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2011-10-31

「被災地応援ツアー」と松島の焼きカキ売り

先週末は1泊2日で松島(宮城県)に行ってきました。この旅行は大学時代の同級生3人との恒例行事で、だいたい2年に一度の割合で実施しています。本来であれば、今年の予定地は箱根か伊豆方面だったのですが、震災があったことから「被災地の観光業界支援ということも必要だろう」という話が出て、行き先を東北地方に変更しました。

すると私たちが旅行を申し込んだ直後に、東京都から「被災地応援ツアー:助成金事業」を行なうと発表がありました。この事業は東日本大震災で被災した、岩手、宮城、福島の3県に宿泊する「被災地応援」を明記したツアーを対象としており、1泊につき1人3000円が旅行代金から割引されるものです。期間は2011年9月17日から2012年2月29日まで。ただし、ツアー全社合計で50000泊限定で、利用者は都内在住、在勤、在学の人に限られています。

宿泊したホテルは約250室と松島で最大級の規模にも関らず、私達と同様に考える人が多いためか当日は満室状態でした。また、駐車上には機動隊が乗るような警察のバスが数台あり、ホテル内には神奈川県警や熊本県警の制服を着た警察官がたくさんいました。

この警察官たちは松島に宿泊して、毎日石巻市など被災地の交通整理や治安維持に携わっているのだとホテル従業員から聞き、改めて全国からの支援の必要性を実感しました。

また、食事の時に仲居さんから聞いた話ですが、松島湾には大小合わせて260あまりの島があるため、その島が防波堤の役割を果たし、周辺の塩釜市や石巻市のような大きな被害は受けなかったそうです。

Photo 翌日、松島湾の観光船に乗ってみると仲居さんの話が良く分かりました。出航した時、湾内は波もなく穏やかな海でしたが、湾の外側を通過した時には大型船が大きく傾くほど波が高い状態だったからです。

しかし、そんな松島湾でもカキの養殖は大きな被害を受けたようです。

おみやげ屋の店先で焼いている松島名物の「殻付きカキ」は地元産ではなく『瀬戸内産』と表記されており、売り子の声がけも心なしか小さく感じました。

カキの出荷量では広島県に次いで全国第2位だった宮城県です。名物であり、自慢のカキ
を売ることができないおみやげ屋さんの気持ち(商人の心)を考えると、とても胸が痛くなりました。

2011-10-23

生協の宅配ドライバーに学ぶ「フレンドリー」

Img 10月24日(月)発売の『月刊コンビニ』(商業界)の特集は「基本原則の徹底で売上げアップ!」
この特集はコンビニの基本原則である「品揃え」「鮮度管理」「クレンリネス」「フレンドリー」の自店レベルをもう一度見直し、狭商圏化する競合環境の中で勝ち残ろうということがテーマで、それぞれの原則にチェックリストを掲載しています。

このうち、私が執筆を担当したのは「フレンドリー」。
そのチェックリスト:30項目の作成にあたっては、表面的な感じの良い接客だけではなく「いかにお客様に対して細かい気遣いができているか」という点をポイントに作成しました。

この中に、「『先日の新商品はいかがでしたか?』とおすすめしたお客さまに声をかけている」という項目を入れました。入れた理由は執筆直前に宅配生協で残念な思いをしたからです。


その日、たまたま自宅にいた私が商品を受け取りに出たところ、ドライバーの女性が冷凍枝豆を感謝セール品としておすすめしてきました。私は「ドライバーまでが声かけをしてがんばるようになったんだ」と感心し、応援のつもりで翌週の注文に冷凍枝豆を入れてくれるよう妻に依頼しました。

しかし、翌週、配達にきたドライバーは同じ人物であるにも関らず、商品を届けると何も言わずに帰ろうとするのです。私が「先週頼まれた冷凍枝豆とったよ」と言うと、「取ってくれたんですか、ありがとうございます」と驚いていました。このようなやりとりから、私は生協の営業姿勢に大きな疑問を持ちました。

9月26日(月)の日経MJには「『高収益』宅配 牙城を守れ」というタイトルで、生協の集中販促の取り組み様子が掲載されていました。その取り組みは私が経験したものと同じで、ドライバーの女性が「今週のおすすめはこちらのハンバーグ。おいしいですよ」と配達先で声かけをしているものです。


生協の店舗事業は赤字続きですが、それをなんとか支えてきたのが宅配事業です。しかし、その宅配事業もここ数年、大手スーパーが始めたネットスーパーに市場を侵食され供給高は微減を続けています。そこに危機感を持った結果がドライバーのおすすめ販売につながっているようです。

しかし、おすすめするばかりで、その後の注文有無のチェックやドライバーの応対指導をしていない点が、苦戦している最大の要因なのではないでしょうか。

「先日おすすめされていただいた商品、ご注文いただきありがとうございます」
 と商品のお届け時に声をかけ、また次の週に

「先週、お取りいただいた枝豆、味や分量はいかがでしたか?」
 という会話ができれば、改めてお客様との会話機会が生まれると同時に、お客様から商品に対する細かい要望やニーズを情報として得ることができるのに残念だなと思います。

2011-10-16

あなたの店の「におい」、暴力になっていませんか?

Photo 自宅から最寄りの図書館に向かう小道で金木犀のとてもいい香りに出会いました。ふと、その香りが流れてくる方向を見上げると、白い壁の上に黄金色の金木犀とたくさんのイチジクが実っていました。

日常生活の中でこのような風景と香りに出会うと、気持ちが豊かになりリラックスできるような気がします。

しかし、いくらいい香りでも強すぎてはいけません。
10月15日(土)の「日経プラス1」(日本経済新聞)の流行語を紹介する『コトバの鏡』というコーナーに、“コスメティックバイオレンス”という言葉が次のような記述で取り上げられていました(一部抜粋)。

とくに、若い男子と、柔軟剤系のにおいが増えたのが、最近の傾向だと思う。同時にこんな言葉も聞くようになった。「コスメティックバイオレンス(CV)」だ。言わずもがな「ドメスティックバイオレンス」にひっかけた言葉で、香水などのいいにおいが強すぎて、もはやにおいの暴力となっている人のことを言う。節電下の猛暑で、みんなが汗のにおいに敏感になったからだろうか。発生源の本人は、鼻がまひして、さらに香水を大量噴霧。エレベーターなどで気分が悪くなる人が続出、なんていう話も今年はよく聞く気がする。

これは、化粧品だけの話ではありません。食品スーパーやコンビニでも同様の体験をすることがあります。

ある食品スーパーでは道路に面した入り口を入った瞬間、店内の生臭い空気に圧倒され、刺身を食べようと思っていた気持ちが一気に萎えてしまう、という経験をしたことがあります。また、この季節になると、おでんや中華まん什器から発せられる悪臭が店内に充満し、買い物をしていて気持ちが悪くなるコンビニもあります。

おでんや中華まん什器から悪臭が発生するのは什器がきちんと清掃されていなかったり、具材の鮮度管理が不適切だったり、温度管理が不十分なことが原因です。また、食品スーパーの悪臭の場合も同様に食材の管理不足か、空調の問題であると思います。

いずれにしても、店で働いている人は長時間店内にいるため、においにまひして気づかないのでしょう。しかし、お客様は敏感です。常に気持ち良く買い物をしてもらえる環境を作るために、ぜひ『店内のにおい』もチェックすることをお薦めします。

2011-10-09

新大阪駅の「気づかい」に学ぶ:小売業の接客

Photo 今週は大阪で大手薬品メーカー主催のコーチングセミナーがあったため、前日から現地入りをして大阪城が目の前に見えるホテルに泊まっていました。しかし、セミナーの開催時間は午後からだったので、ゆったりとした朝食タイムを過ごすことができました。
その後、腹ごなしを兼ねて大阪城周辺へ散歩に出かけたのですが、まだ午前9時を少し過ぎたばかりだというのに観光客がたくさんいたことには驚きました。しかも、聞こえてくるのは日本語ではありません。ほとんど、約9割以上が中国語(?)です。

Photo_2 そういえば、数日前のテレビニュースで「10月1日は
中国の建国記念日にあたる国慶節で、その後の1週間は日本でいえばゴールデンウィーク期間。特に今年は関西への観光客が増えており、大阪市は市全体で観光客の迎え入れ体制に力を入れている」と言っていました。

確かに、新大阪駅で駅員にホテル最寄り駅までの路線を尋ねた時も大変感じが良かったです。それに、写真のような「JR線案内図(裏面は英語表記)」が印刷された小さな用紙に○印をつけながら説明をしてくれたので、その後も迷わずスムーズに乗り換えることができました。

Photo_4 このような相手のことをよく考えた「気づかい」があると嬉しいですね。また、そのような気づかいを受けるとその土地に対する第一印象がとても良くなるので、観光地にとっては効果的な対応策だと思います。

では、コンビニやスーパーなどの小売業ではどうなのでしょうか?
駅などよりも接客が重要視される仕事でありながら、細かい「気づかい」に取り組んでいる店はまだまだ少ないのが現状なのではないでしょうか。

2011-10-02

クローズアップ現代で注目される「コーチング」の活用

9月27日(火)夜7時30分から放映された『クローズアップ現代(NHK)』のタイトルは「“コーチ”をつける社長たち」。タイトルからエグゼクティブ・コーチングの紹介を中心にした番組かなと思いましたが、それは前半部分だけで、後半は組織風土の改革にコーチングを活用しているキリンビールの事例が紹介されていました。

クローズアップ現代がコーチングを取り上げたのは久しぶりです。前回の放映は2003年8月20日(水)で、この時のタイトルは「あなたの“やる気”引き出します~広がるコーチング~」でした。

この時期は多くの企業が成果主義を取り入れ、コーチングが目標達成や問題解決に有効であると紹介されていました。また、その事例として日産自動車の管理職者約2800人が研修を受け、コーチングの活用を職場で取り組んでいる様子なども放映されていました。


しかし、今回のキリンビールが取り組んだコーチング活用の目的には時代の変化を感じます。

キリンビールが毎年100名もの社員にコーチングを学ばせ、社内コーチを育成している目的は「変化への対応力をアップさせたい」「全社をチームワークある柔軟な組織に変えたい」という、『組織風土改革』にあります。その部署を超えたコーチングの活用が部署間の連携を強めると同時に、新しい視点を持つ機会を作ったり、従業員1人ひとりの仕事に対する考える力を育てたり、という『深く考える企業文化』の形成に役立っているということが良く分かりました。

番組の最後にゲストの多摩大学院教授:田坂広志さんが、
「これからは知識社会になる。社員1人ひとりが日々の仕事の中でいろいろな知恵を出したり、工夫をしたり、創造力を羽ばたかせたりしながら業務に取り組んで行くという会社(社員)のあり方が必要だ。顧客満足と言っても価格やサービスだけではない。もっと他にもあるはずだ(要約)」ということを話していました。

まさに、その通りだと思います。
お客さまのニーズは多様化し、とても早いスピードで変化しています。また、働く人たちの価値観も多様化し、金銭的な報酬や地位などでは対応しきれなくなっています。
だからこそ、店舗で働く1人ひとりが深く考え、知恵を出し、工夫をして、お互いを認め合いながら仕事をしていく企業文化を創ることが、いま求められているのだと思います。

■紹介した「クローズアップ現代」はNHKオンデマンドで見ることができます

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