ミニストップの「新たなフランチャイズ契約」が大手3社の脅威に!
数年前、顧問先のコンビニスタッフとのミーティング時に、「『この商品があるから、このチェーンの店に行ってしまう』という商品をリストアップしてみよう!」というグループワークをしたことがあります。その時、最も多くのスタッフが「ミニストップのソフトクリーム」をあげました。
確かに、ミニストップのソフトクリームは北海道生乳と生クリームをたっぷり使用した濃厚なミルク感が特徴で、とてもコンビニの商品とは思えない美味しさがあります。
またその人気ぶりから、ミニストップでは2020年9月にソフトクリーム専門店『ミニソフ』を横浜ポルタ内に出店。その後、ショッピングモールなどを中心に店舗数を徐々に増やしています。
ただ、コンビニ大手3社が1万店以上の店舗を全国展開しているのに対して、業界4位のミニストップは27都府県に1997店舗(2020年8月末)しか展開していないため、ソフトクリームの認知度もいまひとつなのが現状です。
しかし、そのミニストップが9月25日、コンビニ業界に衝撃を与える「新たなフランチャイズ契約」への切り替えを発表しました。
新たなフランチャイズ契約の内容とは、店舗の「事業利益」を本部と加盟店が分け合うというものです。【図表を参照】
従来は事業利益の有無にかかわらず、本部が加盟店の売上高に占める「収入(売上総利益)」から一定の経営指導料を取っていました。そのため、売上が一定であっても時給の上昇に伴う人件費の増大や廃棄ロスなどの経費負担から年々利益が減少している店が増えていました。
これを今後は店が赤字ならば本部のもうけもゼロになる契約に変えるということです。
つまり、店が負担していた人件費や廃棄ロスなどの経費を本部も共同負担、両者が協力して売上高を伸ばし、効率的に利益を生み出す仕組みにつなげようとしているのです。
さて、このミニストップの契約変更に対して、大手コンビニ3社はどのような対応をするのでしょうか。
「店舗数が少ないからできることだ」などという言い訳は通用しません。
なぜなら、2023年度から5年間でコンビニ全体の26%となる約1万5000店が契約満了の時期を迎え(2020.9.26.日経)、いまのままの契約内容ではフランチャイズ契約を他社に切り替えたり、コンビニ事業を廃業したりする経営者が増えると考えられているからです。