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2014-05-25

「立ち食いそば店」の進化と新たな客層の開拓

最近、仕事の関係で「立ち食いそば店」に関心を持っているためか、私の日常的な行動範囲の中に新たな「そば屋」を発見することが多くなりました。

Q

まずは、神田神保町(東京・千代田区)にあるオレンジ色の店頭ファサードがとても派手で目立つ「いわもとQ」。
外観とは裏腹に、店に入るとBGMはクラシック音楽、照明も柔らかでとても落ちついて食べることができます。また、天ぷらは注文してから揚げるスタイル。カウンター脇に用意されているおしぼりや蕎麦湯などのサービスも充実していて清潔感があり、接客も気持ちの良い店でした。

Photo_5次は、樋口一葉が住んでいた住宅への見学者も多い、本郷三丁目の菊坂(東京・文京区)にある「わ」。
この店はそばだけでなく、アサヒスーパードライのプレミアムビールの立て看板があるように、お酒の品ぞろえを強調していました。また、店内には大きなテレビモニターがあり、スポーツ番組などを流していました。
白いイスにテーブル、看板の作りなどもちょっとおしゃれなため、女性も入りやすそうです。

Photo_23店目は、東京ドームの近くにできた「源太郎そば」(文京区)。全席椅子があるので立ち食いそば屋とは言えないかも知れませんが、普通のそば屋とも違い、ちょうどその中間の客層を狙っているのかも知れません。
また、店頭・店内の作りもすっきりとして清潔感が漂い、「わ」同様かなり女性を意識しているのではないかと思われます。

Photo_6 さらに、メニューにも特徴がありました。
なんと!朝の得Bセットは野菜ジュース付きなのです。
それも、そばに温泉たまごとワカメまでのっていて、いかにも健康的な「朝そば」ではありませんか。
これで370円はいいですね!

Photo_7また、昼に行った時には「野菜どっさりそば(480円)」がありました。日高屋の「野菜たっぷりタンメン」同様、野菜をたくさん食べたいと思っている女性や、私のようにカロリーや脂質を気にしている中高年男性が食べていました。

立ち食いそば店というと、どうしても「中高年おやじの店」というイメージがありますが、最近の立ち食いそば店は女性や若者、さらには家族連れなどもターゲットにして新たな需要開拓にチャレンジしているようです。

2014-05-18

「枝豆」をもっとアピールして客単価アップを目指そう!

私が店長対象のコーチング研修を行う時、まとめのエクササイズとして店長と主任(チーフ)役のロールプレイを行っています。

その際にはエクササイズの意味を理解してもらうことを目的に、私が店長、参加者の一人が主任役になり、次のようなデモンストレーションをしています。


【店長】主任、いま君の売場で売上を伸ばすために必要なのは客単価を上げることかな、それとも客数を増やすことかな、どちらだろう?

【主任】どちらかと言えば、客単価ですね。

【店長】そうか、客単価か。客単価を上げるには、買上げ点数を増やす方法と商品単価を上げる方法とがあるけど、どちらを優先する?

【主任】どちらも大切ですが、あえて選ぶとすれば買上げ点数ですね。

【店長】確かに、買上げ点数の方がアプローチしやすいかもな。ところで、これからの季節、君の青果部門で買上げ点数を増やすために、具体的な取り組みをするとしたら、どんなことができるだろう?

【主任】そうですね、今日も気温が高いですし、これからはビールが伸びる季節なので、「枝豆」の関連販売に力を入れていきたいと思います。

【店長】「力を入れる」というのは、どんな取り組みをするつもりなのか、そこを詳しく聞かせてくれないか?


711 この季節、青果部門や惣菜部門の主任役を対象にデモンストレーションをすると、必ずと言ってよいくらい話題に出る枝豆ですが、外国人が「枝豆(Edamame)」に高い関心を持っているという記事を見て、改めて枝豆の持つ潜在能力の高さに驚きました。

その記事とは、日本経済新聞の5月2日(金)に掲載されていた「海外で検索された和食キーワードランキング」というものです。このランキングは和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを受け、海外でインターネット検索サイト・グーグルを使って検索された和食のキーワードを調査したものです。



1位:すし
 
2位:枝豆
 
3位:ラーメン
 
4位:刺し身
 
5位:天ぷら
 
6位:焼きそば
 
7位:餅
 
8位:照り焼き
 
9位:しゃぶしゃぶ

10位:みそ汁

 

2位になった理由として記事内では、大豆の持つ健康食としての認知や外国人が日本の居酒屋や海外の和食店で食べて興味を持ち始めたことが取り上げられていました。
しかし、スーパーやコンビニなどの販売側ではそれほど注目をしていないようです。

その証拠に、ここ数日いくつかの食品スーパーを見ても、あまり枝豆はアピールされていません。季節の初めで、まだ一袋(250~300g)450円~650円と高いためかも知れませんが、最近では「プチぜいたく」が流行りです。今日のような気温が上がった休日に枝豆とビールの組み合わせPRは、客単価アップの絶好のチャンスだと思うのですが、いかがでしょうか。

一方、コンビニで枝豆(冷凍以外)の品ぞろえをしているのはセブンイレブンぐらいですが、ここ数日多くの店で夜になると欠品しているのが現状です。機会ロスを減らすことも客単価アップのポイントです。販売データと気温の変化に注意しながら、欠品の無い売り場を作っていただきたいと思います。

2014-05-11

コンビニ加盟店向け「スタッフ育成力アップセミナー」を開催します!

