« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »

2014-11-30

セブンイレブンのドーナツは第2の「淹れたてコーヒー」になるか?

昔から私と家族はミスタードーナツのオールドファッション、それも「チョコファッション」が大好きです。しかし、しばらく前からドーナツについているチョコレートの量が極端に少なくなり残念に思っていたところ、セブンイレブンがチョコファッションなどのドーナツを販売するという記事を新聞で見ました。

そこで、さっそく実験的に販売している「セブンイレブン九段南大妻通り店」(東京都千代田区九段南3-1-1)に行ってきました。

店に入ると正面カウンターの目立つ場所に、コーヒーマシーンを製造した富士電機と協同開発したという専用のドーナツケース(20度程度の温度を維持)が置かれていました。

陳列されていたのは「ホイップドーナツ」(税込110円)、「ダブルチョコドーナツ」(同100円)、「チョコオールドファッションドーナツ」(同100円)などの6種類。

そこで、「チョコオールドファッション」など何種類か購入し、帰り道にあったミスタードーナツにも寄り、「チョコファッション」を食べ比べてみることにしました。

Photoまず、並べて比較してみると、その大きさの違いにビックリ!
重さを量ってみると、ミスタードーナツが約75gなのに対して、セブンイレブンは約55gとかなり小さめです。ミスタードーナツが151円(税込)に対して、セブンイレブンは100円(税込)なのですから、大きさの違いは納得できる範囲です。

しかし、食感は全く異なるものでした。

ミスタードーナツのチョコファッションは外がカリカリとしていて、中はしっとりとした食感ですが、セブンイレブンのチョコオールドファッションは全体的にしっとりとしていました。また、チョコレートの味もかなり違います。2種類を比べてみて、ケンタッキーとコンビニのフライドチキンの違いを思い浮かべました。

ミスタードーナツのファンがセブンイレブンのドーナツを好んで食べるかどうかは疑問ですが、「淹れたてコーヒー」と同様に新たな需要を開拓することは可能かも知れません。

また、私が一番気になったのはドーナツケースの置き場所です。専用ケースをコーヒーマシーンの横に置くとなると、約60センチのスペースが必要になります。

現在、レジやフライヤー什器、おでんや中華まん什器、コーヒーマシーンなどでカウンターに空きスペースの無い店はどうするのでしょうか。

セブンイレブンは2015年度中に全17,000店に導入する計画のようですが、カウンターのレイアウト戦略をどのように立てるのか、とても気になるところです。

2014-11-23

「ファスト内定」の取り扱いはくれぐれも慎重に!

マクドナルドのハンバーガーや吉野家の牛丼など、注文するとすぐに提供され、短時間で安く手軽に食べられる食品や食事のことを、以前は「ファーストフード」と呼んでいましたが、いつからか“ファ”のあとを伸ばさない「ファストフード」という呼び方に変わっています。

Photo_2そのきっかけとなったのは、ユニクロや無印良品、ZARZやH&Mなど、最新の流行を取り入れながら低価に抑えた衣料品を、短いライフサイクルで大量生産・販売するファッションブランドを「ファストファッション」と呼んだこと、それが2009年には「新語・流行語大賞」のトップテンに選ばれたことではないかと思います。

その「ファスト(fast)」ですが、最近では就職活動にまで活用の範囲が広がっているようです。

11月9日(日)付の日経流通新聞(日経MJ)には、 「新卒『ファスト内定』中」という見出しで、来春の新卒学生採用に苦しんでいる外食・小売り・介護業界の会社が短い選考期間で採用を決める取り組みが紹介されていました。

その中でもユニークな採用活動をしていたのが、ラーメンチェーン大手の幸楽苑。採用担当者と学生が1泊2日で泊まり込みの合宿を行い、最短2日で内定を出すというものです。記事によると、合宿で寝食を共にして面談を重ねたり、採用担当者とチームを組んで卓球の試合をしたりするなど、イベントなどを通じて学生の性格などを短期間で判断していました。

他にも短期間で内定を出す企業が下記のように挙げられていました。

1日:「スタッフサービス」(人材派遣・介護職)
1週間:「かんなん丸」(居酒屋)
2週間:「バロー」(スーパー)
     「松屋フーズ」(牛丼)
     「MXモバイリング」(携帯電話販売)
     「タカラレーベン」(分譲マンション販売)
10日間:「華屋与兵衛」(和食チェーン)

新卒学生の採用活動も終盤になり、必要な学生が採用できていない企業と、まだどこからも内定がもらえていない学生、どちらにとっても短期間で内定が決まることは喜ばしいことかも知れません。

しかし、あまりにも短期間で選定を行うと、学生と企業(仕事)との間にミスマッチが起こりやすくなり、新入社員の離職も増えかねません。

新入社員の早期退職が増えると、チームワークが必要な業界では現場の士気を大きく下げることにもなるので、「ファスト内定」は慎重に取り組む必要があるのではないでしょうか。

