:『メモを取らずに同じことを何度も聞く』に対して、紙面ではメモの取り方の上達方法を解説していましたが、そういうことではないのでは?と私は感じました。

上司から業務上の話を聞く時、聞いたことを正しく理解するためにメモを取ることはもちろん必要ですが、それだけがメモを取る目的ではありません。

皆さんは自分が話し手であった場合、相手が話をしっかりと聞いているか理解しているかをどこで判断していますか? おそらく相手の「相づち」や「表情」など目に見えるものから判断していると思います。それと同様に、メモを取るという行為は「私はあなたの話をしっかり聞いています」という相手に対する意思表示なのです。また、この行為は相手を先輩として『認める』ことにもつながるのです。

ですから、「言われたことを忘れないためだけにメモを取るのではなく、先輩や上司に『自分はしっかり聞いています』という思いを伝えるためにも、メモを取ることは大切なのだ」ということを先輩や上司は後輩に教える必要があるのです。

次に気になったのが「気になる新人の言動」2位:『あいさつがきちんとできない』と、「改めてほしい先輩の言動」1位:『あいさつをしたらきちんと返して』です。
新人に対してあいさつで不満を漏らす先輩が多い一方、新人があいさつをしているにも関わらずパソコンの画面を見たままあいさつをするなど、相手を見ないであいさつを返している先輩も多いようです。

これも、気持ちの良いあいさつや円滑なコミュニケーションのためには、いかに「表情」や「態度」が重要かということを表しています。

アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンの実験によると、言葉の内容が相手に伝わる割合は、言語情報が7%、聴覚情報(声のトーン)が38%、視覚情報(表情)が55%だとされています。

この実験からも、いかに私達は言葉そのもの以外から相手の真意を判断しているかが分かります。職場で自分の思いを正しく相手に伝え、理解してもらうためにも「表情」「態度」をより意識してコミュニケーションを取っていく必要がありそうです。

2010-06-21

「変身する立ち食いそば屋」に学ぶ、売場作り

Photo 最近、東京メトロ日比谷線の神谷町駅で面白い光景を見かけました。それは、改札口から地上に向かう途中にある「立ち食いそば屋」の変身ぶりです。

初めてその立ち食いそば屋の前を通った時、入り口脇のお弁当のワゴン販売が目に入りました。しかし、その時は「最近では居酒屋でも昼はお弁当を売っているけど、立ち食いそば屋の弁当とは珍しいなあ」と思った程度で通り過ぎました(写真)。

その後、神谷町で一仕事終えた夕方、同じ店の前を通ると従業員がのれんや看板を入れ替えたり、そばの食券販売機を隠すような布を張ったりと、店頭の模様替えをしているのです。するとどうでしょう、あっという間に立ち食いそば屋のファザードが、立派な立ち飲み屋に変わってしまうではありませんか(写真)。

Photo_2 これはすばらしいなと思いました。
最近では、そば屋が夜は居酒屋営業をしている例は珍しくなくなりましたが、そのほとんどは店頭の営業告知やメニューを変えただけの営業です。しかし、立ち食いそば屋で「立ち飲み」というのは昼の延長(=仕事の延長)という感覚が強く、「仕事後の一杯で気分転換」という思いにはなれません。しかし、事例のようにファザードが全く別な店になっていれば、気分を切り替えて店に入ることができるのではないでしょうか。

では、同じ視点で見た時、コンビニやスーパーの売場はどうでしょうか。
昼は会社員のランチ需要で利用され、夕方から夜にかけては近隣の住人や帰宅途中の買い物で利用されているコンビニでも、昼でも夜でもお弁当類や惣菜類の取り扱いアイテムが同じ、陳列されている場所も同じ、異なるのは陳列されている量だけという店がほとんどです。

また、スーパーでも昼と夕方の惣菜・弁当・寿司類の取り扱いアイテムは若干の変化を持たせているものの、売場や販売体制(陳列皿やディスプレイなど)は同じという店がほとんどです。

これでは、昼食や夕食、または自宅で一杯という「消費シーン」のイメージをお客様にアピールすることができず、消費意欲を喚起できないのも当然かも知れませんね。

神谷町駅の立ち食いそば屋の事例から、スーパーやコンビニでも学ぶべき点は多いなと思いました。

2010-06-13

栄養調整食品は「食事」それとも「お菓子」?

