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2012-01-29

雪かきでわかる、お客様に対する店や会社の経営姿勢

月曜日の夜、羽田空港に向かう飛行機は強い乱気流のため激しく揺れていました。しばらくして乱気流はおさまりましたが、着陸態勢に入った機窓から外を見るとぼた雪が真横に流れていました。

幸い利用した交通機関は遅延も無く動いていましたが、地下鉄出口から自宅に向かう歩道は既に5~10センチ程度の雪が積もっていました。そのため、キャリーバッグの車輪には雪が付着し、とてもひける状態ではありませんでした。

重いバッグを持ち上げて歩きながら「これは積もるな、明日の朝の雪かきは大変だな」と自分が店長として雪かきをしていた頃を思い出しながら帰宅しました。

翌朝、地下鉄の最寄駅まで行く途中、商店や会社などから多くの人が出て雪かきをしていました。しかし、その雪かきの状態はさまざまでした。

Photo_7 まず、目についたのが老舗の和菓子屋の前です。
雪は全くなく歩道がすっかり見えている状態で“安心して”歩くことができます。近所のメガネ屋のご主人に聞いたところ、おかみさんが昨夜から雪かきをしていたそうです。さらに、おかみさんは隣のコンビニ従業員と一緒に交差点全体も雪かき中でした。


Photo_5 次に、地下鉄入り口の前です。
店頭と店前を人がなんとか通れる程度に雪かきがされています。しかし、比較的通行者の多い道なので対向者とすれ違う時は安心して歩くことができません。



Photo_6 そして、驚いたのが専門学校の前です。
自分の学校の敷地内はきれいに雪かきをしていますが、歩道は全くしていません。そのため、専門学校の前を通る人たちはここだけ慎重に滑らないようにゆっくりと歩いていました。ここを通った人たちは、専門学校の雪かきの姿勢に対してどのようなことを思うのでしょうか。

翌日の新聞には、雪の影響で24日午後5時までに病院に搬送された負傷者は、少なくとも東京都で209人、神奈川県117人、埼玉県197人、千葉県175人と書かれていました。

この歩道は学校の生徒も通ります。それでなくても、この専門学校の生徒は日頃からかかとの高い靴を履いて不安定な歩き方をしています。また、雪の日でも平気でその靴を履いてきます。学校の敷地内でケガをしなければそれで良いということでしょうか。

「雪かきひとつで、お客様や地域社会、さらには従業員や生徒に対する店や会社の経営姿勢がよく分かる」
ということを改めて感じた都心部の大雪でした。

2012-01-22

拡大するシニア層の消費をいかに取り込むか

私が通っているスポーツジムでは午前10時前になると、受付カウンターに60歳代~80歳代までのシニア層の長い行列ができます。この行列にならんでいるのは会員区分が「デイ会員(午前10時から利用可)」の人たちで、受付開始の時間を待っているのです。

この人たちの多くは、「エアロビクス」「ラテン」「フラダンス」「ボクササイズ」などのプログラムに積極的に参加していて、そのクラスで知り合った友達も多いようです。また、ランニングマシンで歩いたり、筋力トレーニングをしたり、プールで泳いだり、プールサイドまで杖を突きながら歩いてきて水中ウォーキングに励んだりと、ひとりで黙々と運動をしている人もいます。

このようにして、多くのシニアが午前中いっぱいを過ごします。しかし、中にはお昼に一旦家に帰り、また午後出直してきて夕方までさらに運動をして、サウナと風呂に入って帰る人もいます。

このようなシニア層同士の話をサウナの中で聞くことがたびたびあります。すると、行くところがないからスポーツジムで1日を過ごしているかと思うと、そうではない人が多いことに驚かされます。多くの人がゴルフを続けるためとか、旅行に行ってさまざまなところを見て歩くためなど、人生をより楽しむためにスポーツジムに通っていることが分かります。

1月21日(土)の日本経済新聞夕刊に『シニア消費10兆円』というタイトルで、次のような記事が掲載されていました。

第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストの推計では、11年度の60歳以上の消費支出額は約101兆円2000億円となり、前年度で2.4%増えた。人口高齢化もあって個人消費に占める割合は年々高まっており、11年は消費全体の44%にのぼった。
総務省の家計調査によると、高齢者世帯(世帯主が65歳以上)の1ヵ月の消費支出は直近ピークの07年から5%ほど減った。世帯あたりでは減少だが、シニア人口の増加で全体の支出額が膨らんでいる。厳しい雇用環境を背景に現役世代(世帯主が40歳代)の支出が7%減となったのに比べて堅調ともいえる。熊野氏は「将来不安を抱える現役世代とは違って、シニア世代の消費意欲は衰えていない」と話す。

今年から戦後生まれの「団塊の世代」が65歳を迎え、本格的に大量の退職者が増えてきます。確かに食品スーパーやコンビニの売場でも、つい最近退職したのだろうと思われるシニア層の姿を見かけることが増えています。

特に都市部の店舗では比較的裕福なシニア層の来店が期待できるので、食品を中心に品揃えの見直しが迫られそうです。

2012-01-15

若者が重要視する「価値観」が新たなニーズを生む

企業で管理職者を対象としたコーチング研修を行なうと、必ず出てくるのが「若い社員達とは世代間のギャップが強く、うまくコミュニケーションが取れない」という悩みです。

Photo そのような時『世代間のギャップ』を理解するには、「高校生ぐらいから就職して間もない頃の社会環境に注目することがポイントだ」と私は話しています。なぜなら、私たちの働くことそのものや仕事・お金に対する価値観の形成は、その時の社会環境に大きく影響を受けるからです(図表出典:スタッフの“やる気”を引き出す法則、商業界)。

