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2013-08-25

「サンドラッグCVS」の品揃えと今後への期待

Photo ドラッグストア大手のサンドラッグが出店した「サンドラッグCVS小岩北口店」を見てきました。
この店はもともとドラッグストアとして営業していた店舗をリニューアルしたもので、看板もサンドラッグのイメージカラーを残して「CVS」の文字を入れています。

Photo_2 まず店に入ると、右側壁面にDPEのデジタルプリントサービス機、ATM、コピー機が並び、カウンターにはFFコーヒーマシーン、フライヤー商品などがあり、コンビニらしいサービスとカウンター商材が目に入ります。しかし、左側に目を向けると雑誌ゴンドラが3台、その後方には薬や化粧品類の品揃えが広がっていて、あらめて「ドラッグストアだったんだ」と思いました。

店内は手前3分の2のスペースがドラッグストアゾーン、奥の3分の1がコンビニゾーンというレイアウトで、商品構成としては
コンビニ的マーチャンダイジングの形を整えています。しかし、スペースが平均的なコンビニの半分程度しかないため、菓子や加工食品、日配品などはアイテムがかなり絞り込んだ品揃えになっていて、シニア層をひきつけるには魅力に欠けるのではないかと思います。

また、コンビニの主力商品である中食の品揃えが気になりました。

弁当やおにぎり、サンドイッチなどの中食はコンビニチェーンごとにオリジナリティがあります。また、毎週のように新商品や企画商品が発売されることもコンビニの魅力のひとつになっています。しかし、サンドラッグCVSのほとんどの商品は大手パンメーカーや一般的に流通しているベンダー商品です。この点についてはパンやデザート類も同様でした。

狭い商圏の中でコンビニビジネスが成り立っているのは利用者の来店頻度が高いからです。つまり、買い置きできない魅力ある中食を品揃えすることでコンビニは客数を確保しているのです

今後、サンドラッグCVSがコンビニ+ドラッグストアの融合店として業態を確立するには、中食や日配品にいかにオリジナリティと品揃えとしての魅力を持たせることができるかが鍵になりそうです。

サンドラッグでは1年で約10店舗の「サンドラッグCVS」を出店して業態確立を目指すようなので、引き続き取り組みの変化を追っていきたいと思います。

2013-08-18

SVは最低賃金アップを「説得点」として活用しよう!

旧盆期間中に帰省をしてコンビニやスーパーに出かけた際、店頭にある求人ポスターの時給を見て、その金額の低さに驚いた人はいませんでしょうか。

また、東京や大阪など大都市圏から東北・山陰・
四国・九州などの都市部以外に帰省した方は、1円単位で表示されている募集時給を見て不思議に感じたかも知れません。
25_2 この「654円以上」とか「653円以上」という1円単位の金額、実はその都道府県の最低賃金なのです。都市部では店舗数が多く、1店舗あたりの売上金額も高いため、募集時給が最低賃金を50円から100円近く上回り10円単位となっているのが一般的です。しかし地方に行くと、働く場が少なく1店舗あたりの売上も少ないため、最低賃金で募集している店も多く存在しているのが現実です。

その最低賃金が全国平均で14円引き上がられることが、8月6日の厚生労働省・中央最低賃金審議会小委員会で決定されました。上げ幅が2桁に乗ったのは3年ぶりで全国平均では763円に上昇する見通しです。
【現在の最低賃金(全国)はこちらを参照ください】

最低賃金の大幅アップは売上が厳しい状況にあるコンビニにとっては死活問題になります。

なぜなら、コンビニの多くは年中無休・24時間営業をしているため、常に2人体制で運営している
店がほとんどです。ということは、24時間×2人=48人時が必要であり、時給が14円上昇すると1日あたり672円の人件費負担増になります。1週間で4,704円、1ヶ月(31日)で20,832円、1年(365日)では245,280円の人件費が増える=利益が減ることになります。

しかし、ここで不平・不満を言っても意味がありません。
コンビニの粗利益率を30%、ロイヤルティーを50%として計算すると、245,280円の加盟店利益を補うには1,635,200円の売上を新たに生み出す必要があります。この金額は1日にすると4,480円です。

コンビニのスーパーバイザーの多くは売上アップのために「もっと商品を取ってください」「声がけをしてフランドチキンを売ってください」という表面的なお願い指導をしがちですが、これでは加盟店との良好な信頼関係を築くことはできません。


最低賃金の大幅な引き上げをひとつの“説得点”として加盟店と共に売上アップに向けた積極的な取り組みをすることで、良好な信頼関係を築いてほしいと思います。

2013-08-11

この夏は「炭酸水」で客単価アップをしよう!

