わかりやすい「ポジショニング」が需要を掘り起こす!
このコーチング実践編は、コーチング・サイクル(コミュニケーション版:PDCA)を「現状分析」⇒「仮説立案」⇒「実行」⇒「検証」という単品管理サイクルと一体化したもので、コーチングの「聞く」「ほめる・認める」「問いかける」スキルが必要とされます。
また、実践編では仮説立案のためにさまざまなマーケティング手法を活用していますが、その中でも現場で最も活用しやすいのが“ポジショニング”です。
ポジショニングとは、同じ市場で戦っている商品群の中で自社の商品がどんな位置づけにあるのかを確認し、そこからターゲットとなる消費者を絞り込み、販売戦略を立てていくためのマーケティング手法で、主にメーカーや企業の商品部またはバイヤーなどが活用しています。
しかし、私はポジショニングを店長や売場担当者の仮説立案に活用しています。なぜなら、売場担当者は発注端末画面の中だけで売場を考えている傾向が強く、品揃えのバランスや陳列を見直したりすることができていないからです。また、お客様へアピールするための販促策を連想することも苦手な傾向にあります。
ところが、写真(レトルトカレー)のようなポジショニングに取り組んでもらうと、その過程で陳列の見直しや訴求ポイントの気づきなど、新たな発想が生まれてくるから不思議です。これは商品を大きな塊として捉えていて分かりにくかったものが、2つの軸で分類されたことでビジュアル化されて分かりやすくなったからです。
つい先日、友人に誘われてある居酒屋チェーン店に行ったところ、メニューにポジショニングがあり驚きました!
その居酒屋は焼酎の品揃えの良さを売りにしているのですが、品揃えの数が多いということは選びにくいことにもなりがちです。しかし、この居酒屋はお客が選びやすいように、「芋らしい強い味わい」と「フルーティー」、「香り豊か」と「香り控えめ」という2つの軸を作り、23種類もある芋焼酎の分かりやすいメニューを作っていました。
いくら品揃えが良くてもそれだけでは不十分です。お客様が選ぶ基準にマッチングした軸を作り、選びやすさと楽しさを演出することが大切です。