2014-11-16

年末年始商戦に向けたスタッフのモチベーションアップ策

まもなく、スーパーやコンビニ、総菜店や飲食店などにとって1年で最大の販売チャンスとなる年末年始商戦がやってきます。

この商機を活かして売上を確保すると同時に、お客様からさらなる信頼を得るには,、従業員一人ひとりのモチベーションを高める職場環境を整え、全店一丸となって取り組む態勢作りが欠かせません。

Photoそこで、「働く上でのニーズ」の異なる社員、パート、アルバイト(臨時を含む)に対して、店長がどのような点に留意し、どのようなコミュニケーションを取れば一人ひとりの動機・欲求(ニーズ)にアプローチしやすくなり、年末年始商戦に対するモチベーションを高めることができるのか、食品スーパー業界の専門誌『食品商業』:12月号 (商業界)に執筆しました。

私が書いた記事のタイトルは、 『全店一丸態勢をつくる店長のコミュニケーション術』です。

食品スーパーの店長と社員(チーフ)・ベテランパート・アルバイト(若者)、それぞれの会話事例をもとに、3者の異なる働く上でのニーズにアプローチし、年末年始商戦に向かい協力を引き出すためのコミュニケーション術を書いています。

食品スーパーだけではなく、あらゆる小売・飲食・サービス業でも活用できる内容になっていますので、ぜひ本屋で『食品商業』を見かけたら手に取ってみてください。

2014-11-09

“第3の朝食”として市場が急拡大している「グラノーラ」

Dsc_0813数年前から私の朝食はプレーンヨーグルトの上にたっぷりと乗せたフルーツグラノーラ

ご飯と納豆の朝食からグラノーラに変えたきっかけは健康診断の結果です。体質改善のためには食物繊維をより多く取ることが必要だと指導され、朝から糖分もしっかり取れるフルーツグラノーラに変えました。

「グラノーラ」とはシリアルの一種で、オーツ麦や玄米などにハチミツやシロップと油脂分を加えて焼き上げたものです。グラノーラの主原料はオーツ麦で、オートミール(脱穀したオーツ麦を押しつぶすなどして加工したもの)は食物繊維・カルシウム・鉄分が豊富で(※)、糖質や脂質の代謝を促すといわれるビタミンB群も多く含み手軽に摂取することができるため、最近では朝食にする人が増えています。

(※)オートミールの食物繊維量(100gあたり)は食パンの4.1倍、精白米の31.3倍。カルシウムは食パンの1.6倍、精白米の15.7倍。鉄は食パンの6.5倍、精白米の39倍。《日本食品標準成分表2010》

日本スナック・シリアルフーズ協会によると、2013年の市場規模(出荷額ベース)は146億円と5年で3倍以上に成長しているそうです。見た目に華やかでおしゃれなイメージがあり、食物繊維が豊富で甘い朝食という点が女性を中心に支持を得ています。

また、最近では私のように健康意識が高い男性やアスリートにも浸透しており、ご飯やパンに次ぐ「第3の朝食」として広がりを見せています。さらに、製造元のカルビーや日清シスコではフル生産を続けているものの供給が追いついていない状況で生産ラインを増設しています。

Dsc_0817しかし、食品スーパーでは大量陳列こそしているものの、グラノーラの価値をお客様に伝えることはできていないのが現状のようです。売場担当者にはグラノーラの価値と潜在需要を理解していただき、関連陳列を含めて拡販に力を入れていただきたいと思います。

 

2014-11-02

『販売革新』の特集「採用難を乗り切る作業改善」に執筆しました

いま、小売業やサービス業の現場ではパート・アルバイト(以下:スタッフ)が不足しているため、店舗管理責任者には効率的に作業を進めるための創意工夫が求められています。

しかし、ムリをして多くの作業を時間内に求めれば労働強化になり、スタッフの勤労意欲が低下して退職につながりかねません。

ムリをさせずに無駄を改善するためには、スタッフに対してどのようなコミュニケーションを取ることが必要なのでしょうか。

11『販売革新』(商業界)の11月号特集“採用難を乗り切る作業改善”「スタッフのやる気をなくさせない[タイプ別]無駄の気付かせ方、伝え方」というタイトルで執筆しました。

記事内では、スタッフ一人ひとりの作業改善に対する捉え方の違いを「成果重視型」「社交重視型」「協力関係重視型」「クオリティ重視型」という4つの行動特性に分類した上で、各々どんなコミュニケーションを取ると協力を引き出しやすいのか、会話事例をもとに解説しています。

また、拙書『スタッフの“やる気”を引き出す法則』で紹介した、「4つの行動特性(個々人の強弱度)」を把握するためのチェックリストも掲載しています。

書店で『販売革新』を見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。

« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »