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2011-01-30

「そこまでやる?」ビジネスホテルのサービス競争

前泊が必要な研修や講演の際、主催者側が部屋を用意してくれる場合を除いて、私が利用するビジネスホテル選びにはいくつかの基準があります。

まず、交通機関などの便利さを優先させたい場合は、JR系『メトロポリタンホテル』などの駅直結型ホテル。出張時はキャリーバッグやビジネスバッグなど多くの荷物を持っているので、雨の日などに傘を差す必要がない駅直結型は何よりもありがたく感じます。

時間的に余裕があり、前日早めに現地入りし、なおかつ原稿書きなどのデスクワークが残っている時は、広いデスクと座りごこちの良いビジネスチェアがある『リッチモンドホテル』。部屋には高機能の加湿&空気清浄機があり、室内も比較的広く、ベッドもセミダブルなのでゆったりとした気分で利用することができます。

とにかく「安くすませたい」、時間もないので「寝られれば良い」という時には『スーパーホテル』。このホテルは「快適な睡眠」を最優先にしたホテルで、ベッドは低反発マットを使用し、パジャマや枕もさまざま工夫がされています。部屋やバス&トイレは驚くほど狭いのですが、朝食(バイキング)付きで5000円台と大変リーズナブルなホテルです。また、同じ価格帯でほぼ全国を網羅している『東横イン』を利用する場合もあります。

Photo一昨年まではこれらのホテルを中心に利用していましたが、昨年から「ゆっくりと湯船につかりたい時」に利用するホテルとして『ドーミーインホテル』が加わりました。

このホテルは駅から少し離れた場所にあることが多いのですが、サウナ付き大浴場と露天風呂があるので、ゆったりと入浴することができて疲れも癒されます(大部分が天然温泉)。また、ホテルごとにさまざまなサービスを工夫しているようで、先日宿泊した仙台ANNEXのサービスには驚かされました。

Photo_2なんと、夜食のラーメンと生ビールが無料なのです!
フロントのポスターや部屋の案内に「夜鳴きそば始めました」というお知らせがあったので、指定時間に朝食会場にもなるラウンジコーナーに行ってみると、“ラーメン”の暖簾が出ており、ホテルのユニホームを着た女性スタッフが注文に応じて一杯ずつ作っていました。また、生ビールはセルフサービスで1杯無料(2杯目から有料)になっており、ほとんどのお客が生ビールを飲みながらラーメンができるのを待っています。

ここ数年、仙台はビジネスホテルが増えて競争が厳しくなったと聞いていましたが、ここまでサービス競争が進んでいるとは思いませんでした。利用する客としては大変嬉しいことですが、改めてビジネスホテル業界の競合環境の厳しさを思い知りました。

2011-01-23

買い物の満足度を高める「エシカル消費」

毎朝パソコンを起動して最初にすることは、お気に入りのブログを読むことと「募金」をすることです。ただ、「募金」といっても赤い羽根や歳末助け合いのようなものではありません。

企業名と自分が使ってほしいと思う募金の種類をクリックすることで、1日1回につき1円を私に代わって企業が募金してくるというものです。私が行っている『クリックで救える命がある』というサイトには「コスモ石油」「エイブル」「カカクコム」「第一三共」など、現在8社が参加しています。

このサイトの画面には「あなたのクリック募金の総額○○○円」「発展途上国の子供の給食費○○食分」「全クリック募金参加者の中で上位○○%の募金額」など、自分の募金がどのくらい貢献しているのかも分かる工夫がされています。このような動機づけの工夫と自分にあまり負担をかけずにできるという点が、続いている要因かも知れません。
【HP:クリックで救える命がある】 http://www.dff.jp/

このように、自分にあまり負担をかけずに社会貢献ができる寄付行為が消費者の間にも広がっています。それが「エシカル消費」です。

「エシカル(ethical)」には「倫理的」「道徳的」という意味があり、消費者が商品やサービスを選択する際に、社会規範に配慮したものを優先する行為を「エシカル消費」と呼んでいます。このような消費行動は、ダノンウォーターズオブジャパンが『ボルヴィック』を1リットル出荷するごとに、アフリカに清潔な水を10リットル供給するというキャンペーンを2007年に始めたことで認知度が高まりました。

Photo 「イオン」では“幸せの黄色いレシートキャンペーン”という名称で、各店舗が指定したボランティア活動に賛同したお客様がレシートを投票すると、購入額の1%をボランティア団体が希望する商品で寄付するという活動をしています(毎月11日のみ、写真はイオンのHPより)。また、JR東日本リテールネットでは駅のコンビニエンスストアで61品目の寄付つき商品を販売し、その売上の3%をアフリカの子供達の食事に寄付するなど、メーカーだけではなく小売業自身が取り組む活動も始まりつつあります。

昨年末から今年にかけてブームになった『タイガーマスク現象』のように、「困っている人の役に立ちたい」「何か社会貢献をしたい」という潜在意識の高い人は多いと考えられています。ただ、純粋な寄付行為やボランティア活動をするのはなかなか難しいのが現状です。

しかし、エシカル消費であれば「負担にならない程度で社会貢献をしたい」という人のニーズを満たすことができるので、今後ますます活用する企業は増えてくることでしょう。

2011-01-16

『ビッグアメリカ』に見る“価値訴求型”商品の必要性

加齢による食嗜好の変化か、最近では「肉が食べたい!」という気持ちになることがなく、魚や野菜を食べたくなることが多くなったなと感じています。ましてや、マクドナルドに代表されるようなファストフードを食べたいと思うことはほとんどありません。