Photo 写真にある栄養調整食品類は、いま我が家にあるものです。
カロリーメイトのメープル味・フルーツ味・ポテト味、ソイジョイのバナナ・プルーン・カカオオレンジ・ブルーベリーなど、常時このぐらいの種類は買い置きされています。食べるのは主に妻ですが、私も食欲のない朝などにカロリーメイトやソイジョイのバナナ味を食事代わりに食べることがあります。

私の感覚では、これらの栄養調整食品を食べる目的はあくまでも「食事代わり」ですが、最近では『クリーム玄米ブラン レモン』(アサヒフードアンドヘルスケア)のように、お菓子感覚で食べられている商品も増えているようです。

栄養調整食品を食べたことがある人は半数以上の60.6%。どんな目的で食べているかは「おやつとして」が61.7%と最も多く、次が「朝食代わりに」の33.7%だった。「残業の軽い食事として」(19.3%)や「昼食の代わりに」(16.3%)も目立った。
どんな利点を感じているかは「簡単な食事代わりになる」(65.2%)、「崩れがちな栄養バランスを保持できる」(40.1%)、「低コストで栄養補給ができる」(30.2%)が上位を占めた。食事と栄養摂取の手軽さが魅力とされているようだ。
(日本経済新聞社が5月7~9日に調査会社のマクロミルを通じて、インターネットで全国の消費者1000人に聞いた。)【2010.6.3 日本経済新聞】

この調査結果を見て、意外と多くの人が「おやつとして」栄養調整食品を食べていることに驚きました。しかし、主な販売店であるコンビニエンス・ストアでは、これらの商品をおやつとしてアピールしているのだろうかと疑問に思い、近隣のコンビニを10店舗回ってみました。

10店の内訳は、セブンイレブン:2店、ローソン:2店(1店はナチュラルローソン)、サークルKサンクス:3店、ファミリーマート:2店、ampm:1店です。

栄養調整食品が陳列されていた売り場は、
■雑貨売場などでサプリメントと一緒に陳列・・・4店
■加工食品売場でコーヒーなどと一緒に陳列・・・4店
■パン売り場とデザート什器に隣接して陳列・・・1店
■菓子売場に個包装のクッキー類と関連陳列・・・1店(ナチュラルローソン)
という状況でした。

購入目的が「おやつとして」という人が61.7%もいるのに、販売する側の視点はあくまでも食事や不足している栄養素の補給商品なのですね。このような消費者ニーズとのミスマッチが、コンビニの売上不振要因のひとつになっているということを再確認することができました。

2010-06-06

「こんがり焼き魚パック」で鮮魚売り場の客単価アップ!

Photo 時々、酒のつまみを買いに行く御徒町のスーパー『吉池』(東京:台東)の店頭には焼き魚の売場があり、さば・さんま・ほっけなどの定番商品を中心に、旬の魚が次から次へと焼き上げられています(写真)。
今回の旬の魚は「あゆの塩焼き」でした。思わず、たで酢を搾った鮎の塩焼きを肴に淡麗辛口の冷酒を一杯、という組み合わせを想像してしまいました。しかし、買っているのは私のようにつまみ目的の客だけではありません。主婦が夕食のおかずとして2~3品購入していく姿を多く見かけました。

スーパーで「焼き魚」を購入する場合、吉池のようにすでに焼き上がっている商品の中から選ぶのが当たり前だと思っていましたが、その常識を覆す販売方法を始めた事例が日経MJ(2010.5.26)に紹介されていました。

小田急電鉄グループのスーパー「オダキューOX」は鮮魚売り場の魚を焼いてから販売するサービスを始めた。今夏をメドに小規模店を除く全店に広げる。売り場にあるすべての魚が対象で、店頭価格に手数料を上乗せする。魚の総菜を販売するスーパーは多いが、客の注文を受けて焼きたてを提供するのは珍しい。魚を焼く手間やにおいを敬遠する客の需要を見込む。
鮮魚売り場にある魚の切り身やひもの、エビなど50~60品が対象。客の注文を受けてから店内で焼く。イワシなどの小さな魚なら5分ほど、イサキなど大型の魚は20分ほどかかる。2~3キログラムあるタイなども1時間近くかけて焼く。手数料は焼き時間によって異なるが100~300円程度。

これはいいですね!
どうしてもスーパーで販売されている焼き魚類は定番物ばかりで飽きてしまうし、選ぶ楽しさがありません。その点、このように自分の好みで魚類も焼いてもらえるのであれば、魚売場の利用頻度は上がるでしょう。また、その店にいく理由(来店目的)も生まれます。さらに、焼き上がるのを待っている間に買い物をすると思うので、滞店時間が延び客単価アップも期待できそうです。

Photo_2 最近、魚を焼く手間や臭いが台所に残るのを嫌う主婦が増えているそうです。その影響でスーパーやコンビニ、商店街の魚屋などの「焼き魚」が売れているのでしょう。また、そのような主婦のウォンツ(潜在的ニーズ)に目をつけて開発された調理用品も売れています。
それは、小林製薬の『こんがり焼き魚パック』(写真)です。

この商品は魚を専用パックに挟んでレンジアップするだけで「こんがりと美味しい焼き魚」ができるという優れもので、東急ハンズの電子レンジ関連用品では一番の売れ筋になっているそうです。しかし、近隣のスーパーを5店回ってみましたが、干物や切り身売場にこの商品を置いている店はありませんでした。

オダキューOXのような取り組みは大変だと思いますが、干物や切り身売場に『こんがり焼き魚パック』を置き、「焼き魚は食べたいけど、手間が・・・、臭いが・・・」という理由で購入をためらっているお客に対してその解決法を提案することは、どのスーパーでもすぐに取組める販促手法ではないでしょうか。

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