若手社員へのマーケティングは「聞く」ことから始めよう!
私は、食品スーパーなどの管理職者(店長・チーフ)の研修時に、 「お客様だけではなく、部下に対してもマーケティングをしましょう!」という話を必ずしています。
販売に関わる管理職者の多くは、お客様のニーズや商品情報、商圏環境や競業店など、さまざまな情報やデータを収集・分析し、よりお客様に喜んでいただける店づくりを目指して日々努力を重ねています。
しかし、一緒に働く従業員に対するマーケティングはしていないのが現状です。それでいながら、 「考えが伝わらない」「最近の若い社員は理解できない」「思うように動いてくれない」 など、さまざまな問題点(悩み)を抱えています。
お客様のニーズは多様化していると同時に、想像以上のスピードで変化していることは多くの管理職者が理解しています。それと同様に、従業員の仕事に対するニーズ(動機・欲求)や不安や恐れも変化していることを理解することが必要です。
この傾向は新入社員でより顕著に現れています。
1月18日(月)の日経流通新聞(日経MJ) には、 「20代と違う『新大人』18歳の意識」というタイトルで、現在の20代(いわゆる「さとり世代」)と違って消費や恋愛に意外と前向きな姿勢がアンケート結果と共に紹介されていました。
その中でも私が特に注目したのは、「一緒に過ごして楽しい相手は誰か」という質問です。これに対して、16歳~19歳女性の4割、同男性の2割が「母親」を挙げています。
このような結果が出たことに対して、彼らの母親が年齢からみて「新人類」「バブル世代」にあたり、会話にお酒や化粧品、ファッションが話題にのぼることが多いからではないかと分析されていました。
このような関係性は管理職世代には考えられないことでしょう。しかし、これからの新入社員はこのような環境の中で仕事や人間関係に対する価値観が形成され、入社してくるという点を理解しておくことが必要です。
また、新入社員が仕事に対してどのような「動機・欲求」を持ち、どんな「不安や恐れ」を抱えているのか、小まめに話を「聞き」一人ひとりに対してマーケーティングすることは、これからの管理職者により強く求められてくるのではないでしょうか。