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2013-09-29

パート従業員の「やる気」と「能力」を引き出すコーチング

先週は前半に盛岡で、後半に大阪で、「コーチング」を活用した食品スーパー店長向けのコミュニケーション研修をしてきました。

大阪で開催された研修は、主催者側の意向で「コーチング」「DiSC」を組み合わせた内容に変更し、参加者と主催者の双方から大変高い評価をいただくことができました。やはりコーチングの実践には「DiSC」の活用が効果的であることを改めて実感しました。

研修後は参加者に課題を出します。
多くの場合、そのテーマは「売上アップ策」です。

チーフ・主任またはベテランパートさんに、
「売上を伸ばすには『客数を増やす』か『客単価を増やす』かどちらかだけど、いまあなたの売場で優先的に取り組むとしたら、どちらかな?」
と問いかけます。
その回答から、
「客数を増やすには『いままで買ってくれていない人に買ってもらう』か『来店頻度を上げる』かだけど、優先的に取り組むとしたら、どちらかな?」
または、
「客単価を増やすには『買い上げ点数を増やす』か『商品単価の高いものを買ってもらう』かどちらかだけど、優先的に取り組むとしたら、どちらかな?」
限定型の問いかけをします。

さらにその回答から、
「それじゃ、そのために、これから秋に向けてどのような取り組みをしたらいいと思う?」
展開型で問いかけるという課題に取り組んでもらいます。

課題への取り組み報告書を見ると、
「パートさんにコーチングをしたところ、始めは『売上アップを考えるのは私たちの仕事ではない』と言いながら、相づちをしっかり打ち意見を認めながら聞いていくと、さまざまな貴重な意見を聞くことが出来た。パートさんがこんなに考えているとは思わなかった」
という報告が目立ちます。

そして、多くの店長がいかにいままでパートさんの持っている情報や能力を活用していなかったか、認めていなかったかを反省しています。

Photo パートタイマー白書(2013年度版)の回答を見ても分かるように、多くのパートさんが働くことで「充実感ややりがい」「社会とのつながり」「知識や技術」「自身の人間的な成長」を求めています。

研修を受けた店長さんにはコーチングをしっかり活用していただき、パートさんのやる気を高める職場環境を作り、自店の目標達成に向けてパートさんと共に成長をしていただきたいと思います。

2013-09-22

セブンイレブン「金の食パン」に見習ってブラッシュアップ

9月10日の日本経済新聞にセブンイレブンの「金の食パン」が刷新されるという記事が掲載されているのを見て、驚いた方も多かったのではないでしょうか。

Photo 「金の食パン」は一斤250円と、セブンイレブンで売れ筋
トップの「超熟(敷島製パン)」よりも6割高いにも関わらず、北海道産の生クリームやカナダ産の蜂蜜などを使い、しっとりとした食感とほのかな甘みが好評で、当初計画を上回る累計1500万食を販売しています(8月末時点)。

その商品を発売から5ヶ月しかたっていない段階で刷新する理由を本部
担当者は次のように話しています。
人気商品ほど消費者が飽きるのも早い。消費者の要望を反映して売り上げをさらに伸ばす」

なるほど、販売は好調であるものの初めて扱った高級食パンなので、お客様の声を反映してよりニーズに近づけていこうとしている訳ですね。このような取り組みこそがセブンイレブンの“強さの源泉”だと思います。

つい最近、日清食品の創業者である安藤百福氏の生い立ちを綴った特集番組をテレビで見ました。その時に、カップヌードルは発売されてから42年経ってもカップ麺市場でトップ売れ筋でいられるのは内容や容器デザイン、CMなどを時代のニーズに合わせて変えてきたからだ、ということが紹介されていました。

まさに、セブンイレブンの取り組みと一緒ですね。
その業態や業界でトップを維持するためには常に消費者(お客様)のニーズを探り、自社の商品やサービスの価値をニーズに近づけていく弛みない努力が必要だということを改めて感じました。

私も見習い、今まで以上に企業研修やセミナープログラムのブラッシュアップに取り組み続けていこうと思います。

2013-09-15

SNSへの悪ふざけ投稿とスタッフのロイヤリティ不足

今から20数年前、コンビニエンスストアを経営していた時のことです。
その日は久しぶりに休みが取れて自宅にいたのですが、店の事務所に業界誌を忘れてきたことを思い出して取りに行きました。

事務所に入り雑誌を探していると、いきなりダムウェーター(※)の扉が開き、中から新人アルバイトの男性が飛び出してきて驚きました。
この男性は事務所で休憩をしていたアルバイトの女性を驚かそうと、地下の倉庫からダムウェーターに乗り込んでいたのです。
(※ダムウェーター=地下の倉庫と事務所を結ぶ荷物運搬用の縦横高さ1m四方の昇降機)


その後、新人アルバイトのトレーニングの際にはダムウェーターの操作方法を教えると同時に、悪ふざけがどのような問題を発生させるのか、いかに危険なことなのかを話し、就業上のルールについて理解させるようにしました。また、一人ひとりが仕事に集中できるように、従業員とのコミュニケーション機会を増やして職場のより良い環境作りにも努めました。

最近頻発しているSNSへの投稿問題ですが、どうしたらこのような行為を止めさせることができるのでしょうか。勤務時間中の携帯電話やスマートフォンの使用を制限したり、SNSへの写真投稿を禁じるルールを作ったりすることはもちろん必要ですが、それだけでは不十分ではないでしょうか。

なぜなら、店に迷惑をかける行為の背景には店(店長・社員)や会社、または仕事そのものに対する不満やロイヤリティ(忠誠心)の低さがあると考えられるからです。

9月11日の日経MJには
悪ふざけ投稿 どう防ぐ」という特集があり、その中で『丸源ラーメン』(物語コーポレーション)の対応策が次のように紹介されていました.

