食品スーパーと「60歳代男性」との関係は?
ここ1ヶ月の間、私の実家がある宇都宮(栃木)へ頻繁に行っていました。そのため、実家に居る間は近所のお年寄りに頼まれた食品や実家の食材購入のため、毎日のように数店の食品スーパーに通いました。
その中で私が最も注目をしたのが「パワーマート」という食品スーパーです。
この食品スーパーの特売日には朝10時の開店前に行く必要があります。なぜなら、特売品は数量限定の商品が多いため、開店時には駐車場がすでに満杯で入ることができないからです。
「パワーマート」は茨城県にある㈱黒田青果という会社が茨城、栃木、埼玉、群馬、千葉、東京の関東圏を中心に20数店舗展開しているチェーンで、売上の6割以上を青果部門が占めています。定休日は毎週日曜日です。
また、この食品スーパーで私が「特徴的だな」と思ったのは圧倒的に男性が多いことです。それも高齢の男性が多いのです(店入口写真)。私の母は、「ここに買い物に来る人は一人暮らしの男性や奥さんが体が弱くて買い物に出られない人、それに年金生活者が多い」と言います。確かに、ほとんどの男性が軽自動車に乗って1人で来店し、チラシ片手にお目当ての商品を狙って開店前から並んでいました。
この食品スーパーの販売戦略を裏付けるような調査データが、2010年1月13日の日経MJ「消費分析:60代男性、価格・鮮度に敏感」という特集に掲載されていました。
【調査対象者は全国の20~69歳の既婚男性:398人】
その記事内の調査データを見ると、60歳代男性が食品スーパーに行く回数は「ほぼ毎日」「週に数回」の合計で60%を超え、50歳代の約40%を大きく上回っています。また、食品スーパーに行く日を「平日」と「休日」で比較してみると、50歳代が「平日:56.3%」「休日:80.0%」であるのに対して、60歳代は「平日:84.0%」「休日:75.5%」と大きく逆転しています。また、食品スーパーに行く時間帯も60歳代は10時~12時がピークとなっており、退職して時間が自由に使える60歳代ならではの行動です。
また、60歳代男性の食品スーパーで買い物をする際の重点項目を見ると、「特売や値引き」「手ごろな価格帯」「賞味期限・鮮度」などが上位にあり、チラシ広告をしっかりチェックし、鮮度と値頃感を大切にして買い物をしている様子が伺えます。
このように60歳代男性の購買傾向と経営スタイルがマッチングしているため、「パワーマート」は開店前から多くの男性客を惹きつけているのだと思います。