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2012-09-09

セブンイレブンがついに四国出店を決定!

仕事で四国に行くと、地元企業の担当者から「セブンイレブンはどうして四国に出店しないのでしょう?」という質問を受けることがよくあります。そのたびに、「セブンイレブンはドミナント出店(高密度多店舗出店)を基本戦略としているため、まとまった出店計画が可能であると市場規模的に判断できるまで出ないのだと思います」と話していました。

しかし、今日の日本経済新聞の朝刊に『セブンイレブン、四国進出』という見出しで次のような記事が掲載されていました。


セブン-イレブン・ジャパンは2013年春、空白地だった四国に進出する。3年で250店を出店する計画で、47都道府県のうち、青森、鳥取、沖縄の3県を除きほぼ全国をカバーすることになる。こうした単独での出店に加え、四国では「サンクス」の地域運営会社がセブンイレブンへの転換を希望。大手コンビニエンスストアのシェア争奪の激しさを映し出す場になりそうだ。

Photo 写真の「コンビニチェーン別:都道府県別店舗数(7月末)」【資料出所:㈱商業界、月刊コンビニ9月号】を見ると分かるように、ローソンやファミリーマートが全国の都道府県に出店しているのに対して、セブンイレブンは出店していない県が7つあります。それも、四国4県がそっくり抜けています。

しかし、四国4県にはすでにコンビニが1241店舗あり、4県合計の人口398万人(2012年2月発表:総務省統計局)で計算すると、1店舗当たりの人口は3,207人。セブンイレブンは18年度末までに独自で520店を展開する計画なので、単純に現在の店舗数に上乗せすると1761店舗。人口が変らない前提で計算すると1店舗あたりに人口は2260人になり、個店別の経営は大変厳しい状況になると想像できます。

このような状況も想定して四国への進出を見送っていたセブンイレブンですが、「セブンプレミアム」を中心に惣菜や野菜など食品スーパーに近い品揃えにシフトしたことで、人口の少ない地方の店舗でも主婦や高齢者などの来店が増えて売上が伸びているため、出店が可能だと判断したのでしょう。

しかし、セブンイレブンの出店によって影響を受けるのはコンビニだけではありません。近隣の食品スーパーや持ち帰り弁当店、惣菜店、飲食店など、その範囲は多岐におよぶことが想定されます。セブンイレブンの出店によって四国の小売・サービス業界がどのような変化を見せるのか、これから目が離せなくなりそうです。

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