顧客拡大の活路を「野菜」に求め始めたファストフード
最近、年齢的な「食」に対する嗜好の変化からなのか 「野菜を食べたい!」と思うことが多くなりました。そのため、呑みに行ってもまず注文するのはサラダや野菜中心のおつまみです。そして、野菜を食べた後に焼き鳥や刺身などの動物性タンパク質に移行するのがいつものパターンになっています。
このようになった理由がもうひとつあります。
それは、健康診断の結果対策として食べる順番を変えるよう医師からアドバイスを受け、その後一年間実行したところ検査数値が改善されたためです。そのおかげもあり、体そのものが野菜を求めるようになったようです。
そこで早速、先週発売になった吉野家の「ベジ丼」を食べてきました。ベジ丼には野菜のみの「ベジ丼」(530円)、野菜と牛煮が半分ずつの「ベジ牛」(650円)、野菜とカレーが半分づつの「ベジカレー」 (650円)の3種類があり、どれを食べるか迷いましたが、牛丼も食べたいという欲求にはあらがえず「ベジ牛」を食べることにしました。
野菜類はゴマ油風味のうま塩ダレでしっかりと味がついているため、思っていたよりもご飯のおかずになりました。また、驚いたのが野菜の種類とボリューム感です。
大きく色鮮やかなブロッコリー、さつまいも、オクラ、いんげん、たまねぎ、ベビーコーン、パプリカ、きゃべつ、ニンジン、だいこん、にらなど彩りも華やかで食欲をそそります。私はまず野菜だけでご飯を半分食べてから、いつものように牛煮の上に紅ショウガをたっぷりと乗せて牛丼として食べました。
私は大変満足して、次は「ベジカレー」も食べてみようと思いましたが、カウンターにいた25人の客のうち、私以外に「ベジ牛」(他の2品も含む)を食べている人は一人しかいませんでした。発売直後なのでもっと多くの人が注文していると思っていたのでとても意外でした。
やはり、消費者が吉野家に求めるのは野菜ではなく「肉」なのでしょうか。
それとも、牛丼が380円に対して、ベジ牛が650円という点を考えると「価格」なのでしょうか。
しばらく様子を見ないと分かりませんが、かつて牛丼をよく食べていたものの、年齢的な食の嗜好変化から牛丼離れしていた消費者を呼び戻すには、とてもすばらしい商品だと個人的には思います。