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2015-05-25

顧客拡大の活路を「野菜」に求め始めたファストフード

最近、年齢的な「食」に対する嗜好の変化からなのか 「野菜を食べたい!」と思うことが多くなりました。そのため、呑みに行ってもまず注文するのはサラダや野菜中心のおつまみです。そして、野菜を食べた後に焼き鳥や刺身などの動物性タンパク質に移行するのがいつものパターンになっています。

このようになった理由がもうひとつあります。

それは、健康診断の結果対策として食べる順番を変えるよう医師からアドバイスを受け、その後一年間実行したところ検査数値が改善されたためです。そのおかげもあり、体そのものが野菜を求めるようになったようです。

Photo_2そこで早速、先週発売になった吉野家の「ベジ丼」を食べてきました。ベジ丼には野菜のみの「ベジ丼」(530円)、野菜と牛煮が半分ずつの「ベジ牛」(650円)、野菜とカレーが半分づつの「ベジカレー」 (650円)の3種類があり、どれを食べるか迷いましたが、牛丼も食べたいという欲求にはあらがえず「ベジ牛」を食べることにしました。

野菜類はゴマ油風味のうま塩ダレでしっかりと味がついているため、思っていたよりもご飯のおかずになりました。また、驚いたのが野菜の種類とボリューム感です。

Photo_3大きく色鮮やかなブロッコリー、さつまいも、オクラ、いんげん、たまねぎ、ベビーコーン、パプリカ、きゃべつ、ニンジン、だいこん、にらなど彩りも華やかで食欲をそそります。私はまず野菜だけでご飯を半分食べてから、いつものように牛煮の上に紅ショウガをたっぷりと乗せて牛丼として食べました。

私は大変満足して、次は「ベジカレー」も食べてみようと思いましたが、カウンターにいた25人の客のうち、私以外に「ベジ牛」(他の2品も含む)を食べている人は一人しかいませんでした。発売直後なのでもっと多くの人が注文していると思っていたのでとても意外でした。

やはり、消費者が吉野家に求めるのは野菜ではなく「肉」なのでしょうか。
それとも、牛丼が380円に対して、ベジ牛が650円という点を考えると「価格」なのでしょうか。

しばらく様子を見ないと分かりませんが、かつて牛丼をよく食べていたものの、年齢的な食の嗜好変化から牛丼離れしていた消費者を呼び戻すには、とてもすばらしい商品だと個人的には思います。

2015-05-05

コンビニ利用者と店の「ポイント」に対する認識ギャップ

Photo先日、奥歯の治療をしたところ痛みが残り、病院からもらった鎮痛薬を3日ほど飲まなければいけない日々を過ごしました。そのためできるだけ柔らかいものを食べようと、普段あまり食べない菓子パンを買いに近所のサンクスへと向かいました。

すると、私がイメージした「柔らかいパン」にピッタリの新商品を発見しました。また、この「全粒粉入りミルク風味のパン」はレタス約2個分の食物繊維が入っており、健康にも良さそうです。さらに、なんと! ボーナスポイントが30ポイントも付くではありませんか!

Popということは、税込115円の商品を85円で買ったのと同じお得感があります。そのために売れているのでしょう。売場にはすでに2個しかなく、私が2個とも買ったため欠品してしまいました。

翌朝、また全粒粉入りミルク風味のパンを買おうと店に行ってみると、売り場には3個ありましたが陳列スペースは1列分だけ、発注量を増やしている様子はありません。この時は1個だけ買いましたが、昼前に再び寄った時にはすでに欠品していました。

日経MJ・5月1日版の「1000人の家計簿」には、コンビニ利用頻度調査が次のように紹介されていました。

昼食の購入か他の買い物やサービスの利用かを問わず、年1回以上コンビニを利用している923人に、コンビニの利用頻度が2~3年前に比べ増えているかどうかを尋ねたところ、「ほぼ変わらない」と回答した割合が53.8%と半数を超えた。ただ、「増えた」(7.5%)「やや増えた」(19.4%)と答えた「増加派」も26.9%に達し、4分の1以上を占めた。
増加派に「コンビニ利用が増えた最大の理由」を聞くと、最も多かったのが「自宅の近くに新しい店ができたから」(14.9%)。「電子マネーやポイントを使って安く買えたり得したりする商品が増えたから」「コンビニのいれたてコーヒーを飲むようになったから」がそれぞれ14.1%と続いた。

アンケート結果を見ると、買い物によって得られるポイントがいかに利用頻度アップにつながるかが良く分かります。また、特にポイントに価値を置いているのは男性よりも女性です。その点を考えるとサンクスの「全粒粉入りミルク風味のパン」への取り組み不足は女性客獲得の機会損失になっていると考えられます。

このようなポイントに対する視点を持って本部のスーパーバイザーが加盟店指導をすれば、コンビニ個々店の売上はまだまだ伸びるチャンスがあるのにと大変残念に思いました。

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