近畿大学の入学式に学ぶ、入社式のあり方
あなたは、「近畿大学」と聞いて何をイメージしますか?
私は、真っ先に「マグロ」をイメージします。
当ブログでも以前、「『大学は美味しい‼』フェアが大盛況」というタイトルで近畿大学水産研究所の「近大マグロ」を紹介したことがあります。また、昨年の12月には同研究所で養殖したマグロ類を専門に扱った飲食店『近畿大学水産研究所』が銀座(東京:中央区)にオープンし、4月末まで予約が取れないほど人気になっています。
いま、その近畿大学の「ド派手入学式」が大学関係者の間で話題になっています。
過去には有名OB歌手のステージ、テレビ局とのタイアップ、ダンスやよさこいのパフォーマンス、大阪名物「くいだおれ太郎」の登場などがありました。今年は同校の卒業生である大物音楽プロデューサーが企画を担当し、例年以上にド派手な入学式を行い、新入生の学生生活に対するモチベーションを高めようとしています。

近畿大学では2004年、当時の理事長が「前例踏襲型の入学式を全面的に見直し、若手職員のみで組織され、かつ上層部の干渉を受けないプロジェクトチームが企画運営を行い、新入生にとって一生忘れられない入学式を挙行せよ」というミッションを出した。これには、本学が抱える「不本意入学者」問題を解決する目的があった。本学だけではない。現在の入試制度では、東京大や京都大など一部の国立大学を除くすべての大学に、第1志望を不合格になり、もしくは受験自体を断念してその大学に入学した「不本意入学者」が一定数存在する。昨年のアンケートでは、3割を超える新入生が不本意ながら近畿大学に入学していた。こうした学生は学生生活へのモチベーションが上がらず、留年や退学になるケースもあることが、過去の追跡調査で判明している。
このような現象は大学だけではなく企業にもあります。
小売業や飲食・サービス業は学生から第2・第3志望の業種として位置づけられていることが多く、「不本意新入社員」は近畿大学と同様の割合で存在するのではないでしょうか。また、地方の食品スーパーの人事担当者に聞いたところによると、「本当は金融やメーカーに就職したかったが、地元に戻って働くために仕方なく食品スーパーを選んだ」というケースもあったそうです。地方の食品スーパーの「不本意新入社員」の割合は大学以上になるかも知れないと言います。
来週の4月1日には多くの企業で入社式が行われることでしょう。
あなたの会社は年々変化する新入社員の心情やニーズを捉え、入社式を最初で最大の新入社員の会社・仕事に対するモチベーションアップの機会として活用しているでしょうか。
それとも、従来通りの形式的な年間行事のひとつとして実施し、「不本意新入社員」のモチベ―ションを上げることができないまま入社させてしまっているのでしょうか。
それとも、従来通りの形式的な年間行事のひとつとして実施し、「不本意新入社員」のモチベ―ションを上げることができないまま入社させてしまっているのでしょうか。
近畿大学の取り組みを事例に、自社の入社式のあり方を改めて確認をしていただければと思います。