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2011-05-29

人気ドラマ「JIN-仁-」とセブンイレブンフェアの関係

毎週日曜日の夜、TBSテレビで放映されている『JIN-仁-』を楽しみに見ています。見始めたきっかけは内野聖陽さんが演じる「坂本龍馬」がとても魅力的だったからです。

内容は現代から幕末にタイムスリップした脳外科医:南方仁が、他人の運命や歴史を変えることに葛藤しながらも、江戸の人々を一人でも多く救おうと奮闘する歴史SFヒューマンドラマです。タイムスリップした理由にも関心はありますが、南方仁と坂本龍馬の関係性により興味が惹かれます。

このドラマがいま大人気で、テレビ番組のドラマ部門視聴率では1位となっています。

■日経MJランキング:テレビ番組 ◇ドラマ部門

1位:日曜劇場・JIN-仁-(TBS)5月15日(日) 20.8%

2位:連続テレビ小説・おひさま(NHK総合) 5月11日(水) 18.7%

3位:江・姫たちの戦国(NHK総合) 5月15日(日) 18.1%

5月9日~15日、ビデオリサーチ調べ。関東地区) 

Photo その人気ドラマとタイアップしたキャンペーンを、セブンイレブンが『セブンイレブンフェア』として5月27日(金)から行っています。内容は、買い物を700円する度に1枚のくじが引け、さまざまな売り場の商品が当たるというものです。また、外れてもそのくじは応募券として使用でき、応募枚数に応じて「JIN-仁-:特製商品」が抽選で当たります。Photo_2

さらに、ドラマ内に登場した脚気予防のために仁先生が考案した『安道名津』や、綾瀬はるかさん演じるところの橘咲が作る『揚げ出し豆腐』なども販売しています。

このように、セブンイレブンがテレビ番組やアイドルに販促活動を頼るようになったのは、いつ頃からだったでしょうか。

もともと、この手法は他のコンビニチェーンが得意としていたもので、セブンイレブンはあくまでも「商品」「サービス」「システム」の革新性で他社との差別化を図るという自負があり、同じような手法は採用しませんでした。

しかし、コンビニ業界の王者も革新性を生み出す力はいまや持ち合わせておらず、他社と同様の手法を取り入れざる得なくなったということでしょうか。

もし、そうだとすると、セブンイレブン出身の私としては一抹の寂しさを感じると同時に、セブンイレブンの将来性に不安を覚えます。

2011-05-22

新たなニーズを喚起する『ダイソンの扇風機』

昨日、顧問先の店舗に行くと、事務所にクリップ式の扇風機がありました。
店長に置いてある理由を聞くと、「今までは使っていなかったけど、冷房の設定温度を27℃にしたので空気の流れを良くするために買ったんですよ」という返事がありました。

店舗や事務所だけではなく、この夏は家庭でも電気消費量の多いエアコンの使用をいかに控えるかが節電対策の中心となっており、その対応策として人気を集めているのが扇風機の活用です。

Photo 先日行った「ビックカメラ有楽町店」(東京)の店頭には約30台の扇風機が展示され、多くのお客様が商品を見比べていました。その中でも私が特に注目したのが、掃除機で有名なダイソンの『air multiplier』です。

この商品に注目した理由はデザインが良いのはもちろんのこと、羽がない全く新しい形の扇風機だということです。これならば、ちいさな子供のいる家庭でも安心して使えますし、清掃がとても簡単です。また、来客者との話のネタとしても活用できそうです。

Photo_2 どのようにして風を送っているのだろうとパンフレットを見たところ、タワー下部にある吸い込み口から入った空気が円形状の開口部周辺の空気を巻き込み、気流を増幅させ、吸い込んだ空気の15倍の風量を生み出すらしいのです。確かに、円形開口部の内側に触れると細かい空気の動きを感じることができます。

「すばらしい技術だな!」「ほしい!」と素直に思いました。

しかし、通常の扇風機が5,000円~10,000円で買えることを考えると、卓上タイプで39,000円、タワータイプで54,000円という価格は非常に高く感じます。ただ、エアコンを購入することを考えると安いかも。また、生活空間や職場のデザイン性に価値を置いている人は「せっかく扇風機を買うなら」と、購入するかも知れません。

各家庭には「モノ」が溢れ、消費マインドが冷えている時代だと言われています。しかし、消費者のニーズを掘り起こすことができる技術革新やデザイン性があれば消費意欲を喚起することは可能なのだということを、自分の心理変化から改めて感じることができました。

2011-05-15

あなたの上司は「犬」タイプ、それとも「ライオン」タイプ?

ゴールデンウィーク明けに『五月病』にかかる新入社員が多いと言われていますが、皆さんの職場ではいかがでしょうか。

もともとは大学1年生がゴールデンウィーク明けに原因不明の体調不良を訴えることが多いことから、『五月病』という名前がついたと言われています。つまり、長い受験勉強期間を乗り越えて入学したものの、受験勉強の疲れや目標の喪失、憧れていた大学生活と現実のギャップ、一人暮らしによるホームシックなど、さまざまな環境の変化に適応することができず、5月頃に体調不良などの症状が出ることを指しています。

それと同様の現象が新入社員に起きるのも5月~6月にかけてです。この時に、心を開いて相談できる上司がいれば理想的なのですが、現実はなかなか難しいようです。

2011年5月11日の日経新聞に「『上司に本音語れず』新社会人6割が回答」というインターネット調査が掲載されていました。

今年4月に就職した人の6割が「上司に仕事上の本音の話ができない」と答えていることが、採用支援を手がけるレジェンダ・コーポレーション(東京・新宿)の調査で明らかになった。2010年に入社した2年目社員でも、若干比率は低下するものの半数超が「本音を語れない」との結果になった。(中略)新社会人のうち「できない」と答えた割合は63.8%。2年目でも57.2%に達した。

この記事を見て、さっそくレジェンダ・コーポレーションのホームページで調査内容を確認したところ、新聞には掲載されていませんでしたが、とても興味深い調査がありました。それは、「あなたが、本音の話がしやすい人はどんなタイプの人ですか?動物に例えて教えてください」というものです。

回答を見ると、新社会人・入社2年目ともに「犬」が1位でした。犬には「親しみやすく、話をよく聞いてくれそう」という印象があり、相談しやすいと感じられるのでしょう。
【レジェンダ・コーポレーションのHP】 http://www.leggenda.co.jp/

上司のタイプは大きく分けて2つあります。まず、目標・数値など仕事そのものに価値を置く「仕事・成果重視」タイプ。次に、相手の心情や職場の人間関係に価値を置く「人間関係重視」タイプ。この内、後者はどちらかというと「犬」タイプだということができます。

このような上司の部下となった新社会人は比較的本音で相談しやすいかもしれません。しかし、新社会人は上司を選ぶことができないので、相談しやすい環境を作ることが上司には求められます。また、2年目になると、物事をハッキリ言ってくれたり、頼りがいのある「ライオン」タイプを求める社員が増えてくるようなので、関わり方を変化させることが必要です。

つまり、上司としての「マネジメント・スタイル」はひとつではいけないということです。

部下一人ひとりの成長過程に合わせて「マネジメント・スタイル」を変えていくことがいかに大切か、この調査からも読み取ることができます。

2011-05-08

「20代のライフスタイル」と親・管理職者の関わり方

最近、新入社員研修や中小企業の2代目育成など、20歳代の若者と接する機会が増えています。
また、私の息子も21歳の学生なので、子供と同年代の若者の仕事や人生に対する価値観には大変関心が高くなっていました。

そのような時、東京ガスの研究機関である「都市生活研究所」が発表した『20代のライフスタイル』というレポートを見る機会があり、改めて世代間における価値観のギャップを感じると同時に、20代の若者へのアプローチの仕方について工夫する必要性を再確認しました。
【都市生活研究所】http://www.toshiken.com/

調査分析によると、20代の人生ニーズは大きく5つあります。

『豊かな生活』
『愛されて生きる生活』
『仲良く心温まる生活』
『楽しい生活』
『自分を高める生活』

そして、そのような人生のニーズを実現するために必要なこととして《自分が大切》と《親しい人と仲良く》という2つのグルーピングが挙げられており、私は《自分が大切》の内容(下記の6つ)に興味を持ちました。

