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2013-11-24

環境とニーズの変化に対応したコンビニコーヒー

1980711 1980年代の後半、私が経営を任されていたセブンイレブンではホットコーヒーを買い求めるお客様が多く、平日の通勤時間帯には4台のサーバーに用意した約50杯分のコーヒーが30分間で売り切れてしまうほどの人気がありました。[写真:セブン&アイ・四季報より]

1980年代は、ドトールコーヒーのようなセルフ式コーヒーチェーンの店舗はまだ少なく、通勤途中で本格的なドリップコーヒーが買える専門店はありませんでした。そのため、サンドイッチやパンなどと一緒にコーヒーを買って会社で朝食をとろうとした場合、コンビニで買い求めるのが一番便利だったのです。

しかしその後、駅前などにセルフ式コーヒーチェーンが次々出店すると、コンビニでコーヒーを買い求めるお客様は激減しました。そのため、多くのコンビニチェーンではドリップ式コーヒー販売から撤退を余儀なくされました。(一部のチェーンではカートリッジ式のコーヒーマシーンを導入しましたが、お客様の支持を得られず撤退)

そのコンビニのコーヒーが、いま年間7億杯も売れているというのですから驚きです!
11月23日(土)の日本経済新聞には、 『コンビニコーヒー7億杯』という見出しで次のような記事が出ていました。

コンビニエンスストアの「いれたてコーヒー」の市場が広がっている。セブン-イレブン・ジャパンなど大手5社の2013年度の合計販売量は7億杯を超える見通し。1杯100円台の手ごろな価格が受け、「コーヒーをコンビニで買う」消費者が急増。13年の国内コーヒー消費量も過去最高を更新する勢いだ。

コンビニのコーヒーが売れるようになったひとつの要因として、一杯ずつおいしいドリップコーヒーを淹れられるコーヒーマシーンが安価で開発できるようになり、全店への導入が進むと同時に、1杯100円~という価格でお客様に提供できるようになったことが挙げられます。

しかし、要因はそれだけではありません。近隣のコンビニで買って、職場や自宅で飲むという新たなライフスタイル(ニーズ)を生み出したことも成功要因だと私は考えています。


コーヒーの事例に限らず、過去の失敗や経験に囚われなければ、本部側にも店側にも新たな需要を生み出す余地はまだまだあるはずです。

その需要(ヒント)を見つけ出すためにも、本部のスーパーバイザーには現場で働くスタッフと、商品やお客様のニーズについて話す機会をたくさん持っていただきたいと思います。

2013-11-18

フランチャイズ関連イベントに参加する前には情報収集をしよう!

2013 今週はサンシャインシティコンベンションセンター(東京・豊島区)で「FCフランチャイズ&起業・独立フェア」が開催され、私も運営側として参加してきました。

参加の目的は、(一社)中小企業診断協会東京支部のフランチャイズ研究会会員として無料相談コーナーを担当するためです。

私が所属しているフランチャイズ研究会では「FCフランチャイズ&起業・独立フェア」のほか、毎年3月に開催される日本最大の「フランチャイズ・ショー」(主催:日本経済新聞)にも毎年参加しており、研究会のメンバーが相談員や加盟希望者者向けセミナーの講師を担当しています。

Photo_2 「FCフランチャイズ&起業・独立フェア」に出展していたFC本部は合計で76社(ブランド)。
その内、小売業はコンビニ大手のセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、大黒屋など7社。飲食業は養老の瀧、ほっともっと、ファーストキッチン、ほっかほっか亭など15社。それら以外は学習塾や介護、清掃や弁当宅配などの生活支援サービス業です。

加盟希望者の相談内容は多岐に渡りますが、「どのようにして業種を選んだら良いかわからない」という方は意外と多いものです。フランチャイズビジネスに関する知識を持たないで来場しているため、説明が不十分なフランチャイズ本部に誘導されて加盟し、退職金などの貴重な資金を無駄にしてしまうのではないかと心配になります。


私どもの相談コーナーに来てくれた方にはフランチャイズビジネスの仕組みやリスクについても十分説明をしています。しかし、このようなイベントに参加するのであれば、まずは加盟希望者自身がフランチャイズビジネスに関する基礎知識を持って来場することをおすすめします。

その際に利用してほしいのが、(一社)日本フランチャイズチェーン協会のホームページです。
トップページの上部にある「フランチャイジー(加盟者)」をクリックすると、『フランチャイズビジネスとは』『フランチャイズ契約の留意点について』『加盟者の契約前の心構え』が分かりやすく書いてありますので、ぜひ参考にしてください。

2013-11-10

景気回復時のパート・アルバイト採用のポイントは?

