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2011-12-25

激しさを増す「コンビニ」「スーパー」「ドラッグ」の競合関係

Photo 平日の昼時、所用で東銀座(東京・中央)に出かけたところ、入り口がサラリーマンやOLでにぎわっているドラッグストアを見かけました。昼時のオフィス街、コンビニがにぎわっているのは珍しいことではありませんが、ドラッグストアでは珍しいことです。

店に近づいてみると、店頭入り口右側には産直野菜が陳列(写真)されていて、近隣の年配男性が品定めをしていました。また、その先を右側に回り込むと『屋台DELI まごころ弁当』というコーナーがあり、女性従業員が1人声がけ販売をしていました。

Photo_2コーナーは3尺棚5段+チルドケース2尺4段のスペースで、おにぎり・弁当・寿司・サンドイッチ類を扱っていました。さらに、店の奥に進むとパン・ペストリーコーナー、その先にはドリンク類や豆腐・納豆・漬物などの日配品が陳列されたチルドケースがあり、まるでミニスーパーのような売り場作りです。

4台あるレジはいずれも昼食を買い求める近隣のサラリーマンやOL、日配品を買う近隣の主婦、さらには本来のドラッグストアの商品を買う客でフル稼働していました。

この店は首都圏を中心に店舗展開している『ぱぱす』というドラッグストアチェーンの築地店です。このチェーンではオフィス街に立地する店舗も多いため、上記のような店作りを積極的に進めているようです。
2011年11月13日の日経MJには、次のように紹介されていました。

首都圏を中心にドラッグストアを展開するぱぱす(東京・墨田)は6月、弁当など食品の販売に本腰を入れ始めた。「医薬品や化粧品を買うのは月1、2回。食品を強化すれば日常的に来店してもらえる」(根津孝一社長)からだ。廃棄率を2%以下に抑えるため週単位でメニューを替え飽きさせないよう工夫する。
効果はてきめんで、月間の購入客数は2割増の8万2千人に、売上高は8千万円から9300万円に増えた。増収分のうち300万円は食品以外で稼いでおり、食品強化の前後で利益率は変わっていないという。根津社長は「都市部の買い物難民の需要を取り込んだ」と分析する。


2011年はコンビニが野菜や日配品の取り扱いを充実させたことで、食品スーパーとの間に新たな競合関係が生まれました。2012年はドラッグストアの野菜や日配品、弁当類などの取り扱いがさらに進み、「コンビニ」「食品スーパー」「ドラッグストア」という三つ巴の競合関係がますます激しさを増す年になりそうです。

2011-12-18

使う言葉で分かる「お客様に対する企業の姿勢」

今年は政治家が失言問題でその役職を去るという事件が目立った年ですが、どうしてそのような失言をしてしまうのでしょうか。さまざまな理由が考えられるとは思いますが、私は発言者の「潜在意識」のどこかに、そのような思いや考えが常にあるからだと思います。また日頃、仲間内ではそのような言葉を使っているのかも知れません。

しかし、このような問題は小売業やサービス業の中にもあるのではないでしょうか。
以前、ある小売業チェーンでポイントカード活用のためのマーケティング研修をした時のことです。
この企業ではポイントカードの活用目的を『顧客の囲い込み』としていました。そのため、研修参加者は「いかにお客を他の店に取られないように囲い込むか」という発想でしか考えることができず、その考えを改めるように話したことがあります。

その後も、新聞や雑誌の中に『顧客の囲い込み』という言葉を見つけると、「違うだろう、お客様と家畜を一緒にするな」と心の中で思っていました。
するとつい最近、その私の想いをはっきりと書いてくれた人がいました。それは、日経MJの「実践実戦CS向上指南」というコラムを連載している日本ホームセンター研究所所長の高橋直樹氏です。

「囲い込み」という言葉で筆者が想像するのは、放牧している牛や馬が逃げないように、牧場を柵や塀で「囲い込んで」いる光景だ。それが一般消費者が感じ取るこの言葉の語感だと思う。だから顧客に面と向かって「このカードはお客様を囲い込むために」とは言えないし、面と向かって使えない言葉はどこであろうと使うべきではない。
「顧客管理」という言葉にも同様のニュアンスを感じる。企業が消費者を管理することはできないし、管理すべきでもない。この言葉は「顧客情報の活用」とか「顧客の傾向分析」などと言い換えるべきだと思う。
2011.12.5掲載文より抜粋)

このように、社員が普段何気なく使っている言葉には、お客様を下に見ている意識が感じられものがあります。また、そのような気持ちがなくても、そのような言葉を繰り返し使っているうちにお客様視点を忘れてしまうことも考えられます。

マーケティングで大変優れていると言われている『伊勢丹』では、売場のことを「お買場」と言います。伊勢丹のホームページにある伊勢丹辞典を見ると次にような意味が書かれています。
伊勢丹では、「売り場」をお客さまにご満足いただき、楽しくお買物をしていただく場と考えております。そのため、お客さまがお買物をしてくださる場所というお客さま主体の発想に立って、「売り場」を「お買場」と呼んでいます。

あくまでも、私たち(従業員)が売る場ではなく、「お客様に買っていただく場」なのです。このような想いが商品の選定に、売場に、接客に表れているから、伊勢丹はお客様に支持されるのだと思います。

