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2011-03-27

ローソンの被災地支援に見る「本部の経営方針」

東北地方太平洋沖地震の発生から約2週間が経ち、品切れが目立ったコンビニの棚にもようやく商品が増えてきました。しかし、牛乳やミネラルウォーターをはじめとするドリンク類、カップ麺やカップスープ、レトルト食品や納豆などはまだまだ多くの店で不足しています。

また、チェーン間の在庫回復状況にも違いが見られます。
ここ一週間ほど、出かけた先(都内や埼玉県)でセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サンクスの売場状況を確認していましたが、特にローソンの欠品状態が目立ちます。「ローソンだけ、在庫の回復状況が遅いなあ」と不思議に思っていたところ、近隣のローソンで写真のようなポスターを見かけました。

Photo お客様 各位
ローソンでは、東北地方太平洋沖地震の被害地域への商品供給を最優先にしております。
このため、当店で取り扱う商品の数が少なくなっております。
お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、
何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
ローソン店主
株式会社ローソン 社長 新浪剛史


なるほど、ローソンは被災地の店舗に優先的に商品を供給しているのですね。その経営姿勢は「社会的貢献」を考えた時、とても大切なことであると思います。そのため、近隣のローソンの商品が少なくなっているのであれば、来店されたお客様も納得されると思います。

ただ一方で、近隣にセブンイレブンやファミリーマート、さらにはサンクスなど競合店があるローソンの店長は、どんな思いで商品の無い売場や日々の売上高を見ているのだろうと考えてしまいます。

自分の店にお客様が来店してくれたにも関わらず、商品が無い売場を見て他店に行ってしまう。その様子を見ることは経営者としてつらいものがあるでしょう。

しかし、いまは日本全国の人達が被災地の人と一緒になり、力を合わせてがんばっていかなければならない時です。

被災地だけではなく、本部の方針に従いじっと耐えている加盟店にも、ぜひ本部は支援の手を伸ばして欲しいと思いました。

2011-03-20

被災地を第一に考え、「助け合いの精神」で行動をしよう!

「東北地方太平洋沖地震」発生から10日目を迎えました。
地震による直接的な被災者だけではなく、原発事故による避難者も加わり、東北・関東地方には多くの避難所が設けられています。

避難生活が長期化しているためでしょうか、救助されたにも関わらず避難所で亡くなる方も出てきました。また、地震や津波によって受けた精神的ダメージや余震の恐怖から大きなストレスを抱え、体調を崩す人も増えています。しかし、そのような状況下にありながら、避難所では被災者同士が助け合い励まし合いながらこの苦難を乗り切ろうとがんばっています。また、被災者が支援者に感謝をしたり、ねぎらったりしている様子もテレビに映し出されています。

今日の日本経済新聞のコラム「大震災と日本経済」で、法政大学教授:小峰隆夫氏が下記のようなコメントをしていました。

日本人は危機に直面すると、他人を思いやる気持ちが強くなる。阪神大震災の際にもみられた傾向だ。国民の信頼関係や互助の精神は世界に誇るべき資産といえる。今回の震災からの復興でも日本人が持つ『資産』を活用できるかが問われることになる。

確かに、海外メディアの報道を見ても、「国民の信頼関係や互助の精神」は世界に誇るべき『資産』であると再確認することができます。しかし、その私たちの『資産』も被災地から離れると少なくなってしまうのでしょうか。

東京のスーパーやコンビニでは地震発生直後から食品や乾電池・トイレットペーパーなどの買い占めが増え、近隣でしか買い物ができない一人暮らしのお年寄りなどが困っています。また、ガソリンスタンドでは給油待ちの車の長蛇の列ができ、販売量も制限されています。そのため、本来必要とする物資輸送や被災地に向かう車などのガソリンが不足しています。

Photo このような状況の中、若手デザイナーの松本隆応さんが作成した「みんなで分け合えば、できること。」と題したポスターが大きな話題となっています。「トイレットペーパー12ロール→トイレ1000人分」「ガソリン10リットル→ケガ人を搬送4人」など、買い占めが及ぼす影響を分かりやすく示しています。

コンビニやスーパーをはじめ多くの小売店でこのポスターを掲示すれば、買い占め行為に対する一つのブレーキになると思います。

今こそ多くの人が被災地のことを第一に考え、日本人の素晴らしい『資産』である「助け合いの精神」でこの苦難を乗り切る時ではないでしょうか。

2011-03-13

地震に被災された皆様への御見舞い

東北地方太平洋沖地震に被災された皆様に、
心よりお見舞い申し上げます。


被災状況をテレビで目にするとその地域が身近に感じられ、とても心が痛みます。
というのも名取市や岩沼市周辺には、私が㈱セブン-イレブン・ジャパンでFC(フィールド・カウンセラー)をしていた時に新規オープン・経営指導を担当した店がいくつもあります。また昨年からは、この地域に出店している食品スーパーチェーンの人材育成のお手伝いもさせていただいています。

さらに、昨年は北東北で仕事をさせていただくことが多く、青森県・岩手県・宮城県にはたくさんのクラインアトや研修に参加いただいたスーパーなどがあります。その中の1店では屋上に50人以上が孤立し、救援を待っている様子がテレビで映し出されていました。

被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げますと共に、
各社ならびに従業員の皆様のご無事と、
被害に遭われた地区の皆様の一日も早い復興をお祈りしています。

2011-03-06

「消費者心理」と商品の情報提供法の関係は?

Photo 昨日、第83回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞を受賞した「英国王のスピーチ」を観てきました。吃音に悩む国王と、型破りな言語聴覚士が吃音克服の過程で築く信頼関係が心にしみた作品でした。

時々、前評判ほどの内容ではなく、映画館まで出向いたことを後悔させられる作品があります。しかし、「英国王のスピーチ」はアカデミー賞4部門を受賞しているだけに、安心して観ることができました。

最近、買い物でも「失敗をしたくない」と考える人は増えています。

そのため、事前にインターネットで店や商品の情報を検索したり、食べた人や使った人のブログをチェックしたりする人が多くなっています。しかし、全ての人が事前に情報をチェックするわけではありません。また、インターネット上の情報に対して疑問を持っている人もいます。

Photo_2 そこで、店頭で迷った時に役立つのが「売れ筋ベスト○○」などの情報です。
家電量販店などの多くは空気清浄機、炊飯器、クーラーなどの商品カテゴリーごとに売れ筋順位を提示しています。この情報があると、多くの人が買っているという現象から「失敗リスクを回避できる可能性が高い」と考えることができます。また、自分がその商品に必要としている機能や予算と照らし合わせながら、候補の商品を絞り込むことが容易になります。

しかし、スーパーやコンビニではこのような情報提供を行っているところは少ないのが現状です。先日もあるスーパーに「発熱機能付き下着」を買いに行ったのですが、あまりにも種類が多すぎて選ぶことが面倒になり、買うのをやめるという経験をしました(後日、分かりやすいユニクロで『ヒートテック』を購入)。

商品単価が低くなればなるほど、購入決定のための価格や素材・機能などの比較検討は売場で行われます。そのため、お薦め商品など単品別にPOPを付け、商品情報を提供している売場はよく見かけます。

しかし、お客様は単品で見る前にカテゴリー全体で商品を比較検討する傾向があるので、「売れ筋ベスト○○」のような情報提供法も必要になるのではないでしょうか。

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