最近、コンビニやスーパーの店長から「求人広告を出しても応募が少なく、スタッフの採用が難しくなった」という声をよく聞きます。「スタッフの募集を出すと数十人の応募があり面接が大変だ!」と言っていた店長が多かった1~2年前と比べると、パート・アルバイトの採用状況は大きく変化しているようです。

10月26日(土)の日本経済新聞には「外食、バイト採用基準緩く 『時給上げても人不足』」という見出しで、次のような記事が書かれていました。

外食各社がパートやアルバイトの採用基準を相次ぎ緩めている。景気回復も手伝って外食の平均時給は上がっているが、それでも人手が確保できないからだ。主婦が働きやすいようにカフェチェーンが短時間シフトや急な欠勤を認めたり、吉野家が年齢制限を下げて高校生を積極的に採用したりしている。大量出店を続けるコンビニエンスストアと働き手の確保競争が激しくなっている。

Photo マクドナルドでもスタッフの採用は難しいようで、我が家の近隣店には「時給アップ!ご応募お待ちしています」と時給を上げたことをアピールする求人ポスターが出されていました。時給表記のところをよく見ると、『
一般:950円』と書かれた紙の裏に930円か920円という文字を読み取ることができます。

これは意識的に前の時給が分かるようにしているのか、それともポスターの経費を節約するために貼り紙をしているのか、どちらかはわかりませんが採用に苦労している様子が忍ばれます。

パート・アルバイトの採用は景気が良くなれば難しくなり、景気が悪くなれば容易になります。しかし、店の売上は逆で景気が良くなれば上がり、景気が悪くなれば下がるのが一般的です。

スタッフの採用を考えた場合、どちらの方が良いのでしょうか?
悩ましいところだとは思いますが「景気が良くなった方がいい」と答える方が圧倒的に多いことと思います。

しかし、景気が良くなると仕事が見つけやすくなるため、既存スタッフの店長や職場に対する不満が表面化して退職者が増えるという問題も発生します。このような状態になると、新たなスタッフを採用して人員を確保しても店全体の運営レベルが低下して業績悪化の要因になるので注意が必要です。

時給をアップして応募者を増やそうとする時には、まず既存スタッフ一人ひとりと面談を行うことをおすすめします。そして、スタッフの不満や不安を把握すると同時に仕事に対する思いを受けとめたり、日頃の仕事ぶりを認めたりして不満や不安を取り除いてください。

景気回復時には「採用条件改善」と「定着化への対応」を分けて行うのではなく、2つを同時に行うことがポイントです。

2013-11-03

「SVの提案力・指導力アップセミナー」のお知らせ

今週は私が講師を務めるフランチャイズ本部向けセミナーの紹介をさせていただきます。

テーマは「SVの提案力・指導力アップのポイント」

Jfri 【概要】

スーパーバイザー(SV)はそれぞれ独自の行動スタイルを持っており、自分と同様のスタイルを持った加盟者に対しては効果的に提案を進めることができます。しかし、自分と異なるスタイルの加盟者に
対してはフラストレーションを強く感じるため、効果的な提案を進めることができていないのが現状です。
そこで、SVが自分自身の行動スタイルを知り、どのような時にそのスタイルを適応・調整すべきなのか、自分と異なるスタイルの加盟者に提案・指導する時には、どのようなアプローチが最も効果的なのかを学ぶためのセミナー内容とポイントをご紹介します。

セミナーを主催する㈱日本フランチャイズ機構(JFRI)は、私が所属している中小企業診断協会のフランチャイズ研究会のメンバーである中小企業診断士を中心に、フランチャイズを専門とする弁護士、税理士などを顧問に加えて構成されたプロ集団です。

セミナーでは1~2日で行う研修のポイントを紹介すると同時に、SVの提案力・指導力アップに必要な
コミュニケーション上のスキルを学んでいただくことができます。
また、セミナー終了後にはSV育成に関する相談会も行う予定です。

まだ席には余裕がありますので、多くの方のご参加をお待ちしております。

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