『成城石井』に学ぶ、高価格帯:PBの売り方
私が週2回ほど通っているスポーツクラブの敷地内に、スーパーの『成城石井』があります。
3~4年前までは店内に活気がなく、商品も魅力的に感じられない店でしたが、ここ1~2年大きく変わってきました。
何が一番変わったかというと、従業員の表情と声出しです。以前は品出し作業をしていても、通路ですれ違っても「いらっしゃいませ」の声がありませんでした。しかし、最近では従業員から明るい表情で積極的に声をかけてきます。
次に変わったことは、価値訴求型PBである「成城石井オリジナル商品」(一例として写真:うなぎ蒲焼 1790円)を中心に重点商品を決め、お客様に推奨販売する経営スタイルになったことです。そのため、それらの商品をお薦めしようという従業員の思いが陳列やPOP、試食販売、さらには声がけ(商品説明やお薦め販売)から感じ取ることができる店になってきました。
その結果、売上高に占める重点商品の構成比は6.5%(2006年頃)から現在では約25%まで高まったといわれています。価格が高くて利幅の大きい商品の比率が上昇すれば、おのずと利益もついてきます。
一方、多くのスーパーでは価格訴求型のPB商品が中心で、長引くデフレによりメーカー品との価格競争も激化、さらに客単価の低下を招き業績が悪化するという負のスパイラルに陥っています。しかし、そのようなスーパーでも成城石井の取り組みを見て、方向転換する動きも出てきました。
大手小売業が品質や機能にこだわった高価格帯のプライベートブランド(PB=自主企画)商品を強化する。セブン&アイ・ホールディングスは既存PBの2~4倍の価格のPB食品を発売して参入。
セブン&アイは28日、PB「セブンプレミアムゴールド」シリーズを発売する。「ビーフカレー(348円)」、「ハンバーグステーキ(258円)」などレトルト食品4品目を全国のコンビニエンスストア「セブンイレブン」で販売する。既存PB「セブンプレミアム」のビールカレー(88円)、ハンバーグステーキ(118円)」に比べると高いが、具材の量やスパイスなどを充実させて製法にもこだわり「人気の飲食店と同等以上の品質を実現した」という。年間売上高見込みは60億円。販売動向をみて品ぞろえの拡大やグループのスーパーなどでの取り扱いを検討する。[2010.9.23:日本経済新聞]
しかし、価値訴求型PBを開発すれば良いというものではありません。それが、売れて、なおかつお客様から支持を得るためには従業員教育が不可欠です。
なぜなら、販売する従業員がその商品に対する知識をしっかり持ち、価値を理解し(納得し)、お客様に伝える手法を知らなければ、『価値訴求型PB』はお客様に買っていただけないからです。
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