「女性ファッション誌」に食われた?バッグ業界
昨日、近所の書店に入ってみると平台に女性ファッション雑誌が1メートルぐらいの高さで積まれており、そのボリューム感に圧倒されました。「なんで、ここまで積むの?」と思いましたが、よく見ると積まれている冊数はさほどでもなく、高さの原因は雑誌の間に入っている付録でした。
いま、手提げ袋やポーチなどを付録にする女性ファッション誌が急増中で、「CanCam」「JJ」「ViVi」など、その多くが毎月23日発売のため、私が見たような売場になっていたのです。そういえば、つい先日の日経新聞にも「雑誌が売れてかばん不振」という見出しで、バッグの小売市場が縮小しているという記事が掲載されていました。
矢野経済研究所によると、09年のかばん類の小売市場規模は08年比9.2%減の9352億円。減少は8年連続だが、09年はマイナス幅が突出して大きい。経済産業省の工業統計で見ると、ハンドバッグ類(なめし革製とプラスチック製の合算)の出荷も08年に数量で07年比2.6%、金額で4.7%減った。
同研究所の担当者は「リーマン・ショック後にブランド品が落ち込んだほか、旅行需要の減少と付録雑誌の好調が影響した」とし、「付録とはいえ人気ブランドのものも多くメーンに使う人も少なくない。それが(かばん自体の)買い控えにつながった」とみる。[日本経済新聞、2010年11月10日]
それにしても、まったく異なる業種の「女性ファッション雑誌」が競合になるとは、バッグ業界の人は想定しなかったのではないでしょうか。
景品表示法の「懸賞による景品類を提供する場合の制限」のうち、『懸賞によらないで景品類を提供する場合の制限』では、取引価格が1000円未満の場合、景品類の最高額は200円とされています。ということは、女性ファッション雑誌の多くが600円台なので、景品も200円以下ということになります。
付録のバッグを見ると「これが200円以内で作れるの?」と思いますが、最近の100円ショップではとても100円と思えない商品もあるので、発行部数の多い雑誌になれば調達は可能なのでしょう。
それにしても、思わぬところに「競合」がいるものです。