「価格」から「品質」へと舵を切るPB商品戦略の行方
いままでプライベートブランド(PB=自主企画)商品を買うことは少なかったのですが、最近では洋服や食品などのPB商品を買う機会が増えてきました。その中でも気に入っているのが、セブン&アイ・ホールディングスのPB『セブンプレミアム』のフルーツグラノーラと筑前煮です。
フルーツグラノーラは、前日に食べ過ぎた時など、カロリーを調整する目的で朝食や昼食によく食べます。刻んだバナナとグラノーラの上にヨーグルトをのせて食べると、量がそれほど多くなくてもグラノーラをしっかり噛むことになるので、満腹感が味わえます。また、何度か他のメーカーの商品も試したのですが、レーズンやパンプキンシードなどが偏って出てきて食べにくさを感じることがありました。しかし、「セブンプレミアム」のグラノーラは偏らず平均的に出てくるので、大変気に入っています。
筑前煮は、繊維質の多い野菜や鶏肉がしっかりと味付けされていて、酒のつまみにも御飯のおかずにも合いますが、私は主に温かいうどんやそばにのせて食べています。これなら湯煎するだけなので、デスクワークで忙しい時の昼食などにピッタリです。しかし、近所のセブンイレブンに行くと欠品していることが多く、買う時には何個かまとめて買っています。もしかしたら、私のような客がいるから欠品が多いのかも知れません。
英テスコの売上高に占めるPBの比率は50%を超えており、欧州の平均でも30~40%、米国でも20%を超えていますが、日本の大手スーパーのPB比率はまだ10%程度です。スーパーやコンビニではだいぶPBが増えてきたと思うのですが、これでも日本のPBの浸透度はまだまだ低いようです。しかし、今後は日本でもPB商品の開発や取り扱いが増えると同時に、購入金額も増えていくと考えられます。
というのも、いままでは「PB=中下位メーカーが作る安いもの」というイメージが強く、安ければ良いという品質にこだわらない消費者が購入するものといった捉え方がありましたが、小売側がPBに品質の高さも求めるようになり、上位メーカーがPB開発に対応するようになってきたからです。
例えば、次のように、取り扱い商品の一部を有名メーカーが作るケースが増えてきました。
ローソンの「ローソンセレクト」では、食パンを山崎製パン、牛乳を明治乳業、お茶飲料を伊藤園。
「セブンプレミアム」では、カップ麺を日清食品、ハム・ソーセージを日本ハム。
ユニーの「スタイルワン」では、スナック菓子をカルビー、食用油を日清オイリオグループ。
日本のスーパーではPB商品が誕生してから30年以上経ちますが、「安さ」という価値のみを追求してきたため市場はあまり成長しませんでした。しかし、ここに来てスーパー業界の寡占化が進み、メーカーとの交渉力が強くなったため、品質をより高めたPBが作りやすい環境になっています。
今後、日本の小売業界でPBがどのような成長ぶりを見せていくのか、またどのように品質が向上してブランド価値を作っていくのか、とても楽しみです。