Photo_4フ ランチャイズビジネスの情報専門誌である『フランジャ』5月号の特集は「人材難・採用難時代の定着率アップ法」です。

いま、フランチャイズ加盟店の多くが従業員不足に苦しんでいますが、その中でも大手3社が大量出店を続けているコンビニ業界は店舗スタッフ不足が深刻な問題になっています。

Photo_5 そこで、次のようなコンビニ加盟店主の声に応えるため、「スタッフ育成力アップセミナー」を開催することにしました。

「スタッフの定着率が悪く、常にシフトが不足していて困っている」

「社員やスタッフのやる気を高めて、業績を上げる方法があったら教えてほしい」

「スタッフを育成する上で必要なコミュニケーションスキルを社員に学ばせたい」

【セミナー内容】
◆第1回
 ・自分の「行動特性」と他者との『違い』を理解して、コミュニケーション力をアップさせよう
◆第2回
 ・スタッフとの「コミュニケーション環境を整え」仕事に対するモチベーションの高い職場を作ろう
◆第3回
 ・「問いかけ」を活用して自己説得を促し、スタッフの自発的行動と潜在能力を引き出そう

【セミナー日程】第1回:6月17日(火)、第2回:7月15日(火) 、第3回:8月19日(火)
         ※第1回のみの参加も可能。但し、第2回・第3回のみの参加は不可
         ※第1回に参加してから第2回・3回の参加を検討することができます

【時間】14:00~18:00(休憩2回)

【場所】TKPスター会議室:お茶の水駅前(東京・千代田区) カンファレンスルーム:3
     (東京都千代田区神田駿河台2-1-18 常和御茶ノ水ビル2階)

【定員】20名様(申し込み手続き完了:先着順)

【受講料】第1回:15,000円、第2回・3回:各10,000円 (税込)
      ※各回ごとのお支払ができます

【申込み方法】
チラシをプリントアウト後、必要事項をご記入の上、FAXでお送りいただくか、メールで必要事項を送付して仮申込みを行って下さい。

内容の案内チラシおよび申込書のダウンロードはここをクリック】

多くの皆様の参加を心よりお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

2014-05-04

東急ストアの「フードステーション」はコンビニの脅威になるか?

ゴールデンウィーク4連休の初日、最高気温が25.6度になった東京では日差しも街ゆく人の服装も真夏を思わせる光景で、多くのカップルや家族連れがそれぞれの休日を楽しんでいました。

そんな光景を横目に、私は食品スーパーが新たに出店した小型スーパーマーケットを視察するため、東京都目黒区中目黒にある「中延駅」(東急大井町線)に出かけました。

Fs 目的の店は、東急ストアがコンビニのサービス機能を付加した新業態として4月9日に開店した「東急ストア フードステーション中延店」です。

フードステーション中延店は東急大井町線中延駅の改札口から10メートル足らずの場所にあり、売場面積は187㎡(約57坪)、営業時間は午前7時~午後11時。建物は駅とは別構造になっているようですが、駅の利用者から見ると「駅ナカ店」という印象を受けます。

「コンビニのサービス機能を付加した業態」というコンセプト通り、カウンターでは淹れたてコーヒーやホットスナックを販売しており、ATM、コピー機、デジカメプリント、収納代行、電子マネーなどサービス機能も充実していました。

Fs_3 商品を見ると、改札側入り口正面には6尺のオープンケースがあり、そこにはサラダ類が42アイテムも品揃えされていました。また、惣菜売場には店内で揚げた天ぷらコーナーがあり、なす・いも・ちくわは83円、えび162円、かき揚げ139円、スティック串(ピーマン、ウインナーなど)が148円で単品販売されており、コンビニ惣菜との差別化を積極的に図っていました。

青果売場は6尺幅の島ゴンドラを3~6尺のオープンケースで挟みコンパクトに展開しており、3尺のチルドケース2台にはカットフルーツ・野菜の品ぞろえが充実していました。

Fs_4 水産類は8尺幅5段のオープンケースで展開。丸魚はありませんがシャケ、サバ、ブリ、タラ、メカジキなどの一切れ入りのパック詰めが並び、売れ筋のシャケだけで7種類も品ぞろえされていました。また、刺身も1人用を中心に12種類と品ぞろえが豊富で、その他にもアサリやシジミ、生のエビやイカの切り身などがありました。

畜産類は6尺幅5段のオープンケースで展開。牛はステーキ(もも)や焼き肉用、切り落としなど6種類。豚や鳥はとんかつ用からひき肉まで26種類の品ぞろえ。また、お手軽キッチンというキャッチコピーで調味料に漬け込んだカット済み肉のパックやローストビーフのサラダ、餃子用のひき肉と皮のセットなども販売されていました。

生鮮3品はコンビニサイズの小型店であるにも関わらず、利用者の使用頻度の高い商品を中心に品ぞろえされており、かなり商圏や利用者の調理シーンを想定して商品と形状を厳選しているという印象を受けました。

ただ、小型店運営上のオペレーションレベルは今後の課題になりそうです。

というのも、レジ担当者の対応が不適切で何人ものお客様が待たされていました。また、私が淹れたてコーヒーを注文した際にも、レジ担当者が保管場所からカップをスムーズに出すことができず待たされました。その後、品出しをしていたスタッフがレジフォローに入ったのは良かったのですが、レジ担当者やお客様に対して不愛想でスタッフ同士が協力し合う体制ができていない印象を受けました。

開店してまだ1ヶ月なのでオペレーション上の課題は多いようですが、これらが解決されて店舗展開が進んだ時「東急ストア フードステーション」がコンビニにとって大きな脅威になることは間違いないでしょう。

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