・将来に備えてお金を貯め、手に職をつけて安心したい
・節約のためなら自炊も
・無理や我慢は極力避けたい
・個性は大事、しかし傷つかないために主張し過ぎない
・面倒なことは省く。料理はするけど、手間はかけない
・清潔は基本、しかし入浴に手間や時間はかけない

この中で特に私が興味を持ったのは、「無理や我慢は極力避けたい」と「個性は大事、しかし傷つかないために主張し過ぎない」。

20代にとって個性を出すことは大事ですが、その出し方は私達世代とは大きく異なっているようです。私達の世代であれば、個性を出すために必要なお金やモノ、さらには社会的地位などを得るため、時間や人間関係などさまざま無理や我慢を代償として払ってきました。
しかし、いまの20代は自分のできる限度を見極めながら、実際の仕事や生活の中で無理をしない範囲で違い(個性)を出そうとしています。また、「個性は大事」と言いながら、自分の価値観や考えを周りから否定されたり、傷つけられたりするリスクを回避するために極力主張することを避けています。

このような価値観から生まれる言動が、「おとなしい、自己主張しない若者」というレッテルを貼られる要因になっているのかも知れません。

でも、「もったいない」と思います。

20代の若者には限りない可能性や潜在的能力があるにも関わらず、自分で自分の限界を早々に決めている人が多いようです。

しかし、それも生まれ育った環境によって形成された価値観であり、親世代が「間違った価値観だ」ということはできません。だからこそ、親や20代の部下を持つ管理職者はアプローチの仕方に工夫を凝らし、より若者の力を引き出す機会を作らなければいけないのだと思います。

2011-05-01

リーダーに求められる「ポジティブな言葉」を使った会話

昨日、『つながりを突き止めろ 入門! ネットワーク・サイエンス』(安田雪著、光文社刊)という本を読みました。

この本ではネットワーク・サイエンスが様々な現場で活用される事例が紹介されています。ネットワーク化した現代のテロリストを追跡するために開発された米軍のマニュアル、電子メールの内容から見えてくる社内の人間関係や業績、SNSでつながる人々、パンデミック、エイズウィルスの感染経路…。あらゆるところに生まれるネットワークを取り上げています。

その中で私が興味を持ったのは、『第2章 電子メールから浮かび上がる業績遂行ネットワーク』にあった“高業績はポジティブな言葉から”という記述です。

安田教授は業績が良い人の上位15%とそれ以外の人では電子メールの中で使っている言葉に違いがあることを発見しました。

業績が高い人が電子メールでよく使っている言葉は、
「率直だ」「スムーズだ」「前向きだ」「有意義だ」「なんとか」「特別だ」など。

これに対して、業績が低い人が電子メールでよく使っている言葉は、
「厳しい」「面倒だ」「大変だ」「細かい」「悪い」「同じだ」など。

安田教授によると、業績の高い人は「ポジティブな言葉が多く、意欲がつたわってくる」が、そうでない人は「比較的ネガティブな言葉が多い」そうです。

業績が良いからポジティブな言葉を使うのか、ポジティブな言葉を使うから業績が良くなるのか、その因果関係までは分かっていないようです。しかし、企業研修時に行うグループワークの会話を聞いていると、確かに業績が良い店の店長やチーフはポジティブな言葉を多く使っています。

私もコーチング研修では常に「ポジティブ・アプローチ」の重要性を話しています。
ポジティブ・アプローチとは、例え目標に対してまだ半分しか進んでいない状況だとしても、「なぜ半分しか進んでいないんだ!」と言うのでなく、まず半分進んだ部分を認め、次に「あと半分進めるためには、これから何に取り組む必要があるのだろう?」と、肯定形・未来志向で会話を組み立てることです。

東日本大震災から約50日が経ち、これから本格的な復興に向けて進んでいかなくてはいけない時です。このような時だからこそ、多くのリーダーがポジティブな言葉を使い、未来に向かって組織の力をまとめていく必要があるのだと思います。

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