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2012-07-29

今年の「土用の丑の日」のうなぎ蒲焼は売れましたか?

連日の猛暑の中、昨日は久しぶりに買い物に出かけました。
いつも行く「西武池袋本店」(東京・豊島区)でネクタイや文具、さらには食器などを見て、最後に夕食のおかず兼つまみを買おうと地下食品売り場に行ったところ、セブンプレミアム売場の一番目立つ平台ケースに『うなぎの蒲焼』が大量に陳列されていました。

Photo この『うなぎの蒲焼』は、高騰しているうなぎをより多くのお客様に食べてもらうことを目的に、「土用の丑の日」に合わせてセブン&アイグループが開発したプライベートブランド商品です。一般的なスーパーで販売されている70g程度の真空パックうなぎ(中国産:580円程度)と比較すると、95gで698円(中国産)という価格はかなりお徳感があります。

この商品が発売された時、販売計画の約35万パックはすぐに売切れてしまうのではないかというセブンイレブン加盟店の声もありました。というのも、セブンイレブンが約14,000店、イトーヨーカドーが173店、ヨークベニマルが177店、ヨークマートが70店という規模での販売を考えると、セブンイレブンでは1店舗あたり20個程度しか仕入れることができない計算になるからです。


しかし、先日の「土用の丑の日」にはあまり売れなかったようです。
その状況は先述の食品売場の大量陳列からも見て取ることができます。では、セブンイレブンはどうなのだろうと近隣の店を見てみると、『7月27日は土用の丑の日』というPOPが棚に付いたまま、在庫が15個もありました。おそらく、20個仕入れて販売できたのは5個だったのではないでしょうか。

4月29日の当ブログ『うなぎ高騰!食品スーパーの対応策は?』では、真空パックのうなぎが売れていることを書きましたが、今回の「土用の丑の日」にはあてはまらなかったかも知れません。

総務省の調べでは、うなぎの蒲焼き購入量は2000年が年5.1回(全国平均)だったのが、昨年は1.9回に減っているそうです。このまま、うなぎの稚魚の不漁が続き卸・小売価格が高止まりすると、お客様のうなぎ離れ傾向はますます強くなり、夏の「ハレの日」イベントがひとつ無くなりかねないと、心配するのは私だけでしょうか。

2012-07-22

新入社員にも「コミュニケーション研修」を受けさせて!

Pps_2 7月に入り、数社の新入社員コミュニケーション研修が続きました。

それも、DiSCの最もベーシックな教材である「DiSC:Classic」を使用した「自分自身と一緒に働く周りの人との行動特性の『違い』を理解すること」を目的としたコミュニケーション研修です。

4月に入社して3ヶ月半が経ち、学生時代とは異なる人間関係にさまざまな悩みを抱える時期なので新入社員の研修に対する興味と関心は大変高いものでした。

また、研修から学んだものが多かったようで、休憩中だけではなく終了後も私に質問や相談に来たり、参加者同士が行動特性の違いを見比べたりするなど意見交換が活発に行なわれていました。

その様子を見て、職場におけるコミュニケーションの重要性を改めて感じました。

また、新入社員にコミュニケーション能力を高める機会とツールを与えることができれば、彼(彼女)らの人間関係に対する「不安」や「恐れ」は減少し、それぞれが持っている本来の能力が発揮しやすい職場環境を作ることができると再確認しました。

新入社員のコミュニケーションについて考える機会となった先週ですが、7月16日(月)の日本経済新聞には「『話せる学生』企業は求む」という見出しで次のような記事が掲載されていました。

調査では、大学新卒者の採用に向けて、求める人材像の具体的な項目(3つまで回答)を聞いた。1位の「コミュニケーション能力」(59.6%)に次いで、2位は「チャレンジ精神」(54.4%)。企業は海外展開を加速させており、社内外の担当者と緊密に対話しながら市場開拓に積極果敢に挑む必要性が高まっていることが背景にあるとみられる。コミュニケーション能力とチャレンジ精神を同時に選ぶ人事トップも多かった。
これらに3位「主体性」が35.3%、4位「行動力」が33.8%で続く。「専門性」は2.2%しかなく、「幅広い知識」はゼロだった。得意分野の有無や豊富な情報量よりも、上司や同僚とコミュニケーションをとり、前向きに仕事ができるかどうかが重要視されているようだ。