昨日の日本列島は全国的な猛暑になり、山梨県甲府市や高知県四万十市で国内観測史上4位の40.7度となったのをはじめ、国内の4地点で40度以上を観測しました。東京都心の最高気温も37.4度まで上がり、今年最高の気温となりました。

昨年も暑い夏でしたが、今年は暑い期間がより長く続いている上に猛暑日が多く、早くも夏バテをしている人が多いのではないでしょうか。
かくいう私も夏バテ気味で熱中症にならないよう水分補給には十分気をつけています。

Photo そこで最近、飲む機会が増えたのが炭酸水です。
外出から帰った後や風呂上りなどに頻繁に飲んでいます。また、夕食後にやらなければいけない仕事が残っている時などいままではノンアルコールビールを飲んでいましたが、今年の夏は炭酸水に替えました(ノンアルコールビールよりも割安なため)。

炭酸水を頻繁に飲むようになったのは私だけかと思っていたら、8月7日(水)の日本経済新聞に『水分補給 私は炭酸水派』というタイトルで、炭酸水を飲む人が増えているという記事が掲載されていました。


ミネラルウオーターの国内の市場規模は2500億円程度とみられる。調査会社の富士経済(東京・中央)によると、2013年の炭酸水の国内出荷額は前年比9%増の193億円の見通し。
日本経済新聞社が1千人に聞いたところ、炭酸水をそのまま飲んだことがあると答えたのは54%。そのうち2~3年前から量や頻度が増えた人は男性で30.7%、女性は42.8%に達した。
理由は、男性は「のどの渇きをいやすため」「のどごしが良いから」が58.0%とトップ。女性は「健康やダイエットのため」が61.3%だった。「安くなったから」との回答も多い。スーパーの特売が増え、店頭では500㍉㍑入りでミネラルウオーターと同じ100円弱から買える。

炭酸水の需要が伸びている背景には、炭酸飲料は飲みたいが糖分を気にする人や、炭酸で満腹感が得られ食欲が抑えられるとダイエット効果を期待している人など、炭酸水に健康に良いイメージを持ち始めた人が増えている点があるようです。

日本では炭酸水をハイボールのようにアルコールの「割り材」と考えている人が多いようですが、欧州では食事と一緒に飲む習慣が定着しています。しかし、上記調査によると、夕食時に炭酸水を飲んでいる人は11.1%にとどまりました。

特に油物や味の濃い料理を食べた後に炭酸水を飲むと、口の中がスッキリして次の料理をよりおいしく食べることができます。惣菜類とワインやビールの組み合わせだけではなく、この夏は炭酸水との組み合わせで客単価アップを図るという販売方法はいかがでしょうか?

2013-08-04

「ほめる」「叱る」、どちらも相手を基準に伝えよう!

7月7日の「新入社員と上司の『育成』に対するミスマッチ」で日本生産性本部の調査報告を紹介しましたが、今日の日本経済新聞にも「その叱責、効果ある?」という見出しで同本部の調査が掲載されていました。

この調査は首都圏を中心とする企業の課長級300人と係長以下の一般社員539人を対象にしたもので、私が特に興味を持ったのは「叱る」と「ほめる」のアンケート結果です(第2回「職場のコミュニケーションに関する意識調査)。

Photo_3 まず、「叱る」では上司である課長の89%が“育成につながると思う”と回答しているのに対して、部下である一般社員の56.8%が“やる気をうしなう”と回答しています。

Photo_4 また、「ほめる」では課長の80.3%が“褒めている”と回答していますが、“上司は褒める方だ”と回答している一般社員は51.4%しかいません。

記事には上司と部下の回答ギャップについて、次のようなコメントがありました。


叱責の効果に対する上司と部下の意識の差は大きく、熱血指導は必ずしも「やる気アップ」につながっていないようだ。
上司が褒めたつもりでも、部下はそうは受け取っていないケースが多いようだ。

“熱血指導”とありますが、私は上司の多くが「叱る」ではなく「怒っている」のではないかと思います。なぜなら、「叱る」は相手の成長を願い、自分の感情をコントロールして戦略的に行います。これに対して「怒る」は自分の感情処理のため突発的に行われ、相手のやる気を失わせることが多いからです。

また、上司はほめているつもりでも部下には伝わっていないということが多いようです。これも上司が自分を基準にしてほめていることが原因だと考えられます。


人にはさまざま性格があるように喜ぶほめ言葉も異なります。上司自身が言われて嬉しいほめ言葉ではなく、部下それぞれが喜ぶほめ言葉を伝えることが必要です。

自分と異なる行動特性(思考方法、感じ方、行動様式)を持った部下に対する「ほめ方」や「注意の仕方」については、私の著書『すぐ分かるコーチングハンドブック』に詳しく取り上げていますので、ぜひご一読ください。

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