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2013-02-24

「濡れ落ち葉」になるな!私と同年代の中高年社員

先日ある企業で、若手社員対象のコミュニケーション研修をしている時、会場の最後部に見かけない中高年社員がいました。研修担当者にどのような立場の人か尋ねると、若手社員の業務をサポートする立場で、担当する若手社員がどのような研修を受けているのか理解しておく必要があるので、参加してもらっているということでした。

関連部署の社員がオブザーバーとして参加するケースはよくあることなので、あまり気にせず研修を進めていましたが、研修を進めていくにしたがってこの中高年社員がとても気になりました。というのも、メモを全く取らず、話を聞いているのか聞いてないのか分からない姿勢の上に、参加者がグループワークをしている時にはうつむいて眠っているような様子なのです。

グループワークをしている若手社員の様子を見ながら会場を回っている時、この社員の様子をうかがってみると、眠っている訳ではなく机の下でスマートフォンを操作しているのです。結局、この中高年社員は1日研修の間、ずうっとこの調子でした。
 
「このような社員に若手社員の業務サポートが務まるのだろうか?」と疑問も持つと同時に、このような社員が研修会場にいること自体、参加者のモチベーションを下げてしまうのではないかと心配になりました。

しかし、中高年者社員が職場で煙たがられる存在になりつつあるのは一般的のようです。
2月12日(火)の日本経済新聞(夕刊)「らいふプラス」というコーナーには、『職場で煙たがられる中高年』という見出しで、定年後の家庭ではなく現役の職場で後輩に煙たがられる「新型濡れ落ち葉」と呼ばれる中高年社員が増えて問題になっているという記事がありました。

その記事で提言されていた「濡れ落ち葉にならないための7カ条」は、私と同年代の中高年社員にとって、確かに必要な勤務姿勢であると思いました。

【濡れ落ち葉にならないための7カ条】
1.逃げ切ろうとしない
   (しっかりと現役を続行すること)
2.糸の切れたタコにならない
   (職場の動きを把握し、チームプレーを)
3.何事も自分で汗をかく
   (他人任せにするクセを直す)
4.新しい人脈づくりに努める  
   (昔の人脈だけでは発想が古くなる)
5.後輩社員に目をとめる 
   (自慢ではなく失敗を語り、苦労を共有する)
6.時々、月光仮面になる
   (職場がピンチの時、懸命に支える)
7.体力の低下はわきまえる
   (無理し過ぎると、長続きしない)

2013-02-17

職場のいじめ=パワハラの原因はコミュニケーション不足!

学校やスポーツ界では体罰やいじめ問題が顕在化していますが、最近では職場のいじめ=パワーハラスメント(パワハラ)も増えているようです。

2011年度に労働局に寄せられた職場の「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は約46,000件で、2002年度の約6,600件から7倍近くに増えているそうです。そのような事態を受けて、厚生労働省は昨年7月~9月にかけて調査を行い、パワハラの実態と予防・解決に向けた提言として『職場のパワーハラスメントに関する実態調査』報告書を出しました。

その内容を見て、“パワハラの定義”が理解できたと同時に、予防・解決策についてコミュニケーションの必要性を再確認しました。

まず、パワハラは「精神的な攻撃」「過大な要求」「人間関係からの切り離し」「個の侵害」「過小な要求」「身体的な攻撃」の6つに分類され、上司からだけではなく同僚間や部下から上司に対するいじめもパワハラと定義されています。
6つの分類には具体的な事例として、次のような内容が挙げられていました(一部要約あり)。

■精神的な攻撃
 ・お前が辞めれば、改善効果が300万円出るなどと会議で言われた(男性:20歳代)
 ・ミスを皆の前で大声で言われる(女性:30歳代)
■過大な要求
 ・一人では無理だと分かっている仕事を一人でやらせる(男性:20歳代)
 ・休日出勤しても終わらない業務の強要(男性:30歳代)
■人間関係からの切り離し
 ・他の人に「私の手伝いをするな」と言われた(男性:50歳以上)
 ・報告した業務への返答がない。部署の食事会に誘われない(女性:30歳代)
■個の侵害
 ・交際相手の有無について聞かれ、過度に結婚を推奨された(女性:30歳代)
 ・個人の宗教を皆の前で言われ、否定、悪口を言われた(女性:50歳以上)
■過小な要求
 ・営業なのに買い物、倉庫整理などを必要以上に強要される(男性:40歳代)
 ・従業員全員に聞こえるように程度の低い仕事を名指しで命じられた(女性:20歳代)
■身体的な攻撃
 ・足をけられる(女性:50歳以上)
 ・胸ぐらをつかむ、髪を引っ張る、火の付いたたばこを投げる(男性:40歳代)

Photo_2 また、この調査ではどのような人がパワハラを受けているのか、年齢別、職種別に調査をしています。その結果を見ると、パートや契約社員などの非正規社員よりも正社員、それも管理職者の比率が高いことがわかります。これは、管理職になると上司からも部下からも批判や厳しい要求を受けるためではないかと思われます。

さらに、パワハラに関する相談を従業員から受けた職場に共通する特徴としては、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が51.1%(複数回答)で最も多く、「正社員や正社員以外など様々な立場の従業員が一緒に仕事をしている職場」(21.9%)
、「残業が多い/休みが取り難い職場」(19.9%)、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い職場」(19.8%)と続いています。

これらを見ると、パワハラの発生しない職場を作るには上司と部下、従業員同士のコミュニケーション環境を整えると同時に、働く者同士が立場を超えてお互いを認め合うことがいかに大切であるかがわかります。

2013-02-10

70代後半の「シニア層」の獲得にはコンビニが有利?