私がいままで関わってきたコミュニケーション研修の多くは管理職者を対象にしたもので、いかに部下の「意欲」と「能力」を高める職場環境を作るかがテーマでした。しかし、最近では新入社員のコミュニケーション研修をするたびに、管理職者だけでは不十分ではないかと感じています。

職場におけるコミュニケーションとは、
「仕事上の目的をより効果的に達成するために、従業員同士が『言葉』『文字』『表情』『態度』などをキャッチボールしてお互いの共通認識を高めていくこと」
だと私は研修の時に話しています。

キャッチボールは双方向なのですから管理職者が学ぶだけでは不十分です。

今後は新入社員のコミュニケーション研修も企業にお薦めして、管理職者や先輩社員と新入社員の橋渡し役をしていきたいと改めて感じました。

2012-07-15

我が家の近所にもついに「マルエツプチ」が開店!

私が住んでいる街である文京区(東京)は、週刊ダイヤモンドの特集「全国805都市ランキング」(2007年8月)で全国1位に選ばれたことがあります。

選定の基準は「生命・財産」「教育」「老後・病気」「経済力」など4項目を15の指標を使って判定したもので、大学の付属病院などの医療機関や教育機関が充実していることと、大都市にありながら繁華街がなく治安が良い点などが高く評価されていました。

そのような評価を体験する機会は多く大変良い街だと思っていますが、「日常生活」という点では不便さを常に感じてきました。「日常生活」の何が不便かというと、それはなんといっても食料品の買い物です。

なぜなら、住んでいるマンションを中心にして半径1km以内には食品スーパーが1店しかありません。それも昔からある地元の食品スーパーで、売場が狭い上に段差がありベビーカーを押した主婦や足の不自由なお年寄りには利用しにくい店です。また、鮮度が良くない上に値段が高いと評判
のため、我が家をはじめマンションの住人のほとんどは生協の個別配送を利用しています。

Photo_2 しかし、そんな不便な街にもようやく食品スーパーができました。
それも、私のブログで再三取り上げてきた『マルエツ プチ』です。

さっそく、開店日に出かけてみると、近所の顔見知りの人達でにぎわっていました。
売場の狭さから品揃えには期待していなかったのですが意外に尺数が多く確保できていました。そのため日常的な買い物には十分な品揃えで、これからは買い物が便利と大変嬉しく感じました。

ただ、残念だったことがひとつありました。
それは従業員の接客です。

それも、レジや品出しをしているパートさんではなく、おそらく開店で応援に来ていると思われる社員の接客です。バックヤードから出てきて私と目が合っても「いらっしゃいませ」を言わない人がいたり、店内ですれ違いざまに言ったとしても非常に暗い挨拶で、せっかくのオープン販促期間なのに購買意欲がそがれます。

この点については、2010年10月31日の「コンビニ跡地に出店した『マルエツプチ』の実験店」でも書きましたが、これから狭小商圏でコンビニと競合していくミニスーパーの課題になるのではないかと思います。

2012-07-08

「顔の見える接客」をしているコンビニが強い!