物語コーポは、当該アルバイトの過去のツイッターへの投稿から、「店や店長に対して不満を持っていた」(同社)ことに着目した。「店をよく見ていればシグナルがなかった訳ではない」(同)。問題発覚後、加治幸夫社長が全従業員に向けて「不幸な従業員を生み出したことを反省し(中略)おわびする」とビデオメッセージで発信した。さらに同社は、店長が全アルバイトと面談を実施。SNSの利用方法などに関する規定を細かに説明するほか、店舗の衛生状態などから「良くない前兆をトレースする」取り組みをはじめる。
飲食業、小売業はピープルビジネスといわれ、人材の能力が競争力に直結する。それは対顧客だけではなく、対アルバイトでも同様だ。この店長、この店のために頑張ろうと思ってもらえる環境作りが重要になる。

悪ふざけで自己アピールをしなくても、一人ひとりのスタッフが自分の存在価値や成長を感じることができる職場環境を作ることが、いま改めて店長(会社)に求められているのではないでしょうか。



2013-09-08

セブンイレブンのアイスコーヒーと「潜在ニーズ」

1980年代、セブンイレブンに「ポストミックス」というカウンター商品があったのを知っている方はどのくらいいるでしょうか?

「ポストミックス」とはシロップと炭酸を専用機器で混ぜ合わせ、紙コップに注入して販売するドリンクのことです。シロップはコカコーラ、スプライト、メロン、メローイエローなどの4種類。カップの大きさもS、M、L、LLの4サイズがあり、夏場はカウンターFFの主力商品になっていました。

今年のような猛暑の時、長距離トラックの運転手に人気だったのがLLサイズです。
カップの半分程度まで氷を入れドリンクを注ぐと1リットル以上の容量になるため、たっぷり飲める点が魅力なのだろうと、当時OFC(経営指導員)をしていた私は思っていました。

しかし、長距離トラック運転手が気に入っていた理由は「氷がなかなか溶けずに長持ちして、おいしい」ということでした。福島県のドライバーの中には「福島で買ったポストミックスの氷が東京まで溶けなかったよ」という人もいたくらいです。

今年の夏、ポストミックスの氷と同じような「ニーズ」がセブンイレブンで生まれています。


711_2 「セブンカフェ(アイス)をお買い求めのお客様へ、氷の製造が間に合わないため、一時的に入荷が不足しています。製造の安定供給までご不便をおかけしますが、ご了承くさだいませ」【店主】

このような文面の貼り紙がアイスケースや冷蔵ケースにあり、アイスコーヒー用の氷(カップ入)が欠品している状態を見かけた人は多いのではないでしょうか。

セブンイレブンでは発売当初、今年の目標販売数を1日1店あたり60杯に設定していました。しかし想定以上に売れて、夏前には目標販売数を4割も上回る勢いでした。それが、さらに猛暑の影響でアイスコーヒーを中心に100杯近く売れ、氷入りカップの製造が間に合わないようです。

私は計画以上に売れた要因として開発担当者も想定していなかった「カップに入った氷に対するニーズ」があるのではないかと考えています。というのも、アイスコーヒー用のカップをレジで精算した後、アイスコーヒーを作らず店を出る人をよく見かけるからです。

セブンイレブンで働いている知人に聞くと、4倍の量が入った105円のロックアイス(アイスコーヒー用と同じメーカー製)をおすすめしても「このカップに入っている氷がいいんだよ」と言って買っていく人がいるそうです。買った方は自分の好きなドリンクを入れて飲み、その後は氷そのもののおいしさも楽しんでいるようです。

2013-09-01

食材宅配にも「楽天マート」などネット系が進出中!

Photo いまの住まいに引っ越してきて以来、我が家の食材調達はもっぱら生協(コープ東京)に頼っていました。しかし、3ヶ月ほど前から楽天マート(※対象地域は東京、神奈川、千葉、埼玉の71市区)」を利用し始め、いまは生協と楽天マートの両方を使っています。

楽天マートの良いところは宅配前夜の午前0時までに注文を入れると翌日届くことです。また週に何回でも注文できるため、家族それぞれのスケジュールが変わり、食材の在庫調整が必要になった時に助かります(生協は週1回、1週間前の注文)。

Photo_2 写真のサンドイッチは他の食材と一緒に昨夜注文を入れておいたものです。今日は外出しないで仕事に集中しようと思っていたのでランチ用に取ってみました。こんな使い方ができるのも楽天マートの魅力のひとつです。

また、我が家で定期的に注文している商品が楽天マートの方が安いという点も魅力です。
例えば、牛乳1Lサイズ:生協178円⇒楽天169円、玉子6個入り:生協128円⇒楽天98円、プロビオヨーグルト:生協125円⇒楽天98円、高原バナナ(600g):生協260円⇒楽天188円などです。

しかし、不便な点もあります。
それは生協と比べて食品全体の品揃えが少ないことです。そのため、我が家では楽天マートだけで買い物を済ませることができず生協も併用しているのが現状です。

8月26日の日経MJには、食材宅配サービスを使っている20代から60代の500人にアンケートを実施した結果が掲載されていました。その利用先を見ると
「生協」が80%と圧倒的多数で、「らでぃっしゅぼーや」(6%)、「オイシックス」(4%)、「楽天マート」(3%)となっています。

楽天マートの市場規模は小さく生協とは比較にならない数値です。しかし、我が家のように楽天マートの利便性に魅力を感じる顧客が増えると、生協の利用金額は次第に低下し、圧倒的シェアが漸減することは容易に予測がつくのではないでしょうか。

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