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2011-11-27

あなたの店、挨拶が「目的化」していませんか?

自宅近くの駅前にあるドラッグストアの接客には特徴があります。
それは従業員が商品補充をしながら「いらっしゃいませ~、どうぞご利用くださ~い」 、ポイントアップの時には「いらっしゃいませ~、ポイント5倍で~す、どうぞご利用くださ~い」と独特の抑揚で繰り返していることです。

声を出している従業員は全くお客様を見ていません。
近くにお客様が居るか居ないかなど関係なく、スーパーの食品売り場にあるエンドレステープを使ったレコーダーのように「いらっしゃいませ~、どうぞご利用くださ~い」を繰り返しています。

買い物をしながらその声を聞いていると、だんだん不愉快になり早くこの店を出たいと思うのですから「何のための挨拶なのか」と考えてしまいます。

日経MJ:月曜日版(11/21)の『実践実戦CS向上指南』に、「挨拶再考」というテーマで次のようなことが書かれていました。

最近はずいぶん静かになった気がするが、一時期のブックオフの店内の「いらっしゃいませ、こんにちは」の大合唱はひどかった。(中略)ブックオフのあの挨拶が「ひどい騒音」で「正しくない挨拶」だったのは、顧客を無視していたからだ。従業員が発していた言葉が、一人一人の顧客に対して向けられていなかったからである。中には顧客に背を向けたまま唱和している従業員もいた。おそらくは何十秒かおきに言わなくてはならないルールになっていて、そのルールに従っていただけなのだろう。それが筆者や多くの消費者が感じていた不快の原因である。

私が経験しているドラッグストアの接客もブックオフと同じです。
しかし、このような接客をしているコンビニやスーパー、ドラッグストアなどはいくらでもあるのではないでしょうか。

では、その原因はどこにあるか。
それは、挨拶が「目的化」しているからです。

一時期、コンビニでもブックオフと同様のことがありました。
それは本部からの指導で朝の10時までは「いらっしゃいませ、おはようございます」、10時から18時までは「いらっしゃいませ、こんにちは」、それ以降は「いらっしゃいませ、こんばんは」と挨拶をしようというものです。

ところが、チェーンによっては春先に出した上記の挨拶ルールが夏になっても変更されず、まだ明るい夕方(18時すぎ)なのに「いらっしゃいませ、こんばんは」と言っている店もありました。私が「まだ、『こんばんは』には早いのじゃない?」というと、従業員から「18時を過ぎたら『こんばんは』に変えなさいと言われているんです」という返事がありました。

しかし、これでは「仏彫って魂入れず」です。

東日本大震災後、買い物をされるお客様は単なる感じの良い挨拶だけではなく、「売り手」「買い手」という立場を超えた“新たな関係(つながり)”まで小売業の現場に求めています。

つまり、これからは単なる挨拶だけではなく従業員がお客様に対して積極的に声をかけ、会話の機会(つながり)を作ることが必要な時代になるということです。

小売業の店長にはこのような変化を十分理解し、「挨拶を目的化しない」店作りをしていただきたいと思います。

2011-11-20

いまスーパーに求められる「女性従業員の活用」

先日、ある食品スーパーの畜産チーフ44名を対象としたコーチング研修をしたところ、参加者の中に女性が1名だけいました。食品スーパーの水産部門や畜産部門のチーフを対象とした研修の場合、参加者は男性であることがほとんどのため「女性チーフとは珍しいな」と思いながら研修を進めました。しかし、研修が終わる頃にはその理由が分かりました。 

というのも、グループワーク時の意見交換や発表、ビデオ教材の解釈に対するコメントなどからこの女性チーフの理解力や判断力、コミュニケーション能力の高さがよく分かったからです。

研修担当者に確認したところ、この女性チーフはパートナーさんで正社員ではありませんでした。しかし、能力・意欲共に高い方なのでチーフをお願いしているという話でした。

この食品スーパーは役員以下、パートナーチーフ・リーダーにいたるまで500人以上にコーチング研修を受講させ、女性の活用に積極的に取り組んでいる教育熱心な企業です。

2011年11月16日(水)の日本経済新聞には『地域限定職の女性社員:キャリア形成へ本社赴任』というタイトルで、次のような記事が掲載されていました(冒頭要約部)。

地域限定職として採用されながら、キャリア形成のために本社への単身赴任を願い出る女性が金融保険業界を中心に出てきた。地域限定で仕事を続けるうちに現状維持では満足できなくなり、より高い目標に挑戦する。企業側も女性のやる気を引き出し、職場の活性化につなげたいと期待を寄せる。

また、この記事には日本生産性本部の「第2回コア人材としての女性社員育成に関する調査」(上場・非上場企業3千社対象、有効回答224社)データも掲載されていました。

その内容を見ると、「教育・研修参加機会の拡大」に取り組んで効果を上げている企業は42.9%、「未着手だが効果がありそう」と考えている企業を合わせると80%弱と紹介されています。このデータを見ると、女性管理職者の育成に取り組んでいる企業はまだまだ少ないのが現状のようです。

食品スーパーの場合、管理職者研修の参加者は90%以上が男性(レジチェッカーチーフ研修の場合は除く)で、上記の調査以上に教育・研修への参加機会が女性には与えられていません。しかし、研修参加者の学ぶ姿勢と意欲をみると、女性の方が格段に高い場合がほとんどです。

もしかしたら、女性参加者の絶対数が少ないため、そのように見えるのかも知れませんが、新聞記事で紹介されているように女性の仕事に対する意識は大きく変化しているのも事実です。

冒頭で紹介したような女性管理職者育成に力を入れているスーパーはまだまだ少ないのが現状ですが、1店あたりの社員数がひと昔前に比べ格段に減っている現在だからこそ、現場の女性従業員の育成と活用に力を入れる必要があるのだと思います。

2011-11-13

コンビニの独壇場ではなくなった今年の「おでん」

昨日は土曜日には珍しく、食品スーパーのマネージャーを対象としたコーチング研修がありました。
研修は午後からの開催だったため、早めに会場のある最寄り駅に行ってランチを食べるお店を探していたところ、「おせち、いかがですか~!」と大きな声が聞こえてきました。

声のする方に目を向けるとイトーヨーカドーがあり、その店頭入り口壁面には正月の「しめ飾り」がたくさん陳列されていました。その横で、おせちのパンフレットを持った女性従業員が声をかけていました。いまの時期、おせちの予約獲得はわかりますが、いくらなんでも「しめ飾り」は早すぎませんか。

Iy そんなことを思いつつ食品売り場に行ったところ、「ここはコンビニ?」と錯覚するようなおでんコーナーがありました。おでんの鍋も具材もセブンイレブンで見かけるものと全く同じです。そういえば汁をすくう「おたま」「トング」「からし」も、メニューボードもセブンイレブンと同じです。おでんのカップはセブンイレブンの文字こそ印刷されていない無地ですが、やはりセブンイレブンと同じものです。

ただ、よく見るとセブンイレブンと違うことがありました。
それは価格です。
なんと!「75円均一」
(餅入り巾着、ロールキャベツ、ジューシーあらびきウインナーだけはセブンイレブンと同じ120円)

セブンイレブンで、75円で販売されているのは大根・こんにゃく・白滝ぐらいです。玉子は90円、厚揚げは95円、ちくわ・つみれ・はんぺん・ウインナー巻きは105円。それなのに、イトーヨーカドーでは75円で売っている。

同じ企業グループでも業態が異なるのだから、価格設定が異なっても当然ということなのでしょう。

「でも、近隣のセブンイレブンの店長やオーナーはどのように感じているのかな」と思わず考えてしまいました。しかし、イトーヨーカドーやヨークベニマルなどの仕入れルートや管理ノウハウのおかげで、セブンイレブンは野菜を扱えるようになり、お客様の支持を得ているのだからお互い様ということでしょうか。

9月4日のブログ【今年のおでんは『和風惣菜』として売ろう!】では、「食品スーパーが惣菜や弁当に力を入れているが、おでんには手を出していないので差別化が可能だ」と書きました。しかし、そうも言っていられない時代になっているようです。

2011-11-06

「ぽん酢ジュレ」でクロスマーチャンダイジング!

時々、新聞や雑誌で見かけた簡単な酒の肴を自分で作ることがあります。先日も作るというほどではないのですが、スライスしたボイルダコに『のっけてジュレ柚子こしょうぽん酢』(写真)をのせて食べたところ、華やかなおつまみになると同時にビールとの相性がとても良く大変気に入りました。

Photo 私が食べたのはハウス食品の『のっけてジュレぽん酢』ですが、スーパーの調味料売場を見ると『昆布ぽん酢ジュレ』(ヤマサ醤油)や『ぽんジュレ香りゆず』(ミツカン)など種類が増えてきています。いずれも、料理にかけてさっぱりと味わえる点とおしゃれな仕上がりを楽しめる点が売り物のようです。

日本経済新聞(2011.10.27)の『新製品バトル』というコーナーには、「ぽん酢ジュレ」に関する次のような調査データがありました。

ぽん酢ジュレを「食べたことがある」人は10%、「内容を知っている」人は52%だった。食べた人がかけてみておいしかった料理は、1位が「サラダ」(30%)、2位が「とんかつなど揚げ物やフライ」(28%)。3位は「肉料理」と「蒸し料理」でともに15%、特に女性で蒸し料理が24%と高い。
今後は「かなり使いたい」(9%)と「まあ使いたい」(31%)とを合わせ、使いたい人が4割いた。買う場合の重視点は、1位が「味・おいしさ」(84%)、2位が「特売価格かどうか」(35%)、3位が「多用途の料理に使えるか」(25%)だ。

ぽん酢ジュレの魅力はなんと言っても「のせることができる」「料理が華やかになる」ことではないでしょうか。
これからクリスマスや忘年会、お正月など何かと人の集まる機会が多い季節です。自宅で行なうパーティーが最も増える時期なので、ぽん酢ジュレをのせて料理を華やかに演出する用途を上手にアピールすれば、販売数を大きく伸ばすことができそうです。

また、新感覚の調味料であるぽん酢ジュレを主役にすれば、農産品・畜産品・水産品・加工食品とさまざまな売場とのクロスマーチャンダイジングが可能となるので、今年の年末年始は「ぽん酢ジュレ」を発想のきっかけとして、さまざまなメニュー提案をする売場が増えてきそうです。

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