最近、食品スーパーや惣菜メーカーの研修担当者と話をすると、コンビニエンスストア業界に対する注目度が大変高くなっていることが分かります。その関心の多くは、生鮮品を扱うようになり新たな客層を他の業態から引き寄せているところにあります。

7月7日(土)の日本経済新聞には『コンビニ快走 ミニスーパー化、客層拡大』という見出しで、次のような記事が掲載されていました。

堅調な個人消費を背景に小売り各社の業績が好調だ。2012年3~5月期決算は6日までに発表した54社(新興市場除く)合計の経常利益が前年同期比7%増えた。なかでも好調なのがコンビニエンスストア。ローソン、ファミリーマートは3~5月期としての経常最高益を更新。店づくりや品ぞろえを一変した「業態進化」の効果が収益拡大になって表れた。(中略)最大手のセブン-イレブン・ジャパンの調べによると、来店客のうち50歳以上の比率が5年前の約2割から前期には約3割に上昇。客層拡大が寄与し、3~5月期は営業最高益となった。

メディアの多くはコンビニの業績好調要因を品揃えの拡大と低価格化戦略としています。確かにコンビニでは生鮮品や日用品にもPB商品を積極的に導入すると同時に、一部のNB商品の価格も見直して「近くて便利だけど高い」というイメージを払拭させました。しかし、それだけが食品スーパーから顧客を引きつけている要因ではありません。

というのも、コンビニを個店別に見ると業績には大きな差があります。
そこで、業績の良い店をよく観察すると、それらの店には「顔の見える接客」という共通点があります。つまり、新たに来店するようになった主婦や年配の方に積極的に声をかけ、しっかりと固定客にしているのです。

先日、顧問先のコンビニにいたところ、レジ会計をしながら辺りを見回している年配の男性がいました。私が事務所にいる社員に「何か探しているのかな?」と聞いたところ、「いつも来てくれるお客様なんです」と言って売場に出て行き、男性に声をかけました。すると男性はとても嬉しそうな顔で社員と話をして帰っていきました。

お客様は買い物に来た時、この社員と話すのをとても楽しみにしているのでしょう。それをわかっていて売場に出て行き声をかける社員の態度も素晴らしいと思います。

このような「顔の見える接客」を可能にしているのが、『狭商圏』というコンビニならではの強みです。この点を十分理解して実行しているコンビニが伸びており、全ての店が伸びているのではないことを知ってほしいなと思います。

2012-07-01

コンビニだけでなく「牛丼店」も女性客を狙う?

牛丼を初めて食べたのは大学1年生の時、アパートのすぐそばを通る環状7号線沿いにあった『牛八』という独立系の店でした。それ以来、牛丼が好きになりさまざまなチェーン店の牛丼を食べていますが、いま主に利用しているのは『なか卯』です。

Photo なか卯の牛丼は味付けが和風で肉の脂身も少ないため、年齢的な嗜好の変化にマッチしているのかも知れません。そのためか、最近では年配の夫婦や女性が食べている姿をよく見かけるようになりました。また、親子丼やカツ丼、さらにはうどんなども扱っているため、昼時はそれらのメニューを持ち帰る若い女性も増えているようです。

牛丼屋というと、いままでは「男性、それも若者の店」という印象が強かったのですが、最近では私が行く『なか卯』だけではなく、他のチェーンでも積極的に女性を取り込んでいるようです。

7月1日(日)の日本経済新聞には「男消費に女性なだれ込む」というタイトルで、コンビニなどと一緒に牛丼店の取り組みが次のように紹介されていました。

牛丼大手の吉野家も女子力の重要性に気づいた。日本航空と組んで機内で限定販売した「AIR吉野家」は女性の売れ行きが良かった。牛丼を食べたくてもいまだに1人で店に入りづらい女性は多いが、機内ならその障害がなくなる。
吉野家は都内で店の利用が少ない女性を集めたイベントも開いた。名付けて「ジョシギュウ」。吉野家の歴史やメニュー、注文の仕方などを紹介し、実際に食べてもらった。カロリーを抑えた女子専用メニューを作ったり、内外装を改装したり、環境改善にも力を入れる。吉野家の女性客の利用率は15%と増えつつあるが、今後は20%まで高める方針だ。

なるほど、いままで利用の少なかった女性客を取り込んで好調な業績を出しているコンビニを見て、男性客を中心ターゲットとしていた外食業界も女性の取り込みに力を入れているようですね。特に、低価格志向の女性層には300円でお釣りがくる牛丼店はとても魅力的な存在なのかも知れません。

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