ここ最近の日本経済新聞や日経MJを見ていると、食品スーパーとコンビニの競争がより激しさを増しているなと感じます。

1月31日(木)の日本経済新聞には、「スーパー、総菜生産拡大」という見出しで、ヨークベニマルやヤオコーが総菜の販売強化のため工場を新設するという記事が出ていました。また2月5日(火)には、「スーパーやドラッグ店 コンビニが侵食」という見出しで、コンビニの利用が増えた結果、行く機会が最も減ったのはスーパー(23.1%:複数回答)であるというアンケート結果も出ていました。

Photo 確かに、写真のようにコンビニのすぐそばに都市型スーパーが進出し、競合している状態を頻繁に見かけるようになりました。今後、コンビニと食品スーパーの競合関係はどのように変化していくのだろうと考えていたところ、1月23日(水)の日経MJに味の素が実施した「シニア調査」が掲載されていて、とても興味深く読みました。

味の素が実施した「シニア調査」で、シニアの意識と行動が浮き彫りになった。食生活では60、70代は節約するよりも多少お金をかけても良いものを食べたいというニーズが高いことが分かった。さらに70代前半までは手作り志向が強いが、70代後半になると、やや面倒になり、「中食」や冷凍食品の利用が高まることも明らかになった。

この調査分析記事の中で、私が特に関心を持ったのは70代後半になると次のような変化が見られる点です。

1.毎日の食事作りが面倒だと感じる人が増える
2.食事はすべて下ごしらえから手作りするという人が減る
3.忙しい時は市販品や冷食を利用する人が増える

つまり、食に対する品質、安全・安心を重視したい気持ちはあるものの、70代後半、いわゆる後期高齢者になると体力的な問題もあり、「続けたいと思っていてもできない」「面倒だ」と感じる人が多くなるということです。

2017年には前期高齢者と後期高齢者の人口逆転も予想されています。今後ますます増える75歳以上の消費者をいかに顧客にするかということを考えると、近くにあり、日常会話をしたり配達するなど、きめ細かい買い物サポートができるコンビニの方が有利な状況にあるのかも知れません。

2013-02-03

阿川佐和子さんの著書「聞く力」が売れる理由に同感!

日本経済新聞の夕刊には「人間発見」という連載ものがあり、毎回のように読んでいます

この連載は最近注目されている経営者や著名人らを取り上げ、その人の人生哲学やこれまでの半生をインタビュー形式でつづっているものです。

朝刊には「私の履歴書」という同様の連載ものがあります。しかし、これは1ヶ月単位のため、よほど興味がある人物でないと読み続けることはありません。これに対して「人間発見」は、月曜日から金曜日までの5回連載のため読みやすいということもあります。

Photo その「
人間発見」ですが、今週はエッセイストの阿川佐和子さんでした。
昨年はじめに出した著書「聞く力」が100万部を超えるベストセラーになり、週刊文春の対談連載も今年5月で満20年、話を聞き出す名手と見られることが多いのですが、実は大変な苦労と工夫によって今があるということがわかる、とても興味深い内容でした。
特に私が興味を持ったのは次の記述です。

「聞く力」が、売れ行きを伸ばす中、支持される理由が自分では分からなかった。
私の本の読者は、だいたい2000人か3000人くらい。出版業界が厳しい中、なぜ世間に受け入れられたのか。不思議でした。
朝のテレビ番組で、ある方がこう分析なさっているのを聞いたんです。「コミュニケーション能力が問われている今、どううまく伝えるかという発信のノウハウ本は多い。しかし本当のコミュニケーションとは、相手の言葉を黙って聞き、その人そのものを受け入れることではないか」。目からうろこ、です。私のしてきた仕事はそういうことだったんだと。

私も同感です!
仕事であれ、プライベートであれ、相手と良好なコミュニケーション環境を作りたいと願うのであれば、まずは先入観を持たずに相手の話を聞き、相づちや表情・態度などでしっかり聞いていることや理解(共感)していることを伝え、相手そのものを受けとめることが大切です。

このような聞き方は相手の存在そのものや価値を認めることにつながるため、聞き手に対して相手が心を開いたり協力してくれたりするようになり、仕事やプライベートの人間関係がより良くなるのです。

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