「本郷いちょう祭り」から消費の喚起策を考える
本郷商店会では北海道の釧路市や周辺の町とタイアップして日頃からさまざまな商品を紹介していますが、このイベントでは生産者が直接販売するため、会場は百貨店で開催される「北海道物産展」のような雰囲気になります。
さらに今年は、その半生を文京区で過ごした森鴎外の生誕150年にあたるため、「文人ゆかりの郷」として本郷を中心にさまざまなイベントが開催されていて、今回の本郷いちょう祭りでも『第1回全国文人フェスタ 文人ゆかりの郷から名産品大集合』というテーマで、森鴎外や石川啄木ゆかりの津和野町・盛岡の物産品が多数紹介されていました。
このようなイベントに行くと、なぜか財布の紐がゆるくなるから不思議です。
地元の方から商品にまつわるさまざまな特徴や工夫、さらには歴史的背景などを聞いていると、商品だけではなく商品誕生にまつわるストーリーにも価値を感じ、「買って帰って、家族と聞いた話をしながら食べたい、楽しみたい」と思うようになります。
10月11日(木)の日本経済新聞には「快走コンビニに陰り スーパー値下げも効果薄く 消費の変調にじむ」という見出しで、今年度上期に好調だった個人消費が下期に入り停滞しているという記事が掲載されていました。
また、その記事の中には「消費者動かす『革新』を」という小見出しで、好調を維持しているテーマパークの新規アトラクションへの積極投資を事例に、消費を動かすためにはいかに新しい価値を提供することが必要であるかが書かれていました。
確かにその通りですね。
これからは、お客が自分でも気づいていない価値(思い)を企業側が把握し、その価値を満たす創意工夫ができるかどうかで、企業間格差・個店格差がつく時代なのだと思います。