日本では古くから、言葉には「言霊」が宿ると信じられてきました。「言霊」には、発した言葉どおりの結果を現す力があるとされています。

そのような言葉、仕事の場面でも大切に使いたいものです。

2011-12-11

拡大する惣菜市場を取り合う? 「コンビニ」と「専門店」

日経流通新聞(日経MJ)が大相撲の番付表にならい、消費動向や世相を踏まえて売れ行き、産業構造・生活者心理などに与えた影響を総合的に判断して作成した『2011年ヒット商品番付』が12月7日の日経MJに掲載されていました。

東の横綱は『アップル』、西は『節電商品』
東の大関は『アンドロイド端末』、西は『なでしこジャパン』
東の関脇は『フェイスブック』、西は『有楽町(ルミネ、阪急メンズ・トーキョー)」
東の小結は『ミライース&デミオ13-S』、西は『九州新幹線&JR博多シティ』


東の上位はいずれも情報端末関連がならび、急速な情報化社会への進展ぶりがうかがえます。また、震災にともなう電力不足から扇風機や機能性衣料など、幅広い分野に特需をもたらした節電商品にも納得です。

このほか、前頭として東西13のヒット商品が紹介されています。
その西前頭5番目に『コンビニ惣菜』が入っており、「PBレトルトパックや揚げ物類などが時短調理ニーズをとらえる。コンビニ売上高は10ヵ月連続増収」という寸評で紹介されていました。

震災後の品不足の中、普段はコンビニを利用していなかった主婦やお年寄りがコンビニにも揚げ物や惣菜、さらには野菜などが揃っていることを知り、近隣で買い物ができる便利さから利用機会を増やしています。また、その需要増に対応するため、コンビニ各社も日配品や野菜、PBの惣菜パック、揚げ物などの品揃えを強化しています。

Photo ただ、このような需要増に注目しているのはコンビニだけではありません。
写真は12月3日にオープンした『若菜:高田馬場2丁目店』(東京)です。このように、いままではスーパーや地下街などにテナント出店していた惣菜&弁当専門店が、今年に入り路面店を出してくるケースが目立っています。

以前、ある大手の持ち帰り惣菜専門店チェーンの店舗開発担当者から、
「出店に際して立地調査はしていません。わざわざそのようなコストをかけるよりも、売れているコンビニの並びか、向かいに物件を探して出店する方が確実ですからね」
という話を聞いたことがあります。

確かにそれは効率的だと思います。
写真のケースもそのような出店政策に基づいたものなのでしょうか。

ただ、この『若菜』の出店により隣のファミリーマートの弁当と惣菜の売上がいくらぐらいダウンするのか、とても気になりました。

2011-12-04

食卓を表情豊かに変える「KAISEKIプレート」

仕事で地方に行った時、その地方ならではの駅弁を食べることは楽しみのひとつです。しかし、先月宮城県へ出張した帰りには、仙台駅ビルの地下食品売り場にあった『RF1』で「SOZAIセット(2人前)」を買い求め、車内でビールを飲みながら食べました。

Photo_3 というのも、RF1では11月17日(木)~20日(日)の4日間限定で「9つの美味しさでボジョレーを楽しむ」というテーマで、各ブランドごと4種類の惣菜セットに9つのマス目の『KAISEKIプレート』を付けるキャンペーンを行なっていて、妻が期間中にどうしても4枚揃えたいというからです。

しかし、期間終了まであと2日、買える回数を考えると4枚揃えるためには1回足りません。そこで、私が駅弁代わりに食べることになったのです。2人分はたいそうなボリュームで、隣の座席の人は異様な目で惣菜セットを見ていましたが、ビールのつまみとして主食なしで食べるにはちょうど良い分量でした。

キャンペーン最終日、妻はデパ地下で「SOZAIセット」を買い求め、ついにプレートを4枚入手、その夜は9種類の料理を楽しそうに盛り付けていました。
惣菜セット+200円で日本を代表する食器メーカー:鳴海陶器㈱のステキなプレートが手に入るのですから、これは消費者にとって大変魅力的なキャンペーンです。また、このプレートを使うたびにRF1を思い出すと同時に、RF1の商品を並べたくなるのですから、“ブランドを想起させる”マーケティング戦略としも秀逸だと思います。

このキャンペーンは大変好評だったようで、11月30日(水)~12月6日(水)にも「ロックフィールドブランド合同キャンペーン」として、2000円お買い上げごとに1枚プレゼント(数量限定)という内容で再度実施されています。


女性の多くは「いろいろな料理を少しずつ食べたい」という二ーズを持っています。季節の色鮮やかなさまざま食材を楽しめる懐石料理から「KAISEKI」と名付けられたプレートは、そのニーズを上手に掘り起こしています。また、食べる前にも「どのような料理を盛りつけようか」と、一緒に食事をする人のことや飲み物との組み合わせなどを考える楽しみも提供しています。
今年の年末年始は家族や友人とのつながりを求める傾向が強くなり、自宅で食事をする機会も増えることでしょう。そのような時に、食卓を表情豊かに変身させることのできる『KAISEKIプレート』のような食器は大変魅力的な存在だと思います。

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