ますます多様化する「総菜市場」とビジネスチャンス
先日、近所のセブンイレブンで牛乳と納豆を買ったところ、「無料引換券がついていますので、レシートをお持ちください」とレジ会計をしてくれたスタッフに声を掛けられました。
受け取ったレシートを見ると、「セブンプレミアム 無料引換券」という印刷表記があり、プレゼント対象商品として明太ポテトサラダや炭火焼チキンステーキなどのお総菜、海鮮お好み焼きや肉焼売などの冷凍食品の商品名が記載されていました。
店を出てから店頭ガラスに貼ってあるポスターを見ると、そこには「セブンプレミアムのお惣菜・冷凍食品を5個買うと1個プレゼント」という表記がありました。私はお総菜や冷凍食品は買っていないので関係ないと思っていましたが、納豆もセブンプレミアム商品のため対象になっていたようです。
引き換えてもらえる商品は100円~200円程度の商品ですが、思いがけないプレゼントにとてもうれしくなり、このようなシステム化されたキャンペーンの価値を、顧客として改めて実感しました。
最近、セブンイレブンではこのような電子マネー:nanacoを活用したキャンペーンが頻繁に行われています。また、おにぎり・調理麺などの割引セールや700円以上購入すると商品が当たるセブンイレブン・フェアなどもあり、いつでも何かしらのキャンペーンを行っていて、それらを告知するポスターやシーリングなどの販促物で店頭や店内はにぎわっています。さらには、テレビ・インターネットなどを活用したCMも目につきます。
これだけキャンペーンなどを頻繁に行っていると、どのくらい販促費がかかるのだろうと思い、2015年2月期の決算書(有価証券報告書)を見てみました。すると、販売費・一般管理費内の「広告宣伝費」は581億7千万円になっていました。2月末の店舗数が17,491店舗なので、1店当りにすると3,325,710円になります。
この金額が多いのか少ないのかを判断するため、ローソンとファミリーマートの同期間の広告宣伝費も見てみました。すると、ローソンは82億2千7百万円(単体)、1店舗当たりでは765,373円(ローソン・ナチュラルローソンの10,749店で計算)。ファミリーマートは79億9千9百万円(連結)、1店舗当たりでは706,126円(エリアFCを含む国内のみの11,328店で計算)。
セブンイレブンは他チェーンと比較して、加盟店から毎月徴収しているロイヤルティ(セブンイレブン・チャージ)が高いのですから使える広告宣伝費が多くなるのは当然だと思います。ただ、金額を調べてみて、他チェーンとの格差がセブンイレブンの「強み」になっていることを改めて知りました。