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2016-08-10

成果を期待したい「イオン」の新たな人事制度

最近、日本経済新聞(※)に掲載されていたイオンの2つの人事制度改革が「小売業界の新たな人材不足対策」になるのではないかと、私はひそかに期待しています。(※=2016年7月21日、8月10日)

まずは、地域社員」を店長や部長など上級管理職に昇格しやすくする制度を2017年春に導入する点です。

転勤のない地域社員は転勤が可能な全国社員と比較して、昇格や昇給に格差(制限)を設けられているのが一般的です。しかし、イオンでは与えられた役割に対する成果を評価の対象にすることで格差を無くし、育児や介護を理由に優秀な人材が流出することを防ごうとしています。

また、多様化する顧客ニーズに対応することを目的に、本部主導の売場作りから地域ごとの客層や所得層に合わせた売場作りが求めれていることも、地域社員に対する待遇見直しの後押しになっています。

次に、店長の「在宅勤務制度」の導入(今春)です。
小売業では導入が難しいと考えられていた在宅勤務制度を取り入れたのは、東北地方に21店舗を展開する『イオンスーパーセンター』。

新制度では店長や課長など店舗管理職者に一ヶ月最大で5日の在宅勤務を認めています。在宅勤務を選択した店長は、セキュリティ対策をした専用端末で販売計画書や報告書の作成、部下や上司とのメールのやりとりを行います。

このような勤務が可能になれば、育児や介護で仕事が制限されがちな管理職者の離職を減らすことも可能になり、人材の流出防止につながる成果が期待できます。

しかし、私が最も注目した成果は、記事内にあった「店長業務を代行した部下の能力が目に見えて高まり、『より多くの仕事を任せられるようになった』」という店長の言葉でした。

つまり、副店長やチーフなど店長業務代行者の育成が進んだことと、代行者が店長業務に対して理解を深めた結果、より多くの仕事を任せられるようになったのだと考えます。

小売業の現場は生産性の低さがいつも課題となっています。
しかし、このようなイオンの取り組み事例を知ると、まだまだ人事制度の工夫次第で従業員の成長を促すことはでき、小売業の生産性を高めることも可能だと改めて思います。

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