しかし、なぜかマクドナルドの「ビッグアメリカ」シリーズは食べたくなってしまいます。たしか、昨年の初登場の時には4種類すべてを食べたと記憶しています。

その「ビッグアメリカ」シリーズの第2弾が1月7日から始まり、さっそく「テキサス2バーガー」を食べてしまいました。

Photo 第2弾となる今回のポイントは3段バンズにトッピングされた粉チーズと、刺激的な香りが食欲をそそるホットなチリビーンズ。少し辛目の味付けがいいですね!
それに、通常の約2.5倍のジューシーでボリュームあるビーフパティも食べ応えがあり大満足です(カロリーはちょっと高めの645kcal)。

確か、第1弾のテキサスバーガーはサクッと揚げたフライドオニオンとベーコンがアクセントになっていました。しかし、今回のチリビーンズの方が西部劇に出てくる食事シーンを連想させるので、個人的には「テキサス」というネーミングに合っていると思います。

昨年、外食産業は牛丼チェーンや居酒屋チェーンを中心に激しい低価格競争をしていましたが、後半からは商品価値を高めたり、マクドナルドのように独自製品を開発したりして他チェーンと差別化する動きも増えてきました。

また、消費者も長引く節約生活に疲れて「たまにはプチ贅沢を」という人も増えています。この現象は、コンビニのスイーツやおにぎり・弁当などにも表れてきており、確実に客単価のアップにつながっています。

2010年12月期の業績に対する記者会見の場で、日本マクドナルドホールディングスの原田泳幸社長は、「今年の外食業界は予見できない厳しさがあるが、ビッグアメリカのようにマクドナルドらしい商品を積極的に提案していきたい」と話していました。

今年は、コンビニでもスーパーでもいかに自社らしさを追及し、節約志向の消費者ニーズに合った「価値訴求型」商品を開発できるかどうかが、より問われる年になりそうです。

2011-01-09

進化した“駅ナカ”の『次世代型自販機』

2003年のお正月に観た映画「マイノリティ・リポート」(2002年12月、日本公開)では、トム・クルーズ演じる刑事ジョン・アンダーソンが街中を歩くと、貼ってあるポスターから商品をお薦めする声が流れてくるというシーンがあったと記憶しています。

映画の舞台となったのは西暦2054年の世界。目の網膜から個人情報をキャッチし、嗜好にあった商品ポスターが声をかけるという設定なのですが、「遠い未来のことだな」と感じた覚えがあります。

しかし、そこまではできないにしても、2011年の自動販売機は大きな進化を見せています。それが、JR東日本ウォータービジネスが展開している47インチの大型タッチパネル画面を搭載した『次世代型自販機』です。

Photo この自販機はタッチパネル上部にある内蔵カメラセンサーが顔の輪郭や目、鼻、口などの位置関係などから、年代・性別を8割近い精度で測定し、顧客の年代や性別、時間帯、気温から最適と思われる商品を判断し、商品にお薦めマークをつけるという画期的な自販機です。
[写真はJR東日本ウォータービジネスの公式HPより]

そこで、私だったら何をお薦めされるのだろうと、JR池袋駅(東京・豊島区)の山手線ホームにある『次世代型自販機』の前に立ってみました。すると、お薦めは「リポビタンD」と「朝の茶事」、1月2日ということもあり、お薦めマークは獅子舞です。

Photo_2 時間が夕方5時を過ぎていたので、お疲れタイムだろうと推測されて「リポビタンD」が選ばれたのだと思います。ただ、夕方なのにどうして「朝の茶事」と思いましたが、「爽健美茶」や「ジャスミン茶」では性別・年齢(52歳)から不適切とされたのでしょう。

次に息子(20歳)が立ってみました。すると、お薦めは「Red Bull」と「青森りんご」。同じお疲れタイムでも年齢を考慮して「リポビタンD」ではなく「Red Bull」をお薦めしてくるところに、「さすが、次世代型自販機!」と思ってしまいました。

次に立ったのは妻(48歳)、するとお薦めは「キレートレモン」「AQUA(ミネラルウォーター)」「TEAS' TEA」、どう見ても若い女性向きのお薦めに妻は大変満足そうにし
ていました。

近年、「駅ナカ」ビジネスはめざましい発展を見せ、百貨店・スーパー・コンビニエンスストアなどの小売業だけではなく、飲食業をはじめ幅広い業種・業態と競合関係になりつつあります。その「駅ナカ」ビジネスが飲料自販機にまで拡大してきたことは、「駅ナカ」に留まらず一般市場に飛び出そうとする始まりなのではないかととても脅威に感じました。

【『次世代型自販機』の設置場所等については下記HPへ】
http://www.acure-fun.net/index.html

2011-01-02

2011年の「初詣」と願い方

新年あけましておめでとうございます。
昨年は、「石川和夫の流通業界ウォッチング」をお読みいただき、誠にありがとうございました。
今年も独自の視点で、見たこと、聞いたこと、感じたことをあれこれと書いてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2011 さて、今年も初詣にと、神田明神(東京:千代田区)に出かけてきました。1月2日の朝ということもあり、人影もまばらで並ぶこともなくお参りすることができました。

昨年までは「今年は〇〇〇をよろしくお願いします」というような願い方をしていたのですが、今年からスタイルを変えました。

というのも、山本一力氏の小説に影響を受けたからです。
氏の小説は直木賞を受賞した「あかね空」に代表されるように、江戸時代の商人ものが多く、主な舞台は江戸深川で富岡八幡宮がよく出てきます。そのお参りの場面に、お願いするだけではなく感謝することの大切さに登場人物の商人が気づき、その後さらに商売が繁盛するというシーンが出てきました。

そこで、私も今年は、
「昨年は多くの方との出会いがあり、仕事も順調に進めることができました。今年も出会いに感謝しながら仕事をしてまいります」とお参りをしてきました。

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