「団塊の世代」は戦後のモノ不足時代に生まれましたが、仕事に対する価値観が形成される時期が高度成長期にあたるため、努力すれば努力しただけ経済的・物質的・地位的にも得るものが多く、将来に明るい希望を持つことができました。

「新人類世代」は高校生ぐらいにオイルショックを経験するものの、就職直後はバブル経済がピークに向かうエネルギーあふれる消費社会を経験しています。
しかし、「団塊ジュニア」以降の世代はバブル崩壊後の右肩下がり経済の中で価値観が形成されているため、未来への成長や希望を持つことが思うようにできないのです。

このように研修では説明していますが、「団塊ジュニア」以降の“人とのつながり”(Connected)や“コミュニティ”(Community)を重要視する「C世代」は説明していませんでした。しかし、日本経済新聞の特集『C世代駆ける』の2012年1月10日(火)版で、シンクタンク・ソフィアバンク副代表の藤沢久美氏が、「C世代」の価値観とその形成について分かりやすく解説をしていました。

若い人はその時代に足りないものに対してハングリー。今の経営者や管理職の人は若い時、お金やモノに対してハングリーだった。今の若者は共感や社会を良くしたいとの思いに対してハングリーだ。上の世代が「若者に元気がない」と感じるのは、自分たちがかつて渇望したものを今の若者が求めないからだ。
社会的な課題をビジネスで解決する社会的起業に関心を持つ若者が多いのは、今の時代に足りないものを生み出したいから。高度成長期の若者はお金やモノを生み出すため、家電や車を作る会社に入った。この人たちが豊かさを築いている間に足りなくなった部分に、今度は今の若者が光を当てていると考えれば、若者の振る舞いとして自然ではないか。


なるほど、確かにそうですね。
そのように若者を捉えることができれば、若者の新しい価値観をベースに『新たなニーズ』を生み出していくことができるかも知れません。しかし、そのためには経営陣や管理職者が若者の価値観を受け入れることが大前提となります。

2012-01-08

「辰年」は龍のように昇ろう! 日本の小売業

Photo 今年も初詣は「神田明神」(東京・千代田)に出かけました。
いつもの年は元旦に行くのですが今年は年末年始にかけて東京にいなかったため、1月7日(土)になってしまいました。

年が明けてから約1週間が経っているので「行列ができるほど混んではいないだろう」と考えて出かけたのですが、予想に反して参拝者は多く、順番を待つ人が長い列を作っていました。「今年は震災の影響で初詣者が増えるだろう」とさまざまな報道で見たり聞いたりしていましたが、まさのその通りでした。

Photo_2 私は基本的に神社で願い事はしません。
昨年のお礼を述べたあと、
「今年は小売業界の人材育成により力を入れた仕事をしていきます」
と新たな決意表明をしました。


昨年から食品スーパーやコンビニを中心に人材育成に関する問い合わせ・相談を受けることが多くなりました。食品スーパーでは大きなM&Aがいくつかあり、今後ますます業界再編が進むことになりそうです。また、コンビニ業界では大手3社の出店攻勢が激しさを増し、人材育成の必要性を改めて感じているようです。また、業績が好調に推移していることも、人材育成に投資しようとする企業が増えいる要因だと思います。

1月7日の日本経済新聞には「『女性』『東北』消費けん引」というタイトルで次のような記事が掲載されていました。

小売業の業績が好調だ。6日までに2011年3~11月期決算を発表した上場46社のうち、76%にあたる35社が経常増益を確保した。16社は12年2月期通期の最高益が見込まれ、個人消費の底堅さを映し出す。なかでも目立つのは、女性の利用拡大が続くコンビニエンスストアの好調。東北地方では震災復興に向けて生活用品を買い求める人が増え、地域スーパーの収益を支えている。6日に3~11月期決算を発表したセブン&アイ・ホールディングスは、連結経常利益が前期同期比23%増の2172億円と過去最高を記録した。けん引役はコンビニのセブン-イレブン・ジャパン。来店客は約3%、既存店売上高は約8%の伸びとなった。

リーマンショック後は多くの企業が経費削減に力を入れたため、企業研修(外部委託)への投資はどうしても後回しになりました。そのため、人事担当者が人材育成に力を入れたいと思っていても、なかなか予算が取れず実施できないケースもありました。

今年は「辰年」です。
空に龍が舞い上がるように、人と企業がともに飛躍できる職場環境を作ることを目的とした『人材育成』をしっかりと支援させていただきます。

2012-01-01

新年のご挨拶

昨年は「石川和夫の流通業界ウォッチング」をお読みいただきありがとうございました。

このブログも今年で7年目を迎えます。
途中、2週間に一度の更新となった時もありましたが、ほぼ日曜日ごとに更新を続けることができたのは、読者の皆様からの応援や励ましのおかげであると感謝しています。

昨年はGMS、食品スーパー、ドラッグストア、コンビニなどの競合関係は激しさを増し、取り扱い商品の『ボーダーレス化』が進みました。この傾向は今年も続くと同時に、競合関係の範囲も広がると予想しています。

そこで、2012年は流通業界にとどまらず、飲食業やサービス業なども含めた視点で「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」を積極的に書いていきたいと思いますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

新しい年が皆様にとって良い年でありますように

2012年 元日

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