今年のお盆商戦とスーパーの社会的役割
今週後半は実家で雑誌の原稿書きをしていました。
仕事の合間に母親の買い物の付き合いで4店のスーパーに行きましたが、どのスーパーの惣菜売り場も大皿に盛られた寿司やてんぷらセット、さらにはオードブルやサラダ・カットフルーツなどのセットが大量に陳列されていました。それらを見て「いつものお盆はこんなにないのに!」と母が驚いていました。
ある生命保険会社の調査によると、夏の過ごし方として「帰省」をあげた人が今年は例年になく多いそうだ。震災をきっかけに家族の絆を改めて意識する人が増えたと同社は分析している。そのお盆の里帰りはきょうとあすがピークだ。
8月12日(金)日本経済新聞のコラム『春秋』にあった一文です。
確かに東日本大震災後、家族の絆は強まったと見聞きする機会が増えました。その上、今年は節電対策による家庭内調理の手控えで、スーパーやコンビニでは揚げ物の売上が大きく伸びています。例年以上に人が集まると同時に猛暑が戻ったお盆、各スーパーがここぞとばかりに売上を伸ばそうと力を入れるのは当然のことでしょう。
しかし、その一方で「このような時、スーパーの店長は従業員に対してどのような意識づけをしているのだろう?」と考えてしまいました。
ただ単に「今年は客数・単価アップが期待できるからがんばろう!」と、数値目標だけを示しているのでしょうか。
それとも、今年のお盆に対する価値観の変化を伝えた上で、「久しぶりに会った家族が笑顔で楽しい時間を過ごせるように、品揃えとお薦め販売をしっかりとしていきましょう!」と、スーパーの社会的役割や仕事の意味も伝えているのでしょうか。
スーパーの社会的役割・価値は震災を機に高まったと言われています。
しかし、日常業務の中で自分たちの仕事が「地域社会に役立っている」ということはなかなか感じることができないものです。
だからこそ、今年のお盆のような機会にしっかりと伝えてもらいたいと思います。